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明確な説明を行わないまま手続きを進行

NHK、インターネット活用業務で不適切な設備調達。総務省「再発防止の徹底を」

公開日 2023/05/30 18:48 編集部:押野 由宇
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NHKは、インターネット活用業務に関連して、今年度予算・事業計画との明確な説明が行われないまま、現時点でまだ認められていない衛星放送の同時配信を名目とする設備調達の手続きを進めていたと公表。総務省からは再発防止を徹底するようコメントが発表された。

2022年12月、NHKでは「NHKプラス」などインターネット活用業務に関連した設備の調達を稟議で決定したが、そのなかには衛星放送の同時配信を名目とした設備として、今年度予算に9億円を計上することも含まれていた。

インターネット活用業務実施基準では地上放送番組のインターネット配信を前提としていることから、衛星放送の配信は認められておらず、その実施には基準の変更が必要となる。しかし、NHKでは予算や事業計画との明確な関係について内外に十分な説明を行われないまま、今年4月、すでに一部の調達について契約・開発が進められていたことを明らかにした。

このことが発覚した時点で、NHKは速やかに関連業務を停止するとともに、内部調査を実施。着手していた内容は「地上放送の同時配信のバックアップ」や「4K放送の周知広報」に必要なものであり、衛星放送の同時配信のみのための開発は未着手で、「違法性が疑われる支出」は認められないとした。

この結果を受けて、NHKは過去の稟議について内部手続きに基づき内容を是正するとともに目的を明確化し、違法性のない手続きや支出が行われるかたちにしたうえで、関連業務を再開したとしている。

NHKは本件に関して、「こうしたことが二度と起きないよう再発防止を徹底します。ガバナンスのあり方を再確認し、改革を行ってまいります」とコメントした。

一方、NHKからの報告を受けた総務省は、当初の手続きに関して「内部手続きが必ずしも適切ではなかったと考える」と指摘する。

総務省のコメント

ただし、違法性が疑われる支出は認められず、またNHKが自ら問題の所在に気づき、支出前に対応したと承知しており、放送法に則ったものとなるよう処理が行われたものと認識している、との見解を示した。

そして「今後、NHKにおいて再発防止を徹底してしていただくとともに、この機会に、NHKにおける契約手続きその他の意思決定のプロセスについて、ガバナンスの面で再確認を行っていただくことを期待したい」とコメントしている。

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