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海上忍が速攻レポート

ついにスタートした「iTunes Match」は日本で受け入れられるか?

2014/05/02 海上忍
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実に2年半遅れでようやく日本にやってきた「iTunes Match」

2011年6月にサンフランシスコで開催された「WWDC 2011」。いまは亡きSteve Jobs氏最後の基調講演、お約束だった"One More Thing"のラストを飾った話題が、ついに日本でもサービスインした「iTunes Match」だ。米国では2011年11月に提供開始されているから、実に2年半遅れてのスタートということになる。その間、音楽配信サービスを取り巻く環境は大きく変わったが、ともあれMac/iPhoneを中心に音楽を聴いている層にとって注目のトピックであることは間違いない。

ついに日本でもスタートした「iTunes Match」。3,980円/年のサブスクリプションサービスだ

iTunes Matchは、利用するデバイスの違いにかかわらず「自分が所有する」曲を楽しめるサービスだ。3,980円/年のサブスクリプション契約を締結すると、以降1年ごとに自動更新される。1ヶ月あたり約330円というコストをどう見るか、まずはその仕組みと特徴について整理したい。

支払いはふだん利用しているApple IDで行う

iTunes Macthは、利用開始時にiTunesライブラリの分析を行う。音楽CDから取り込むなど自前で用意した曲は、iTunes Storeで取り扱いのある曲と同一と判定されれば、iCloudからAAC/256kbps/DRMなしのオーディオストリームとして聴くことができるようになる。iTunes Storeから購入した曲も同様だ(この機能はiTunes in the Cloudとしてすでに提供済)。iTunes Storeで取り扱いのない曲はiCloudへアップロードされるため、実質的にiTunesライブラリをクラウド化する効果がある。

このサービスのキモは、圧縮音源としては比較的良質な音を同期/ダウンロードの手間なくパソコンやiOSデバイスで楽しめること。自分が所有しない(iTunesライブラリにない)曲は対象外のため、自分が知らない曲と出会うチャンスは増えないが、年会費さえ支払えばiTunesライブラリを“どこでも聴けるストリーミング音源”にできるわけだ。

iTunesライブラリにある曲の音質を"底上げ"する効果もある。iTunes Storeで取り扱いのある曲と同一と判定されれば、一律iTunes Plus(AAC/256kbps)のクオリティとなるため、低ビットレートで取り込んだ曲は音質向上を期待できる。iPodが出始めの頃大量にMP3でエンコードしてしまった、という向きにはお手軽なクオリティアップ策となるだろう。

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