シャープ、視聴体験を強化したスマートフォン「AQUOS R10」。ピーク輝度も3000nitsにアップ
シャープは、ピーク輝度3,000nitのPro IGZO OLEDディスプレイやパワフルなフルメタルBOXスピーカーなどを搭載し、“生で見るより生々しい” ほどの臨場感あふれる視聴体験を楽しめるとするAndroidスマートフォン「AQUOS R10」を、7月上旬より順次発売する。価格はオープンで、256GBモデルが税込10万円前後、512GBモデルが税込11万円前後での実売が予想される。
ディスプレイとして、約6.5型のフルHD+(1,080✕2,340)有機EL「Pro IGZO OLED」を搭載。大きさや解像度は従来モデル「AQUOS R9」と変わらず、リフレッシュレートも1 - 240Hzの可変駆動に対応するが、ピーク輝度が2,000nitから3,000nitへと強化。明部と暗部のコントラストが一層高まり、細部の質感をよりリアルに描き出せるようになったとする。
SDRコンテンツをHDR並に明るく鮮やかに表示する「バーチャルHDR」も搭載。本機能で動画を視聴する際、全画面表示を行わない場合は動画部分のみ明るくできるため、画面全体のまぶしさが軽減されるという。
本体上下には大型スピーカーBOXを内蔵。特に上部のスピーカーBOXは全金属筐体とすることで音圧を増し、パワフルなサウンドを実現した。その場にいるかのような音の広がりと臨場感を楽しめる立体音響技術Dolby Atmosへの対応に加え、音量に合わせて周波数特性を制御する新音響技術も導入。小音量での再生時にも、高域と低域がクッキリ聴き取りやすくなったという。
BluetoothオーディオではSnapdragon Soundに対応し、ハイレゾオーディオワイヤレスロゴも取得。またワイヤレスイヤホンやヘッドホンを接続してのリスニングでは、8Way Audioによりステレオ音源を空間オーディオに変換して再生することができる。
メインカメラは、光学手ブレ補正付のf1.9/約5030万画素の標準カメラと、f2.2/約5030万画素の広角カメラの2眼構成で、前モデル同様に独ライカカメラ社が監修。標準カメラは新開発の1/1.55型イメージセンサーを採用しており、暗部のノイズをより抑え、星やライトの輝きを一層引き立たせた撮影が可能になったとする。
周囲の光を測定するための14chスペクトルセンサーを新たに備え、室内照明下など色味調整が難しいシーンでも見たままに近い自然な色合いを再現しやすくなった。AIによる画像処理技術も搭載し、合成処理によるディテール感や階調感の向上や、料理やテキスト撮影時に写り込んだ影の消去を行える。
動画撮影では色彩鮮やかなDolby Visionでの撮影をサポート。オートフォーカスではAIが被写体の動きを予測/追尾し、一時的に物陰などに隠れても捉え続けられるとしている。
生成AI活用機能として、通話中のキーワードを自動で抽出、メモに保存する機能を搭載。通話後に会話内のキーワードをリストで確認することができ、また「日時」の要素が含まれる場合にはカレンダーアプリへのスケジュール登録を提案してくれるという。
SoCはクアルコムの「Snapdragon 7+ Gen3 Mobile Platform」を搭載。RAMは12GB、ストレージは512GBまたは256GBを備え、microSDカードにも対応する。発熱によるパフォーマンス低下を抑制するため前モデル同様にベイパーチャンバーを搭載し、それに加えて新しい放熱構造も採用。ベイパーチャンバーとCPUの間に、高熱伝導の銅ブロックを圧着することで、さらに効率良い熱拡散を図っている。
ボディはデザイナー・三宅一成氏が設立した「myiyake design」が監修。前モデルでも好評だった、円でも四角でもない “自由曲線” がカメラを囲うデザインを継承しつつ、上質なガラス素材により美しい光沢感を持たせている。その一方で、IP68等級の防水防塵、MIL-STD-810G規格準拠の耐衝撃性も備えている。
Wi-FiはIEEE802.11a/b/g/n/ac/ax/be、Bluetoothはバージョン5.4に対応。SIMカードはnanoSIMとeSIMのDSDV(Dual SIM Dual VoLTE)に対応する。バッテリー容量は5,000mAh。ほか、おサイフケータイ/NFCが利用できる。
カラーバリエーションは、生活空間やファッションに馴染みやすいカシミヤホワイト/チャコールブラック/トレンチベージュの3色を展開。シリコン製純正ケースもラインナップする。外形寸法は約75W×156H×8.9Dmm、質量は約197g。
2025年のAQUOSスマートフォンは “完成度を極限まで高める”。AIにも独自のこだわり
本日、同社は新製品発表会を開催。冒頭で登壇した同社執行役員 Co-COO兼スマートワークプレイスビジネスグループ長の小林 繁氏は、2024年度のスマートフォン市場において、AQUOSが国内のAndroid搭載スマートフォンの出荷台数で8年連続1位を獲得したことを報告。2024年のAQUOSは、「R」「R Pro」「sense」「wish」4つのシリーズ全てで大幅な刷新を実施したが、予想を上回る好評を得たという。これを踏まえ、2025年は「深化するAQUOS」を掲げ、各製品の魅力のブラッシュアップに取り組むと説明した。
通信事業本部 本部長の中江優晃氏も、2024年に発売したAQUOS R9でデザイン刷新に踏み切った結果、国内外で数多くのアワードを受賞したことにふれ、製品の認知度向上と品質をアピール。大きな手応えを感じたとし、今年は製品の完成度を極限まで高めて新しい価値を提供したいと語った。
中でもAI技術については、「半歩先をゆくモバイルUX」をキーワードとして開発に取り組んだと中江氏。ユーザーが意識せずに使うことができるAIを目指し、カメラや通話を自然にサポートするよう設計したという。
「AIはあくまで手段。人ができないようなことをやらせて『あっ』と驚かせるよりも、ユーザーが知らないうちに便利さを実現しているような『実用的なAI』の開発を優先していきたい」「『AIを使って何かやりたい』ではなく、『電話をしたい』『写真を撮りたい』などのやりたいことの導線にAIを組み込んでいく方が、便利に使えるのではないか」と、AQUOSのAI機能開発について方針を述べた。
また、フラグシップにあたる「Pro」モデルの発売予定について尋ねられると、「Proモデルは我々にとってすごく大事なラインナップ。お客様へ『完全に進化した!』と驚きを与えられるような要素がなければご紹介できないと考えている」と答え、時期は未定であるとした。



