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人気モデルの実力再検証 − 折原一也がSHURE「SRH840」をレビュー

2013/07/31 折原一也
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SHUREから2009年に登場したヘッドホン「SRH840」は、同社のエンジニアとプロミュージシャンが共同開発したという“プロフェッショナル・モニター・ヘッドホン”の上位に位置づけられるモデルだ。今回はこのSRH840の実力を、折原一也が改めて検証していく。

SRH840

SRH840の魅力に改めて迫る

SHUREがオーバーヘッド型モデル「SRH840」「SRH440」「SRH240」の展開を開始し、ヘッドホン市場に参入して3年以上が経過している。3機種ともプロミュージシャンと共同開発した”プロフェッショナル・モニター・ヘッドホン”という位置づけのモデルで、SHUREのプロ用音響機器の流れを汲み、多くの品質検査を繰り返して堅牢性・耐久性を高めている製品だ。

特に上位機種のSRH840は、発売当初から現在に至るまで高評価を獲得している人気機種である。今回は、スマートフォンによるポータブル環境での音楽再生およびUSB-DACを利用したハイレゾ音源再生を通して、このSRH840の実力を再検証していきたい。

まずはSRH840のプロフィールを簡単におさらいしよう。本機は口径40mmのダイナミックドライバーを搭載する密閉型モデルで、再生周波数帯域は5Hz〜25kHz。ケーブルは長さ3mの片出し式カールコードで、着脱にも対応している。導体はOFCを採用。本体とケーブルの接続部は、高い堅牢性を備えたロック式のBayonet Clipを採用する。

ケーブルは片出しタイプの着脱式

まずはiPhone 5をプレーヤーにして試聴!

まずはプレーヤーにiPhone 5を使用し、日常的によく使うポータブル環境での試聴を行った。ダイアナクラールのジャズナンバー『The Girl in the Other Room』を再生すると、本機の空間再現性の高さを強く実感することができた。バックバンドの位置関係までしっかりと感じられ、ボーカルもしっかりと定位する。

また、耳にダイレクトに響くようなダイアナクラールのハスキーボイスは息づかいまでリアルで、極めて精緻に表現されている。ピアノは特に高域の伸びが繊細で丁寧であり、指づかいも感じ取れるほどだ。シンバルの金属音もスピーディ。低音は唸るような質感で、ヘッドホンサイズから考えると贅沢さを感じるほどのボリュームを持っている。

続いて、ダンス系サウンドの試聴ソースとしているきゃりーぱみゅぱみゅの『ぱみゅぱみゅレボリューション』を再生すると、歯切れの良いサウンドと心地良く突き抜けた重低音による、煌びやかな電子音の世界が描かれる。ロック系のnano.RIPEの『スターチャート』を再生すると、低音の唸りを程よく抑えながらも全体的にダイナミック。音楽の持つ情報量をストレートかつエネルギッシュに引き出すサウンド、これが試聴していて抜群に心地良い。

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