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映画文化の多様性も守る取り組み

全国のミニシアターを救え。映画監督らがクラウドファンディングなどスタート

公開日 2020/04/15 11:43 編集部:小澤麻実
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新型コロナウイルス感染拡大により様々な産業に影響が及んでいるが、人が長時間密集する場所である映画館、特に小規模映画館(ミニシアター)は動員が激減し、経営が危機的状況に陥っているところもあるという。観客に来て欲しい、でも感染拡大を考えるとそう言えない…。苦境に立たされた全国各地のミニシアターを救うべく、様々なプロジェクトが立ち上がっている。

シネコンではなかなか実現できないプログラムを上映できる場として、そして新人クリエイターの登竜門として、映画文化の多様性を育み豊かさを支えてきたミニシアター。一度消えた火を再び起こすのは容易ではないが、消えないようにいま、力を合わせて守ることはできる。賛同される方はぜひご注目いただきたい。


深田晃司氏、濱口竜介氏が「ミニシアター・エイド(Mini-Theater AID)基金」立ち上げ
https://motion-gallery.net/projects/minitheateraid


深田晃司氏、濱口竜介氏が「ミニシアター・エイド基金」立ち上げ
映画監督の深田晃司氏、濱口竜介氏が発起人となって有志で立ち上げたクラウドファンディング・プロジェクト。4月13日時点で66団体・78劇場が参加している。

集まった金額から、クレジットカード会社への決済手数料5%と、リターンを用意するための運営事務局手数料(85万円)を引いた金額を、参加するミニシアター運営団体に寄附というかたちで分配する。

少しでもミニシアター側に還元できるよう、リターンをほぼゼロにした「思いっきり応援コース(3,000円)」から、参加映画館のシネアド枠で上映する感謝動画などへのクレジット入りができる「思いっきり応援コース(5,000,000円)」まで幅広い価格帯のコースを用意。

「『映画文化の多様性を守る』一員になる、なれる、ということが、このプロジェクトの一番の対価です。その理念が『ミニシアター・エイド基金』の活動の核にあります」と説明されている。


入江 悠監督は全国各劇場への支援方法を発信

映画監督の入江 悠氏は、自身のブログにて全国のミニシアターが独自に募集しているクラウドファンディングや会員募集情報をまとめている。

かつてインディーズ映画『SRサイタマノラッパー』で全国のミニシアターをまわった経験を持つ入江氏。

あえて乱暴な言い方をさせてもらえば、と前置きしつつ「こういう良質な映画館をやられている方は、あまりお金稼ぎに興味がなく、ただ『映画が好きだ』という思いでやられている人が多い。そして、こういうミニシアターが消えると、その町では良質なインディペンデント系映画やドキュメンタリーは観られなくなる。そういう意味で、ミニシアターとは文化的空間であると同時に、半公共的な空間だと私は考えている」と綴っている。


#Save The Cinema『ミニシアターを救え!』プロジェクトに6万筆超の署名集まる

映画監督や脚本家、俳優、映画関係者らが立ち上げた「#Save The Cinema『ミニシアターを救え!』プロジェクト」は、第一弾の活動として、政府に休業自粛要請によって生じた損失の補填などを求める署名活動を4月6日にスタート。締切となる14日までに66,828筆もの署名を集めた。15日午後に内閣府・経産省・厚労省・文化庁へ提出する。


前述の「ミニシアター・エイド基金」とも連携。今後はサイトでの全国ミニシアターマップの制作をはじめ、ドライブインシアターやスタンプラリー、グッズ展開、映画イベントなど様々な活動を進めていく予定だという。


京阪神の13館はTシャツ販売や寄附募る
「Save our local cinemas」プロジェクト


本プロジェクトは4月12日をもって締切となったが、Tシャツは今後、各参加館にて販売も予定しているとのこと
4月6日、京都みなみ会館など京阪神にある13館は「Save our local cinemas」プロジェクトを立ち上げ、Tシャツ販売や寄附募集を行った。商品と寄附の売り上げは、諸経費を差し引いた全額が参加劇場に均等分配されるという。

本プロジェクトは4月12日をもって締切となったが、Tシャツは今後、各参加館にて販売も予定しているとのことだ。

<参加館リスト>
京都みなみ会館/シネ・ヌーヴォ/元町映画館/神戸映画資料館/出町座/宝塚シネ・ピピア/パルシネマしんこうえん/豊岡劇場/第七藝術劇場/シアターセブン/京都シネマ/福知山シネマ/舞鶴八千代館

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