【レビュー】「HTC J butterfly」を試す − 5インチフルHDの“全部入り”スマホ

■5インチディスプレイは女性でも持ちやすいのか？− フルHD液晶はどう？

結論から言おう。意外に持ちやすかった…！

もう少し正しくいうと「“思っていたよりは”持ちやすかった」という感じだ。実は記者は以前に取材で約4.8インチディスプレイのスマホを持ち歩いたことがあり、そのときに「デカいなあ〜。これは持ちにくいなあ〜」と感じた経験があったので、5インチなんてあり得ないと思っていたのだ。

しかし意外や意外。HTC J butterflyはその背面のラウンド形状に加えて、9.2mmという薄さ、質量約140gという軽量性も手伝ってか、5インチにしては持ちやすいというのが本音である。

だが、個人的な携帯性には若干の難があったのも事実。女性である記者は、パンツファッションのときにはスマホをポケットに入れることが多い。今回プライベートな空間へも何度か持ち歩いてみたが、女性の服のポケットに入れると若干はみ出してしまうサイズなのだ。しかし一方では筐体が薄いので、バッグの中に入れておく分には他のモノとかさばる感じもなく、むしろ入れやすかった。文庫本なんかと一緒にスルッと入ってしまう。

次に、5インチサイズで良かったことといえば、やはりインターネットブラウジングがしやすいことだろう。これは確実にいえる。何せファーストビューで表示される範囲が広い。そして、やはりフルHD液晶の綺麗さ、そしてAndroid 4.1でさらに向上されたというレスポンスの良さもあり、PC用サイトを開いてもそこまでストレスを感じずにインターネットブラウジングを楽しめる。とにかくサクサク動くのである。

また、これは個人の手の大きさにもよるだろうが、5インチディスプレイは片手で操作するには届く範囲に限界があり、小さめな記者の手では、基本的に両手で操作する場面がほとんどだったことも付け加えておこう。

なお、本機は先述の通り、5インチでフルHD液晶搭載という特徴を備えているが、正直にいうと個人的には、このフルHD液晶自体にそこまで突出した感動は憶えなかった。事前の期待値が高かったのが大きいのだろうが、加えてこれまで使ってきたIS03のNewモバイルASV液晶（960×640ドット）もかなりクオリティが高く、そもそもスマホの綺麗な画面を見慣れてしまっているのもあると思う。とはいえ、スマートフォンの5インチ画面でフルHD映像をドットバイドットで楽しめるというのは、それだけでもAVファンにとって十分大きなメリットだろう。特に動画再生をたくさん楽しみたい方には強くオススメしたい。

ちなみにそのほかの特徴として、microSDカードスロットが本体上部についているというのが、非常に地味だが個人的に嬉しい仕様だったりする。最近のAndroidスマホは、防水タイプが増えたこともあり、本体側面にmicroSDカードスロットを搭載する端末も多くなったが、記者がIS03を購入した時代は、まだmicroSDカードスロットを本体内部のSIMカードスロットの上に備えている機種がほとんど。背面を開けて電池パックを取り外さないとmicroSDの出し入れができなかったのである。こういった小さなところでも、この2年間の変化を感じた次第である。

さて、続いては、従来モデル「HTC J」で好評だった機能を引き続き投入し、さらに機能強化したカメラ機能を試してみた。