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シアター・エンタテインメント=「シアタメ」始動!

中島みゆき『歌旅 劇場版』、5/12より全国55の映画館で2週間限定上映

2012/03/30 AVレビュー編集部
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シアター・エンタテインメント=「シアタメ」始動! 映画ともライブ・ビューイングとも異なる芸術性の高さ、映像・音声完成度の高さが魅力の「第3のエンターテインメント」と呼ばれる「シアタメ」は今後大きな伸びが期待されるカテゴリーだ。

マイシアター、ワーナーマイカル、アクトビラ等が関わるこのプロジェクトの第一弾は、中島みゆき『歌旅 劇場版』。「ファイト!」「糸」「地上の星」などおなじみのヒットソングで構成された貴重なコンサートツアーの記録が、2週間限定で5月12日(土)〜5月25日(金)の期間、ワーナー・マイカル・シネマズ、TOHOシネマズの全国55館で同時上映される。


本作品は映画館のデジタル化・高環境化に伴い、注目を集めている映画以外のデジタル・コンテンツ=ODS(Other Digital Stuff/Online Digital Source)と呼ばれているジャンルに属するもの。会場に行けないスポーツファン、音楽ファンが別空間でライブ感を味わえるライブビューイングとは異なり、映像作品としての完成度を突き詰め、劇場公開用としてアレンジしたものであることが大きな特徴だ。

『歌旅 劇場版』より


『歌旅 劇場版』は2007年に実施したコンサートツアーの模様を劇場版として再編集が施し、5.1ch仕様として全国公開されるものだ。ワーナー・マイカル・シネマズ、TOHOシネマズならではの最新映像・音響システムにより家庭用シアターとは全く異なる迫力の臨場感が体験できる。



収録楽曲は「御機嫌如何」「一期一会」「with」「ララバイSINGER〜アザミ嬢のララバイ」「宙船」「ファイト!」「糸」「誕生」「I LOVE YOU、答えてくれ」「荒野より」等の全20曲。このうち「荒野より」は劇場版限定の楽曲となっている。料金は当日券2,000円、前売1,700円、前売2枚組で3,000円となっている。ベタ付けデジタル&特別グッズ等の来場者限定プレゼントも用意されている。

ODSが注目を集める背景には、映画市場全体が直面する課題がある。2010年を例に取ると映画興行全体の収入は2,207億3,700万円で対前年比107.1%を記録した一方で、「パー・スクリーン」と呼ばれる1スクリーンあたりの入場者数は20%程度落ちているという。これは、個々人の趣味嗜好が細分化し、老若男女全てが楽しめるコンテンツを成立させるためのハードルが非常に高い時代にあるが故であるともいえる。

「パー・スクリーン」を上げるための施策としては、顧客の再セグメント化が不可欠で、時間・曜日・季節毎に映画館に向かう客層を分析し、最適なコンテンツを最適なタイミングで提供することが必要と考えられている。

映画館でかけられる興行形態は、一般的には日にち単位で管理され、平日・休日ともに同じプログラムが流されることが多い。結果、曜日・時間によって変化する観客の属性を考慮しきれないプログラミングが組まれているため、例えば平日昼間の「アイドル・タイム」が発生する要因となっていた。

アクトビラ/マイシアター等の「ODS」を推進するグループが着目しているのは「アクティブ・シニア層」と呼ばれるセグメント。時間の融通が付きやすく、比較的経済的な余裕がある高年齢層をターゲットとしている。『歌旅〜』はまさにこういった層にジャスト・フィットするコンテンツ(製作委員会として、マイシアター/電通/アクトビラ/ワーナーマイカル等がクレジットされている)であり、第2弾、第3弾以降、このセグメントに適した作品が順次提供される予定だ。

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