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音楽、ポッドキャスト、オーディオブックを1つのアプリで

Amazon Music、Audibleも聴ける新機能。Unlimited会員は毎月1冊無料/新しい学校のリーダーズ、安田章大ら参加の発表会も開催

公開日 2025/06/26 08:00 編集部:杉山康介
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Amazonは、同社音楽配信サービス「Amazon Music Unlimited」の会員に向けて、“聴く読書”「Audible」のオーディオブックを毎月1冊、追加料金なしで楽しめる新サービスの提供を本日6月26日より開始する。

Amazon Musicアプリで“聴く読書”も可能に

Amazon Music Unlimitedでは1億曲以上の楽曲やポッドキャストの配信を行っているが、これに加え、Audibleの90万作品以上のオーディオブック作品のなかから毎月1冊、Amazon Musicアプリから楽しめるようになる。本サービスはアメリカ、イギリス、カナダ、フランス、オーストラリア、ニュージーランドではすでに展開されており、この度日本での提供がスタートするかたちだ。

最新バージョンのアプリを開くとトップ画面上部に「Audible」の項目が追加されており、ここからオーディオブックへのアクセスが可能。追加料金は不要だが、先述の通り聴き放題になるのは1月あたり1冊までで、2冊以上のオーディオブックを楽しみたい場合はAudibleにて個別で購入するか、有料プラン(月額1,500円)への登録が必要となる。

また、これに際してAmazon Music Unlimitedでは4ヶ月無料キャンペーンを新規登録者限定で実施。期間は7月14日まで。

日本の推し活を参考に「オーディオエンターテインメント拠点」を作る

今回の発表にあたり、都内でメディア向け発表会が実施された。

Amazon Musicジャパン カントリーマネージャーのニコラス・フォーケード氏、Audibleジャパン カントリーマネージャーの逢阪志麻氏の挨拶に続いてAmazon Music統括責任者のライアン・レディントン氏が登壇し、Amazonのこれまでの音楽提供における歩みを解説。

 

Amazon Music統括責任者のライアン・レディントン氏

2000年に日本でのサービスを開始したAmazonは、2001年よりCDの販売をスタートし、2015年からはPrime Music、2017年からはAmazon Music Unlimitedの提供を開始。その後もハイレゾ・空間オーディオ対応のAmazon Music HDやポッドキャスト・ライブ配信などもスタートし、日本のサービス会員数は過去5年間で約3倍にも増加しているという。

また、Amazon Musicのチームではファンダム、日本で言うところの「推し活」について頻繁に話し合っているそうで、「日本は推し活が最も高い次元で表現されている場所であり、世界的な推し活の取り組みについてインスピレーションを探す際、まずは日本のチームから話を聞く」と語る。

Amazonでは音楽やプライムビデオ、通販、Twitchでのライブ配信など、「ファンとアーティストを繋げるためのあらゆる機能を備えている」とともに、オリジナル限定コンテンツの配信なども実施。昨年行われたフジロックのライブ配信は「Amazonが配信したフェスのライブ配信の中で最も多くの視聴者数を記録」するなど、世界中が日本に強い関心を寄せているとする。

こういった取り組みを経ての教訓として、「日本のユーザーは完全なオーディオエンターテインメントの体験を求めている」とし、今回のAudible対応を発表。「HD品質の1億曲の楽曲、ポッドキャスト、そしてオーディオブック、これら全てを1つのアプリで楽しめるようになる。私たちは日本における、初めての真のオールオーディオエンターテインメントの拠点を作り上げている」とコメントした。

また、「ニーズを先取りして期待を上回る、それが私たちにとっての『お客様中心主義』。これは新しいショーの始まりに過ぎない。オーディオブックのカテゴリーの成長を続けるため、無限の機会を提供する」と意気込みを述べた。

続いてAudible CEOのボブ・キャリガン氏が登壇。今年で日本ローンチ10周年を迎える日本について「世界で最も成長著しく、私たちの拡大戦略に不可欠な国となっている」と語り、村上春樹作品の独占配信権の獲得や、東野圭吾のAudible限定作品の制作など、日本市場においてさまざまな施策を行ってきたと説明。2022年に聴き放題サービスを開始してからは、会員数が2倍以上に増加したとのこと。

Audible CEOのボブ・キャリガン氏

さらに逢阪氏が「聴き放題サービス開始時の2022年1月と2025年5月末を比較すると、館員数は166%増と目覚ましい増加を見せている。また、コンテンツの視聴時間も伸びており、2022年1月と先月末を比較すると7倍以上になっている」と具体的な数字を交えつつ成長ぶりを説明。

Audibleジャパン カントリーマネージャーの逢阪志麻氏

コンテンツ拡充の取り組みも拡大する予定で、今年のリリースタイトル数は前年比で40%増を見込んでいるそう。具体例として、6月30日にディズニー3作品の子供向けオリジナルコンテンツや、中谷美紀が朗読する原田マハ『リボルバー』、本日26日に作家・平野啓一郎がプロデュースする学に特化したシリーズ「A University」を配信開始することを発表しつつ、「Audibleはこれからもテクノロジーと創造性でオーディオ体験を向上させていく」と意気込みを語った。

新しい学校のリーダーズ、安田章大、平野啓一郎のトークセッションも開催

続いてダンスボーカルユニット・新しい学校のリーダーズ、SUPER EIGHTのメンバー・安田章大さん、作家の平野啓一郎さんらによるトークセッションが実施された。

Audibleにて朗読作品が配信されている安田さんは「『アイドルよりAudibleが合っているんじゃないか』なんてレビューをいただいたりもした」と笑いを交えて紹介しつつ、「聞き手の方々がどんなこと想像しながら聞かれるのかな、とか、耳元で囁く経験はなかなか人生でないので、そういうことができるのは幸せだなと思いながらお仕事させていただいた」と感想を語る。

「オーディオコンテンツがもたらす体験の魅力について」を問われると、「目から入ってくる情報と耳から入ってくる情報は感じ方が違うと思う。僕自身、五感の中で耳をすごく頼りにしていて、空気の振動を経て感情が乗ってくることがある。耳で追っかけることで、物体の形状を知ったり、香りを知ったり、感情を知ったりと、より柔らかくキャッチできるのかな、と思う」とコメント。

Amazon Musicにてオリジナルコンテンツの配信を行っている新しい学校のリーダーズは、Amazon Musicの可能性について「作品が存在するだけでは自己満で終わってしまうが、配信などでお届けすることができることが、繋がれるきっかけになる(KANONさん)」「青春日本代表として、日本だけでなく世界の皆さんに楽曲を届けるためには自分たちだけだと限りがある。そういった部分でAmazonに協力していただいているのは本当に感謝している(SUZUKAさん)」などとコメントする。

平野さんは自身の作品が多数Audibleで配信されていることに加え、オリジナルの作品や、先述した「A University」など多くのコラボレーションを行っている。

小説家の立場で、テキストではなくサウンドで作品を届けることの可能性について聞かれた平野さんは「本を読むには集中しないといけない。集中すること自体はいいことだけど、(Audible)は集中できない時も、“ながら”で楽しめるのがすごく良い」「音声だと誰かと共有することもできる。僕も子供の頃、カーステレオから流れていた音楽が思い出と結びついていたりするので、誰かが僕の小説を思い出してくれる日が来たらすごく嬉しいことかな、と思う」と語った。

さらに「Amazon Musicなど音声コンテンツが世の中でどんな役割を果たしていくと思うか」という質問に対し、新しい学校のリーダーズのSUZUKAさんは「パフォーマンスならMCなどもあるが、朗読がひとつの表現のカテゴリーとして確立されていったらいいなと思う。私たちは老若男女のファンがいるので小さい子向けの本を朗読したりと、私たちにできる目標もあるし、あとはシンプルに楽しそうだとも思う」とコメント。

安田さんは「人と人の心を繋ぐという意味で国同士を繋ぐことに役立ってくるのかと思う。人はすぐに嘘をつけてしまう生き物であると同時に、声は本音を伝えるひとつの道具だと思うので、音声コンテンツで本音がどんどん伝わって、相手の心を揺さぶるようになっていったらいいのかなと」と回答。

平野さんは「コンテンツの情報量とイマジネーションのバランスにはレイヤーがあると思っていて、大きな情報量で圧倒される体験をしたい時もあれば、文字だけでイメージしたり映像を見るのはトゥーマッチな時もある。音声コンテンツはそのレイヤーが結構豊かだということを皆さん発見していくと思うので、そこがコンテンツを通じて広がっていくと日常生活がより良くなっていくんじゃないかと期待している」と回答した。

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