HOME > レビュー > 【第58回】愛用ヘッドホンがバーチャルサラウンド対応に! 新アイテム「HeaDSPeaker」を試す

[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第58回】愛用ヘッドホンがバーチャルサラウンド対応に! 新アイテム「HeaDSPeaker」を試す

公開日 2013/08/23 10:37 高橋敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

このユニット、パソコンとUSB接続している間は、なぜかリモコンが利用できないのだ。Windows用にはパソコンから本機を操作するアプリが用意されているとのことなので、「USB接続でパソコンと組み合わせて使う際にはWIndows推奨」と理解しておいた方がよいだろう。

問題のリモコン。本体ユニットには何のボタンもないので、このリモコンが使えないとピンチ!

なおMacの中にはヘッドホン出力が丸型光デジタル出力を兼ねている機種もあるので、その場合はそちらを使って本機と光デジタル接続すればOK。

ちなみにリモコンがないと操作できない機能は、バーチャルサラウンドのオン/オフ、トラッキングのオン/オフ、耳型のプリセット1〜5の選択、仮想ルームサイズの調整、テストトーンなど。機能や設定の要点については後ほど説明するが、つまりリモコンが使えない=音量の調整をパソコン側で行える他は機能的には何もできないに等しい状態だ。

まあでもせっかくなので、まずは設定変更ナシのストレートな状態で実力を検証

…というわけで、MacとのUSB接続は実用性に欠けるのだが、せっかく設置したし映画もレンタルしちゃったし、肩を落としつつもまずはストレートな(特に設定を変更しない)状態での簡単な試聴をしてみよう。

映画「ダークナイト」にて、大型トレーラーやバットポッドが疾走するカーチェイスのシーンをチェック。サラウンド感は確かに出ている。音場は頭の一回り外まで広がっているし、その中での音の配置や移動感、ヘッドホンでは本来は感じられない後方への回り込みも、擬似的なものではあるがなかなかちゃんと表現されている。

サラウンド音場の表現については、サラウンドヘッドホン一般の中でも優秀な部類と言ってよいだろう。

ヘッドトラッキングは、あまり極端な効き方ではない。しかし顔の向きを動かしても音の方向性があまり動かないというのは、確かに実感できる。

正直なところ映画だと「映画を見るときはいつも画面(正面)を見ているからあまり意味がないかな」と思うのだが、メーカーとしてはゲームなどインタラクティブなコンテンツで特に効果があるとプッシュしている。ゲーマーの方で「なるほど!」とピンと来た方はチェックしてみてほしい。

気になるところとしては、バーチャルサラウンドとヘッドトラッキングの影響なのか、台詞の音像に少しブレがある。ただこの点はサラウンドヘッドホンの多くで大なり小なり感じられるところで、本機特有の弱点というわけではない。また後述するが、設定の最適化によってこの点も十分に緩和できる。

と、一応はサラウンドシステムとしての実力の高さを確認できたのだが、しかしやはり機能の一通りを試してみないことには納得できない。設定を詰めればより優れたサラウンド表現を得られるかもしれないからだ。

そこで、BDレコーダーとの光デジタル接続での再生もチェックしてみた。これならリモコンが使えるので一通りの機能・設定を試せる。

次ページBDレコーダーとの接続でHeaDSPeakerの実力を試す

前へ 1 2 3 4 5 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE