eero、Wi-Fi 7に対応した新メッシュWi-Fiルーター「eero Pro 7/eero 7」
Amazonは、メッシュWi-Fiデバイスブランド “eero(イーロ)” から、Wi-Fi 7規格対応のWi-Fiシステム(ルーター)「eero Pro 7」「eero 7」の2モデルを、6月25日(水)より発売する。価格は以下の通り(以下表記いずれも税込/1台)。

■「eero Pro 7」
1ユニット : 44,800円
2ユニット : 75,800円
3ユニット : 99,800円
■「eero 7」
1ユニット : 19,800円
2ユニット : 34,800円
3ユニット : 49,800円
Wi-Fi 7対応モデルにエントリー&ミドルクラス機が拡充
eeroは、2014年にアメリカのシリコンバレーで創業し、2019年にAmazonが買収、子会社化したメッシュWi-Fiブランド。通信速度の遅さ、接続安定性の低さ、設定の複雑さといった課題の解決を目標に、家庭用のメッシュWi-Fiルーター製品にいち早く取り組んでおり、2024年9月より日本国内でも販売を開始した。
国内ではこれまでフラグシップモデル「eero Max 7」のみが最新規格のWi-Fi 7に対応していたが、このたび大容量接続ニーズに応える上位モデル「eero Pro 7」と、より手頃な価格でマルチギガビット速度を提供する「eero 7」が新たにラインナップされる格好だ。

両製品ともWi-Fi 7に対応しており、データ転送容量の向上と遅延低減を実現。異なるバンドとチャネルを使用して同時接続を可能にする「Multi-Link Operation」や、同時接続デバイス数を増やす「Orthogonal Frequency Division Multiple Access」、1つの信号で伝達できる情報量が向上する「4K-QAM」などをサポートする。
eero Pro 7は、日頃からネットワークに100台以上のデバイスを接続するユーザーや、複数人が同時に高画質ストリーミング/オンラインゲーム/Web会議などを絶えず行うユーザー宅に最適とするWi-Fi 7規格対応の上位モデル。

6GHz/5GHz/2.4GHzのトライバンドをサポートし、ネットワーク容量を増加させることで、近隣のネットワークが混雑している場合でもパフォーマンスを向上させるとのこと。2つの5Gbpsイーサネットポートを備え、有線接続で最大4.7Gbps、無線で最大3.9Gbpsの速度を提供するとしている。
最大Wi-Fi範囲は、1ユニットで190m2、2ユニットで380m2、3ユニットで560m2を実現。同時接続数は1ユニットで約200デバイス、2ユニットで約400デバイス、3ユニットで約600デバイスとなっている。

本体にはeero Max 7と同様の静的冷却システムを採用した、冷却ファン不要の設計となっている。
eero 7は、より手頃な価格でのWi-Fi 7へのアップグレードを検討しているユーザーに向けたモデル。5GHz/2.4GHzのデュアルバンドに対応し、2つの2.5Gbpsイーサネットポートを備えることで、有線接続で最大2.3Gbps、無線で最大1.8Gbpsの速度を提供すると謳う。

最大Wi-Fi範囲は、1ユニットで190m2、2ユニットで380m2、3ユニットで560m2までカバーし、アパートや一戸建てなどのネットワーク構築に最適としている。コンパクトデザインによって本棚やデスク、テレビ台など様々な生活空間に収まるちょうど良いサイズ感と謳っている。

両モデル共通の仕様として、従来機と同様、同ブランドの独自技術を多数採用。特許取得済の「TrueMeshテクノロジー」では、ネットワーク上のトラフィック(通信データ量)を能動的に管理し、接続の切断や電波の届かない場所を減らすよう各デバイスのネットワーク経路を最適化することで、高速かつ快適なWi-Fi環境を実現するという。
ほかにも、ユーザーがフロアや部屋、建物内を移動する際にそれぞれの状況に応じて最適なeeroへ接続する「TrueRoamテクノロジー」や、デバイスに最適なチャンネル自動的に選択してネットワーク環境を最適化する「TrueChannel」などもサポートしている。

また、新たにIPoE接続(MAPE/DS-LITE)もサポートする。なお、従来のラインナップ機については本日6月10日受注分からIPoE対応の個体が出荷され、既存機種については今夏より順次アップデートで対応予定としている。
スマートフォンアプリを使用したネットワーク管理/設定にも引き続き対応。接続デバイスと接続速度、各デバイスのデータ使用量の確認や、特定のデバイスのインターネット利用の一時停止、ゲスト専用のネットワーク構築or共有などの各種操作がアプリ上で行える。また、先日実施されたアップデートによりUIが改善され、ネットワークに接続中のデバイスがより確認しやすくなったと説明する。

セキュリティ面では、高水準の暗号化や、セキュリティプロトコル「WPA3」をサポート。ソフトウェアの自動更新により、最新のセキュリティパッチやバグ修正、機能アップグレードなどが実施される。
また、サブスクリプション型のセキュリティサービス「eero Plus」も用意しており、高度なオンラインセキュリティや、特定のコンテンツやアプリへのアクセスをブロックするペアレンタルコントロールや、パスワードの一括管理、子供向けの年齢制限別のフィルタリング、DNSFilter社のVPN「Guardian」、ポップアップ広告ブロックなどの機能が利用できる。
そのほか、過去のeero製品との下位互換性を備え、生活環境が変化した際にも手軽にネットワークの拡張やアップグレードが行えるとのこと。
AmazonのEchoデバイスやAlexaアプリを併用し、Zigbee/Matter/Thread規格対応のスマートホーム製品をコントロールするハブとして活用することも可能。日本国内のeero専門サポートチームによるカスタマーサポートも用意しており、電話およびメールにてユーザーからのトラブルや質問に対応する。
創業10周年を迎えたeeroブランド。「eeroは“表”に出せるWi-Fiルーター」
この度の新製品発表に先駆け、昨日6月9日にはメディア向けの説明会が開催。eero Japan コンシューマー事業部長の波多野哲平氏が登壇し、創業10周年を迎えたeeroブランドの歩みや、今回の新製品について紹介するプレゼンテーションが行われた。
今年2月に創業10周年を迎えたeeroブランドは、創業者・ニック・ウィーバー氏によってカリフォルニアのシリコンバレーにて創立。ニック・ウィーバー氏は創業当時から、Wi-Fiというものが今後電気やガス、水道と同じくライフラインに欠かせないものになると見越し、「人々が安心/安全/簡単に扱えるWi-Fiを提供したい」という理念のもと製品を展開してきたと語る。

10年間にわたり高速で信頼性の高いWi-Fiを世界に提供してきたとして、これまで数千万台のeeroデバイスをワールドワイドに出荷。昨年販売開始の日本を含め全24か国での展開を行い、うち米国、ブラジル、ドイツ、ベトナム、台湾にはエンジニアリングセンターを設置している。
2024年9月からの国内販売開始後は、「我々も驚くほどに(日本の)多くのユーザーが商品を購入してくれた」と波多野氏はアピール。実際に製品を購入した日本のユーザーからの声として、「セットアップが直感的でスムーズ」「カスタマーサポートの案内が丁寧で安心」といった点が評価されていると強調した。
eeroブランド製品の今後については、上述したIPoE接続のサポートや、ユーザーにとって最適なモデルをおすすめする購入前 or 購入後サポートの開始といったコールセンターのサービス向上、製品ラインナップのさらなる充実などを図っていくことを明かした。

そのほか、現在はAmazon限定販売となっている同ブランド製品を、今年後半には家電量販店などへの展開を目指して検討/調整しているとのこと。波多野氏は「より多くの日本の方にeero製品を知ってもらい、ユーザーになってもらいたい」と締めくくった。
説明会では、ビームス 執行役員 シニアクリエイティブディレクター 兼 ディレクターズバンク長の土井地博氏をゲストに迎え、Wi-Fiルーターがどのように生活空間に溶け込むかといったテーマを語るトークセッションも行われた。

土井地氏は、ビームスではアパレル製品の展開を中心としながら、さまざまなライフスタイルの提案も行ってきたと説明。従来ののWi-Fiルーターは「テレビ裏などの奥にしまって可視化しないものだった」としながら、eeroの「部屋に馴染む」デザインによって「これなら(Wi-Fiルーターを) “表” に出しても良いと思えた」と評価していた。
なお今回の新製品発売にあわせ、既存のWi-Fi 7対応モデル「eero Max 7」、Wi-Fi 6E対応モデル「eero Pro 6E」、Wi-Fi 6対応モデル「eero 6+」の3製品が、本日6月10日より新価格で提供される。新価格は以下の通り。
■「eero Max 7」
1ユニット : 89,800円
■「eero Pro 6E」
1ユニット : 34,800円
2ユニット : 58,800円
3ユニット : 79,800円
■「eero 6+」
1ユニット : 15,800円
2ユニット : 27,800円
3ユニット : 39,800円