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国内での取り扱い時期/価格が正式決定

ソニー、フルサイズミラーレスの新スタンダード「α7 IV」。静止画/動画の両面強化

公開日 2021/12/02 13:09 編集部:成藤 正宣
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ソニーは、フルサイズミラーレス一眼カメラ「α7 IV」を12月17日より順次発売する。価格はオープンだが、市場ではボディ単体(ILCE-7M4)が税込330,000円前後、レンズキット(ILCE-7M4K)が税込350,000円前後での実売が予想される。なお、レンズキットの発売は2022年春以降を予定する。

「α7 IV」ボディ(ILCE-7M4)

今年10月に海外発表された製品の国内導入が正式に決定したかたちとなる。

フラグシップモデル「α1」をはじめとする上位モデルの技術を反映し、静止画/動画両方の性能を向上させた、同社フルサイズミラーレス一眼の新たなスタンダードに位置づけられるモデル。

「α7 IV」(レンズ「SEL24105G」装着)

イメージセンサーは、新たに開発した約3,300万画素の裏面照射型CMOSセンサー“Exmor R”を搭載し、加えて画像処理エンジンは上位モデル「α1」「α7 IIIS」と同等の“BIONZ XR”を採用。常用ISO感度100 - 51200、約15ストップの幅広いダイナミックレンジを実現し、高精度な色再現と低ノイズを両立した高解像度表現が可能だとする。

ボディ内には5.5段の光学式5軸手ブレ補正を搭載。上位モデルに採用された画づくり機能「クリエイティブルック」も引き継がれている。

「α7 III」(写真左)と比べ、グリップの深さなども変更されている

動画撮影では、最大4K60pの動画記録(Super 35mmモード時)、7Kオーバーサンプリングによる4K30p動画記録(フルサイズモード)が可能。上位機種と同等の機能として、MPEG-H HEVC/H.265での保存や4:2:2 10bit/All Intra記録、動画専用手ブレ補正「アクティブモード」などに対応する。

また、新機能として「ブリージング補正」を搭載。対応レンズと組み合わせることで使用できるもので、ピント調整の際に生じる画角変化を抑制し、映画のような滑らかなフォーカストランジションが得られるという。

AFでは、撮像画面の約94%をカバーする759の位相差測距点/435のコントラスト測距点が配置され、人/動物/鳥を検出するリアルタイム瞳AFに対応。静止画だけでなく動画撮影時でも使用可能となっている。

操作性の面では、露出制御モード切替ダイヤルの根本にもうひとつダイヤルを追加。静止画/動画/S&Q(スロー&クイックモーション)の3つの撮影モードを瞬時に切り替えることが可能になった。

露出制御モード切替ダイヤルの根本に撮影モード切り替えダイヤルが追加されている

ファインダーは、解像度がα7 IIIの約1.6倍となる約368万ドットのOLED電子ファインダーで、表示フレームレートは60fpsのSTDモード/120fpsのHIモードが選択できる。モニターは3.0型/約103万ドットでタッチ操作対応のバリアングル液晶を搭載。ファインダー/液晶モニターいずれにおいても偽色抑制/高解像化など画質向上が図られている。

バリアングル液晶を搭載

動画配信向け機能や、撮影したデータの管理/転送機能も強化された。USB Video Class(UVC)/USB Audio Class(UAC)に対応するPCやスマートフォンなどと接続することで、最大4K 15pのUSBストリーミングが可能。画質は4種類から選択でき、本体内同時記録にも対応する。

撮影した動画の任意のシーンには“ショットマーク”、静止画一覧画面には“区切り画像”を追加することができ、後に使用する撮影素材の目印として活用可能。スマートフォンアプリ「Imaging Edge Mobile」との接続も改善され、カメラとの接続設定などがスマートフォンからの操作だけで行えるようになる。Wi-Fi接続は5GHz/2.4GHz、USB接続は USB 3.2 Gen2の10Gbpsでの転送に対応する。

外部ストレージ用のスロットは2基搭載。スロット1はSDカード(UHS-I/II)およびCFexpress Type Aに対応し、スロット2はSDカード(UHS-I/UHS-II)のみ対応する。

USB Type-CやHDMI、マイク入力などを備える

2つのカードスロットのうち1つはCFexpressに対応

静止画撮影可能枚数は、ファインダー使用時で約520枚/液晶モニター使用時で約580枚。連続動画撮影時間は、ファインダー使用時で約170分/液晶モニターで約175分。USB充電およびUSB PowerDeliveryに対応する。

外形寸法は約131.3W×96.4H×79.8Dmm、質量は約658g(バッテリー/メモリーカード含む)。

また、本製品を含む同社カメラに対応した純正フラッシュ「HVL-F60RM2」「HVL-F46RM」も、12月17日より発売する。価格はそれぞれ、「HVL-F60RM2」が66,000円(税込)、「HVL-F46RM」が47,300円(税込)。

「HVL-F60RM2」

「HVL-F46RM」

「HVL-F60RM2」は、主にプロ写真家の使用を想定した、大光量ガイドナンバー60のフラグシップモデル。照射角度は20mm - 200mm(ワイドパネル使用時は14mm - 200mm)をカバーし、単3形ニッケル水素電池4本で240回以上の発光が可能。カメラ本体との綿密な連携により、バラつきのない安定した発光や、10コマ/秒で約200回の連続発光が可能だとする。

「HVL-F60RM2」の背面

また、α1との組み合わせでは、電子シャッター撮影時で約20回/秒の連続発光、1/400秒のフラッシュ同調速度を実現。α7 IVとの組み合わせでは、連続撮影モードHi/Mid/Loで毎コマごとのP-TTLフラッシュ調光や、発光レリーズタイムラグの短縮を実現しているとのこと。

TTL発光メモリーやクイックシフトバウンスなどカメラ本体メニューからの設定に対応。金属シューはサイドフレーム補強構造により全方位の衝撃に対して配慮するほか、水滴やほこりが入り込みにくいシーリングを施している。

「HVL-F46RM」は、主にハイアマチュア写真家の使用を想定した、ガイドナンバー46のモデル。照射角度は24mm - 105mm(ワイドパネル使用時は15mm - 105mm)をカバーし、単3形ニッケル水素電池4本で320回以上の発光が可能。従来モデルよりもオーバーヒートヘの耐性を高めたことで、10コマ/秒で60回の連続発光が可能としている。

上位モデル同様、カメラ本体との連携により、安定した大光量発光や高速連写、より適正なホワイトバランス調整などを実現。金属シューにもサイドフレーム補強構造やシーリングなどを採用する。

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