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「GIGAスクールパック」

レノボとNTT Com、「GIGAスクール」構想を後押しするパッケージ商品を提供開始

公開日 2020/03/03 17:51 PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
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■補助金額内での導入が可能

NTTコミュニケーションズとレノボ・ジャパンは、昨年、文科省より発表された「GIGAスクール構想」の実現に向け、小中学生の学習向けパソコン、クラウド型教育プラットフォーム「まなびポケット」、端末管理ツールの3つをパッケージ化した「GIGAスクールパック」を共同開発し、本日3月3日より申込受付を開始した。

左からNTTコミュニケーションズ 菅原英宗氏、アドビシステムズ 秋田夏実氏、グーグル合同会社 スチュアート・ミラー氏、東京書籍 長谷部直人氏、日本マイクロソフト 梅田成二氏、レノボ・ジャパン 安田稔氏

文科省が提唱する「GIGA(Global and Innovation Gateway for All)スクール構想」とは、児童生徒1人1台の端末と高速大容量の通信ネットワークを全国の学校現場で一体的に整備し、誰ひとり取り残すことなく、ひとりひとりに最適化された創造性を育む教育ICT環境の実現を目指すもの。

グローバル市場で教育機関向けICT端末を提供してきたレノボ・ジャパン(株)執行役員副社長・安田稔氏は「1人1台時代に向けた必要十分な端末を低価格で提供し、現場の教職員の負担を軽減するクラウドをフル活用した効率的な運用が可能な仕組みを実現することで、利活用率の向上を目指したい」とGIGAスクール構想の実現に向けた強い想いを訴えた。

端末から利活用まで一気通貫で提供する「GIGAスクールパック」

「GIGAスクールパック」のパソコンには、「Lenovo ideapad D330(Windows10)」「Lenovo 300e Chromebook 2nd Gen」の2機種を用意。NTTコミュニケーションズが2017年から提供するクラウド型教育プラットフォーム「まなびポケット」は、すでに全国60以上の教育委員会、400以上の学校、20万人以上の児童生徒・教職員が利用する実績を備え、今回の「GIGAスクールパック」では、基本機能であるシングルサイオン、学習履歴管理等に加え、各種教材等をアップロードして授業で活用し、児童生徒の学習状況をリアルタイムで確認できる授業支援システム、学習コンテンツ、授業記録システム、オンライン研修をセットにして提供することで、教育現場への円滑な導入を目指す。

端末管理ツールは、大量の端末の設定やセキュリティを一括して管理することが可能。想定価格は1台44,990円(税込)。国からの1台45,000円の補助金内で導入実現を可能とする。

■プログラミングツールやクリエイティブツールも

「GIGAスクールパック」の学習コンテンツには、特別学習コンテンツとして、教科書出版の東京書籍から学校用プログラミング教材「みんなでプログラミング」、アドビシステムズからビジュアルプレゼンテーションを手軽に作成できるクリエイティブツール「Adobe Spark(アドビ スパーク)」が提供される。

東京書籍(株)教育文化局教育文化総轄本部本部長・長谷部直人氏は「この春から新しい指導要領となり、プログラミングが教科書にも入ってくる。GIGAスクール構想の実現を追い風に、PC1人1台が当たり前となる中で、課題はそれをどう効果的に活用できるかだ。GIGAスクールパックは、運用や利活用までがパッケージされている、これは非常に重要なこと。今回、重要なプログラミング教材の開発・提供に向けた共同開発にお声掛けいただき大変責任を感じると同時に、キックオフにワクワクしている」と意気込みを示した。

一方、アドビシステムズ(株)マーケティング本部バイスプレジデント・秋田夏実氏は、「Adobe Spark」がすでに、世界中の学校で1,800万人以上の児童・生徒が活用されていることを紹介。操作も簡単で、「特に教えることなくいろいろなものをつくることができる。クリエイティブな学習活動には “手軽で楽しい” ことがなにより重要。クリエイティブな学びに最適なツール」と訴えた。

■実際に利活用していただくことが何より大事

NTTコミュニケーションズ(株)代表取締役常務取締役・菅原英宗氏は「GIGAスクール構想は教育を変えていくトリガーとなる。今回のGIGAスクールパックの導入にあたっては、抱いている想いはレノボさんと同じ。とにかく実際に利活用していただくことが何より大切だということ。多くの皆様に活用いただき、生徒の教育を変えていくことに寄与していきたい」と訴えた。

すでに、全国60以上の教育委員会、400以上の学校、20万人以上の児童生徒・教職員に利用される実績を持つ「まなびポケット」。ある学校では、授業支援システムを活用した「朝の会」を実施する。児童が今日の目標や体調を書き込み、お互いに情報を共有するもので、距離が離れていた子どもがお互いをよく知り合えることができたり、また、不登校の生徒が朝ノートには参加し続け、2学期からは登校することができるようになったりなど、「ICTならではの強み」をアピールする。

ICTならではの強みを見せる「まなびポケット」の授業支援システムを活用した「朝の会」のようす

なお、新型コロナウイルスの影響で休校を余儀なくされた学校に対し、NTTコミュニケーションズでは「まなびポケット」と教材を5月31日まで無償で提供している。

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