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キャピタルファンド・EQTが1,636億円で全株式を売却

パイオニアをInnolux子会社が買収。統合型スマートコックピットの開発で協業

公開日 2025/06/26 18:25 ファイルウェブ編集部
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パイオニアは、EQT社が保有する同社の全株式をCarUX社が取得することで合意したと発表した。

スウェーデンのキャピタルファンドであるEQTは、2019年にパイオニアの買収を実施。財務基盤の再構築と長期的な成長に向けた変革を主導し、2025年3月期には二桁代のEBITDAマージンと堅調なフリーキャッシュフローを達成するなど、収益性とキャッシュ創出力の大幅な改善を実現したという。

そして今回、同社が保有するパイオニアの全株式を、台湾のディスプレイメーカー・Innoluxの子会社で、スマートコックピットソリューションのリーディングカンパニーであるCarUXへと売却することが決定。同社はシンガポールに拠点を置く、車内ユーザー体験を向上させるスマートコックピットディスプレイソリューションの設計・開発・製造に特化した企業だという。

売却額は1,636億円で、株式譲渡は所定の条件および関係当局の承認を経て、2025年第4四半期(2025年10月-12月)までに完了する見込みとなっている。

パイオニアは株式譲渡の完了後、Innoluxグループのメンバーとしてさらなる成長を目指すとしており、「CarUXと統合型コックピット(サウンドソリューションを含む)およびハードウェア・ソフトウェア統合強化に焦点を当てた開発で協業し、グローバルな自動車業界および消費者の変化するニーズに対応するため、より包括的な製品ラインナップと顧客体験の提供を目指す」とのこと。

本件にあたって、パイオニア代表取締役社長 兼 社長執行役員の矢原史朗氏は「CarUXと共に、業界に前例のない統合型の価値製品を提供できると信じています」とコメント。またCarUX会長のJim Hung氏は「CarUXとパイオニアの強みを組み合わせることで、イノベーションを推進し、顧客価値の創造に貢献すると確信しています」と語っている。

矢原氏、Jim氏をはじめとした各関係者のコメント全文は以下のとおり。

 

パイオニア取締役会長 サンジェイ・ダワン氏コメント
自動車業界は現在、かつてない規模のデジタル変革のただ中にあり、車両におけるデジタルコンテンツの比率は約27%から約40%へと拡大しています。ソフトウェアは、クルマの中核的な構成要素として、その重要性を一層高めています。

EQTの支援のもと、パイオニアは変革の道を歩み始め、“ソフトウェアが定義するモビリティの時代”においてリーディングカンパニーとなるべく、積極的にイノベーションを取り入れてまいりました。こうした取り組みにより、顧客・従業員・株主をはじめとするすべてのステークホルダーの皆様に対し、確かな価値を創出できたと確信しています。

 

パイオニア代表取締役社長 兼 社長執行役員 矢原史朗氏コメント
“未来の移動体験を創ります”という当社のビジョンを推進していくにあたり、CarUXが新たな株主になることを大変喜ばしく思います。CarUXは車載向けスマートコックピットディスプレイおよびソリューションに関するグローバルな知見と実績を有しています。

CarUXと共に、業界に前例のない統合型の価値製品を提供できると信じています。また、これまでのEQTのパートナーシップに感謝するとともに、今後はInnoluxグループのチームと協業してさらなる成長を実現してまいります。

 

EQTプライベート・キャピタル パートナー シェーン・プレディーク氏コメント
日本を代表するブランドの一つであるパイオニアの再生と、長期的な成功への道筋を支援できたことを誇りに思います。CarUXおよびその親会社であるInnoluxとの間には大きなシナジーがあり、今後の事業成長と将来の可能性に大きく貢献すると確信しています。

EQTは、企業の責任あるオーナーとして、築き上げたモメンタムを次の成長フェーズへとつなげられる新たなオーナーへとバトンを渡すことを重視しています。本取引は、日本におけるEQTのプレゼンス拡大と、よりグローバルに競争力のある企業に向けた成長の支援という戦略の進展を示すものです。

 

Innolux Corporation会長 兼 CEO、CarUX会長 Jim Hung氏コメント
この戦略的な買収は、CarUXの製品と技術的な能力を拡大するだけでなく、Innoluxが自動車ディスプレイソリューションを超えた統合型スマートコックピットサプライヤーへの積極的な移行を象徴するものです。CarUXとパイオニアの強みを組み合わせることで、イノベーションを推進し、顧客価値の創造に貢献すると確信しています。

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