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ブルース・ウィリス氏の「ディープフェイク出演権」売却、代理人が否定

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公開日 2022/10/03 12:22 Munenori Taniguchi
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失語症によって引退を表明したはずのハリウッドスター、ブルース・ウィリス氏が、ロシア通信企業の新作CMに出演している。英Telegraphによるとウィリス氏は、この映像を制作した米国企業Deekcakeに対し、将来の映画や広告などにおける、同氏のデジタルツインを出演させる権利を売却したという。

ところが、米The Hollywood Reporterは、ウィリス氏の代理人が「Deepcake社とのパートナーシップや何らかの契約を結んだと言う事実はない」と述べたと報じている。

Deepcakeの広報担当者も、ウィリス氏のデジタル肖像権は基本的にウィリス氏のものであり、Creative Artists Agency(CAA)のウィリス氏の担当者を通じて調整する必要があったとコメント。また話題になった広告の映像は、2021年にウィリス氏がDeepcakeと協力して制作したものだと述べた。そして今後の肖像使用に関しても、基本的にウィリス氏の意向次第だと説明している。

Deekcakeは、ウィリス氏が34歳のときと42歳の時に出演した『ダイ・ハード』および『フィフス・エレメント』の映像から、デジタルツインを作成するためのデータをAIプラットフォームに取り込み、簡単に代役俳優の顔にウィリス氏の顔を乗せられるようにした。

ウィリス氏が出演するロシアMegafonのCMでは、俳優のコンスタンチン・ソロヴィヨフ氏の顔にウィリス氏の顔が乗せられている。ウィリス氏はDeepcakeのウェブサイトに対し「自分のキャラクターの出来映えに感心した。これは私にとって時間をさかのぼる絶好の機会だ」「異なる大陸にいても、互いにコミュニケーションを取り、仕事をこなし、撮影に参加することができた。私にとってはまったく新しい経験で、チームに感謝している」とコメントを寄せている。

CGIやAI技術を用いて、過去の俳優の姿を新しい作品に出演させる例は、すでにいくつもある。特に顕著なのは『スター・ウォーズ』関連作品への、旧三部作俳優らの出演だろう。Disney+の『ボバ・フェット』では若き日のマーク・ハミル氏が、映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』では、いずれも亡くなっているキャリー・フィッシャー氏とピーター・カッシング氏が、デジタルで出演を果たしている。

もちろん、本人でないAI合成の音声やCGI合成による映像を使うことについては、論争も巻き起こっている。ディープフェイクはそのクオリティが低ければ人々に違和感を感じさせ、作品への集中を削いでしまったり、作品全体の雰囲気を壊してしまう危険性もある。作り手側は、本人のイメージを損なわないよう十分な配慮が必要だ。

Source: The Hollywood Reporter
via: Telegraph, Deepcake

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