シャープ、高輝度と省エネを両立したハイグレード4K有機ELテレビ「HQ1ライン」
シャープは、4K有機ELテレビ「AQUOS OLED」のハイグレードクラス“HQ1ライン”、スタンダードクラス“HQ2ライン”を6月21日に発売する。価格は全てオープンだが、税込の市場予想価格とラインナップは以下の通り。
<HQ1ライン>
・65型「4T-C65HQ1」 440,000円前後 6月21日発売
・55型「4T-C55HQ1」 352,000円前後 6月21日発売
<HQ2ライン>
・65型「4T-C65HQ2」 385,000円前後 6月21日発売
・55型「4T-C55HQ2」 286,000円前後 6月21日発売
・48型「4T-C48HQ2」 253,000円前後 6月21日発売
・42型「4T-C42HQ2」 242,000円前後 6月21日発売
HQ1/HQ2ラインは、2024年度モデル“GH1/GH2/GH3ライン”の後継モデル。画面サイズ展開として77型は前年度モデル「4T-C77GQ1」を継続販売し、そのほかのサイズはラインナップが整理されるかたちとなった。
HQ1ラインは、高輝度の有機ELパネルに独自構造の放熱技術「クールダウンシールド」を組み合わせた「S-Brightパネル」を搭載しており、明室でもコントラストの高いダイナミックな映像が楽しめるとするモデル。HQ2ラインは、スタンダードな有機ELパネルを採用している。
有機ELパネルの独自制御回路は、HQ1ラインに「スパークリングドライブEX」回路、HQ2ラインに「スパークリングドライブ」回路が投入されている。有機ELパネルを精度高くコントロールすることで、高輝度と省エネ性能を両立している。
AIプロセッサーと環境センシング技術を併せ持った、最新世代の高画質・高音質プロセッサー「Medalist S6」を両シリーズに採用。放送番組からネット動画まで、「AIオート」によって画質・音質を映像コンテンツと視聴環境に合わせて、自動で最適化するとのこと。なお、量子ドット技術を搭載した上位機に採用されている「Medalist S6X」(※末尾に“X”が付いている)とは処理が異なっており、「Medalist S6」は通常色域のモデルに適した処理が導入されているという。
高画質機能では、従来機種から搭載されている色彩表現を高める「リッチカラーテクノロジープロ」をはじめ、精細感を復元する「AI超解像」、ネット動画で発生しやすいデジタルノイズを低減する「アニメ・ネットクリア」、コントラストを自動調整する「スマートアクティブコントラスト」、色彩を補正する「オブジェクトAI識別」を踏襲。HDRフォーマットは、Dolby Vision/HDR10/HLGをフォローする。
最新世代「Medalist S6」には、「空間認識AI」を投入。映像コンテンツ内の各被写体の位置・前後関係をAIが認識して、それぞれの被写体の位置に応じた最適なチューニングを施すことで、近い被写体はくっきりと見やすく、遠くの風景や建物などは自然な再現にすることで、今まで以上に奥行き感や立体感に優れた映像再現が可能だとアピールしている。
サウンド面は、HQ1ラインに「AROUND SPEAKER SYSTEM PLUS」を搭載。中音域ミッドレンジや低音域サブウーファー、中音域ハイトミッドレンジ、高音域ハイトトゥイーターといったスピーカーユニットを搭載することで、サラウンドだけでなく高さ方向も含めた立体音響サウンドを再生できる。
スピーカーユニット数は、65型がトゥイーターを2基、ミッドレンジを4基、サブウーファーを1基、ハイトトゥイーターを2基、ハイトミッドレンジを2基、計11基を搭載。55型がトゥイーターを2基、ミッドレンジを4基、サブウーファーを1基、ハイトトゥイーターを2基、計9基を搭載している。アンプの実用最大出力は共通して80Wとしている。
HQ2ラインは、「FRONT OPEN SOUND SYSTEM PLUS」が採用されており、スピーカーユニット数は65/55/48型がトゥイーターを2基、フルレンジを4基、実用最大出力50Wのアンプを搭載。42型はトゥイーターが2基、フルレンジが2基、実用最大出力40Wのアンプで構成されている。
音質モードには「AIオート」が用意されており、従来モデルよりも「声の聞きやすさ」と「サラウンド」の効果の調整の仕方がブラッシュアップされているとのこと。顔検知の精度を高めたことで、シーンによってサウンド調整の精度も向上しているとのこと。
ゲーミング関連では、HQ1ラインは4K/144Hz(VRR/ALLM)、HQ2ラインは4K/120Hz(VRR/ALLM)をカバーしており、両シリーズとも約0.83msの高速応答性を装備。ゲームプレイ時、画面サイズを24 – 27型程度まで小さく調整したい場合に活用できるリサイズ機能、リサイズした画面の「位置移動」も追加された。
Google TV搭載で、YouTube/Prime Videp/Netflix/Disney+/NHK+/U-NEXT/TVer/ABEMA/hulu/DAZN/WOWOWオンデマンド/FOD/Lemino/TELASA/Net-VISIONなど、多数のVODサービスに対応。音声操作のGoogle アシスタントは、HQ1がリモコンマイクと本体に話しかけるハンズフリーに対応しており、HQ2ラインはリモコンマイクのみ使用可能だ。
独自のエンタメ・生活情報アプリ「COCORO VISION」では、新しいミニゲームとして簡単視力チェックアプリ「めめログ」が導入されたことで、テレビを使用して手軽に視力検査ができるようになった。また、ネットブラウジング機能「Sleipnir TV ウェブブラウザ」を新搭載。併せてセキュリティ関連の機能として「ESET SMART TV SECURITY」も備えている。ワイヤレス機能は、Wi-Fi6E(5GHz/2.4GHz)、Bluetoothに対応する。
新機能として放送番組の視聴中の2番組同時録画、“タイパ視聴”に繋がる録画番組の2倍速の早見/早聞き再生に対応。早見/早聞き再生では、AIオート機能が働いており、2倍速でもセリフなどが聞き取りやすくなるよう自動調整を行っているという。
録画番組の再生機能には、新たに「L字カット機能」を追加。本機能を使用すれば、録画番組の映像に入っている災害時の緊急情報や速報時などに現れるL字放送テロップを調整してカットできる。
また、外付けHDDに保存した録画番組と放送番組を同時に視聴したい場合に活用できる「2番組表示」に対応しており、新たに2画面のサイズを大小9通りから選べる「ズーム2画面」機能や、音が出ていないサブ画面に字幕表示を入れるといった新機能も採用。
2025年度モデルは省エネ性能の向上にもこだわったとアピール。2024年度モデルと比較して、HQ1ラインは65型が121%、55型が102%、HQ2ラインは65型が156%、55型が130%、48型が108%の省エネ基準達成率を実現したという。42型が80%だったが、前年度モデルが69%であり、達成率は大幅に向上している。
環境に関する部分では、CO2削減に繋がる再生プラスチックの使用、梱包パッケージのサイズダウン度を図ることで輸送時のCO2排出の抑制に繋がる環境配慮パッケージを導入している。
HQ1/HQ2ラインの外形寸法/質量は、4T-C65HQ1が1448W×896H×281Dmm/約35.3kg、4T-C5HQ1が1227W×770H×258Dmm/約25.0kg、4T-C65HQ2が1448W×896H×281Dmm/約32.5kg、4T-C55HQ2が1227W×770H×258Dmm/約23.5kg、4T-C48HQ2が1069W×681H×238Dmm/約18.5kg、4T-C42HQ2が933W×238H×603Dmm/約17.0kg。
TVシステム事業本部 国内事業部 事業部著 高橋氏は、「テレビを取り巻く環境が変化している。現在のユーザーは7割以上が節電に取り組んでおり、省エネ性能や環境保護への取り組みに対して敏感になってきている。また、テレビを利用する用途について録画番組や見逃し配信を見るタイムシフト視聴と、VODサービスを楽しむ着実に高まっている」と、テレビに求められる機能が徐々に変化していっていると明かした。



