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凸版印刷が開発

刀剣を“手に取ったかのように”鑑賞できるスマホ向けVRアプリ。第1弾コンテンツは重要文化財「名物 松井江」

公開日 2022/02/02 17:12 編集部:松永達矢
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凸版印刷株式会社は、自ら手に取ったかのように刀剣を鑑賞できるスマートフォン向けアプリ「刀剣鑑賞」を配信開始。第1弾コンテンツとして、重要文化財「刀 朱銘 義弘/本阿(花押)〈名物 松井江〉」を本日2月2日(水)より発売する。価格は1,100円(税込)。

凸版印刷株式会社開発のスマートフォン用アプリ「刀剣鑑賞」

同社はこれまでに貴重な文化財のデジタルアーカイブに取り組み、そのデータの公開手法としてVR技術「トッパンVR」の開発を推進。シアターやモバイル端末を活用した文化財の鑑賞体験を提供している。

刀剣は歴史的に愛好家の多い文化財で、また昨今ゲームやアニメの影響で若年層からの興味関心も高まっているため、刀剣鑑賞は幅広い世代からの注目度が高いイベントになっているという。その一方、光のあたり方や見る角度によって刀剣が変化する様子といった特長は、展示ケースや図録などで表現するには特別な条件が必要となることが、本アプリ開発の背景だとしている。

本アプリは高精細デジタルアーカイブデータを用い、スマートフォンなど個人のモバイル端末で、刃文(はもん)や地鉄(じがね)など刀剣の詳細な鑑賞を楽しめるようにしたもの。スマートフォンを刀剣に見立て、あたかも本物を鑑賞しているかのような疑似体験ができる操作技術(特許出願中)を開発・搭載している。

スマートフォンを傾けると光の当たり方が変化する

動きで変化する刀剣への光の当たり方を質感表現へと反映し、アプリ上で再現。フリー操作の鑑賞モードに加え、各刀剣の鑑賞ポイントを詳細に解説するナビゲーションモードを搭載。アプリを見て、実物を鑑賞したくなる工夫をあらゆる箇所に行っているという。

第1弾コンテンツとして佐野美術館(所在地:静岡県三島市)の協力のもと、同館が所蔵する重要文化財「刀 朱銘 義弘/本阿(花押)〈名物 松井江〉」の高精細デジタルアーカイブを製作。光源を少しずつ移動させた画像を数百枚以上撮影し、その画像を同社独自の技術により解析し、同美術館監修のもとで刀剣の質感を詳細に再現。拡大すれば地沸(じにえ)や地景(ちけい)まで鑑賞できるとのこと。

重要文化財 刀 朱銘 義弘/本阿(花押)〈名物 松井江〉 鎌倉時代(佐野美術館所蔵)

3月には第2弾として、瀬戸内市所蔵の国宝「太刀 無銘 一文字(山鳥毛)」の公開を予定。また同社は、本アプリでの収益の一部を刀剣所蔵者へ還元し、文化財保護や活用に向けた持続的な事業活動を行っていくとのこと。

拡大すれば地沸や地景まで見れる

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