野村ケンジが聴くオーディオテクニカ「AT-HA22TUBE」ー 真空管採用ヘッドホンアンプの実力は?

野村ケンジ
2013年12月04日
ヘッドホンとともに、ヘッドホンアンプにも力を入れているオーディオテクニカから、個性派の新モデル「AT-HA22TUBE」が登場した。

AT-HA22TUBE

「AT-HA22TUBE」は、その名から推察できるとおり「AT-HA2x」シリーズをベースに、プリ段にLR独立配置の真空管を、パワー段にパワートランジスターを採用したハイブリッド構成のヘッドホンアンプ。PCオーディオの世界、特にヘッドホンとの組み合わせでは、丁寧で緻密な音を楽しませてくれる真空管と意外にも相性が良いことは広く知られているが、「AT-HA22TUBE」はまさにそういった相性の良さを積極的に活用したモデルだ。

また、アルミボディによって不要振動を抑制、大容量ACアダプターによって高出力ヘッドホンでも豊かな低域再生を確保するなど、「AT-HA2x」シリーズならではのアドバンテージもしっかり受け継いでおり、完成度の高い製品に仕上げられている。

入力はシリーズ他モデルと同様、アナログRCA入力のみとなっているが、パススルー出力も用意されており、既存のオーディオシステムへ手軽に組み込むことが可能。またヘッドホン出力は、6.3mmと3.5mmの2つを装備し、2台のヘッドホンで同時に音楽を楽しめるようになっている。

実際のサウンドというと、比較的コンパクトなボディサイズや真空管の愛らしさからは想像できない、堂々としたもの。メリハリがハッキリしていて立ち上がりも鋭いため、キレの良さが際立つ、元気の良いサウンドを楽しませてくれる。

感心するのはSN感の高さだ。特にノイズレベルがとことんまで抑え込まれているため、音楽がとても明瞭に感じられる。

一方で、駆動力の高さにも驚いた。AKGの「Q701」は、本来の実力であるウェルバランスな鳴り方を発揮させるにはヘッドホンアンプ側にかなりの駆動力を求めるのだが、そんなヘッドホンを「AT-HA22TUBE」は、ボリュームを最大にすることなく(半分強くらいで)軽々と鳴らし切ってくれるのだ。しかも、真空管ならではといえる、緻密で響きのきれいな音色傾向も持ち合わせているのだからたまらない。音質と使い勝手(特にサイズと駆動力)の両面で、とても魅力的な製品だ。

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