パナソニック、2.5倍の分割数を実現した新Mini LED搭載の最上位4K液晶ビエラ「W95B」。75/55型を追加
パナソニックは、4K Mini LED液晶テレビのハイエンドモデル “W95Bシリーズ”を6月下旬に発売する。価格はオープンだが、ラインナップと税込の市場予想価格は以下の通り。
<W95Bシリーズ>
・75型「TV-75W95B」 380,000円前後
・65型「TV-65W95B」 300,000円前後
・55型「TV-55W95B」 240,000円前後

W95Bシリーズは、2024年度モデルの“W95Aシリーズ”の後継機種であり、4K Mini LED液晶テレビの最上位に位置するモデル。同社ラインナップの中で、バックライトにMini LEDを採用した唯一のシリーズであり、最新世代の広色域バックライトシステムが搭載された。また、W95Aシリーズは65型のみだったが、W95Bシリーズは75/65/55型までサイズが拡充されていることもポイント。


バックライト技術には、独自信号処理によってバックライトエリア制御とエリアコントラスト制御、2つのエリア制御を行う「Wエリア制御」技術を用いることで、引き締まった黒、黒つぶれのない陰影、リアリティの高い明暗の再現を実現している。
新シリーズでは、バックライトエリア駆動の分割数を従来モデル(TV-65W95A)と新モデル(TV-65W95B)を比較して、約2.5倍の細分化を成し得ており、さらにコントラスト感のある映像表現を可能としている。

基の映像を参考に、従来モデルと新モデルのバックライトの点灯の動作を比較してみると、従来モデルは被写体部分だけでなく、被写体の周りを広範囲にわたってバックライトが点灯してしまっているが、新モデルは余分に明るく光る部分がなく、被写体部分にだけバックライトが点灯していることが確認できる。
バックライトの分割数が細分化されたことで点灯を緻密にコントロールできるため、明部はしっかり明るく、暗部は引き締まった黒で表現可能となり、より高コントラストな映像再現を実現している。


広色域バックライトシステムの性能を最大限に引き出すため、リアルタイムにパネル制御する技術のひとつとして「リアルタイム色チューニングシステム」も新採用されている。バックライトは色温度などパネル性能が刻々と変化するが、独自アルゴリズムを用いてバックライトの色温度を検知し、その色温度に適したパネル制御をリアルタイムに働かせることで、バックライトの色温度に影響されたない正確な色表現が可能だという。

本シリーズには、2025年度版「新世代AI高画質エンジン」を搭載。放送番組や映画コンテンツなど、100万を超える映像シーンから構成される学習用データベースを基に、AIを用いて映像シーンと視聴環境に合わせて最適な高画質処理を施す「オートAI画質」が導入されている。


最新世代の「新世代AI高画質エンジン」では、映像コンテンツに含まれる元素材の情報を解析して高精細な映像を再現する「4Kファインリマスターエンジン」の機能が進化。アップコンバート技術「デュアル超解像」と、ネット動画に多いバンディングノイズを抑制する「ネット動画ノイズリダクション」は継承し、新たな高精細機能として「ダイナミックディテールエンハンサー」が投入された。
「ダイナミックディテールエンハンサー」は、独自の映像処理アルゴリズムを用いて、映像のガンマを微細なエリア毎に個別調整することによって、くっきりとした解像感に溢れる映像表現を可能としている。

広色域技術には、3次元カラーマネジメント回路の搭載によって、色の忠実な再現を実現した「ヘキサクロマドライブ」を備えており、暗部から明部まで色のディテールを細部まで再現する。併せて、映像シーンに応じてHDRトーンマッピング処理を動的に変化させることで、輝度の高い場合でも色抜けがなく、鮮やかな映像を再現できる「ハイブリッドトーンマッピング」も投入されている。
また、ガンマ調整をはじめ、暗部階調補正や測色チューニングとった高画質技術も踏襲。HDRフォーマットはHDR10+/Dolby Vision/HDR10/HLGをカバーしており、加えてHDR10+ ADAPTIVEやDolby Vision IQにも対応している。
高コントラスト技術として、放送番組などのSDR映像をHDR映像に変換する「AI HDRリマスター」や4K放送などを明るくコントラスト豊かに表現する「新4K衛星放送 高画質処理」も採用。
シーンに合わせて色を補正する「適応型色補正」、明るさ感を上げながら明暗の細部まで階調を整える「微細ブロック階調補正」、そしてシーン毎に輝度情報を検出してハイコントラストな映像を成し得る「ダイナミックメタデータクリエーション」といった高画質機能も引き続き搭載されている。


VODサービスと連携した高画質機能では、Netflix専用にチューニングされた映像モード「Netflixアダプティブ画質」を搭載していたが、本シリーズからはクリエイターの意図を忠実に再現するPrime Videoでの視聴に最適化されて映像モードである「Prime Videoキャリブレーションモード」も投入された。本機能は本体ソフトウェアのアップデート後に対応予定だという。


ゲーミング関連の機能では、4K/144p入力信号に対応。また、144Hz VRRやDolby Vision 144Hzもフォローする。VRR周波数レンジは48Hz – 144Hzをカバーしており、本格派のゲーマーの要求にも応えると説明する。

ゲーム関連の設定をゲームプレイ時にリアルタイムで確認、変更できる「ゲームコントロールモード」も搭載しており、映像のフレームレートやHDRメタデータといったソース情報表示、暗部を調整して見えやすくする「暗部視認性強調」といった機能が簡易に操作できるようになっている。

W95Bシリーズのサウンド面は、フルレンジスピーカーを2基、ウーファーを1基搭載したスピーカーユニット構成となっており、実用最大出力は50W(15W+15W+20W)としている。ウーファーは新開発のものが導入されており、従来モデル以上に迫力ある低域再生を実現しているとアピールする。立体音響フォーマットはDolby Atmosに対応する。


OSにはFire TVを前モデルから継続して採用しており、YouTube/Prime Video/Netflix/Disney+/U-NEXT/TVer/ABEMA/hulu/DAZN/FOD/NHK+/TELASAといった多数のVODサービスに対応。最大6人のユーザープロフィールの作成が可能で、各ユーザーの視聴履歴に基づいたコンテンツの表示なども可能となっている。

音声認識ではAlexaに対応していることで、電源のオン/オフ、ボリューム調整、チャンネル選曲などの音声操作が可能であり、併せて、リモコンを使わずにテレビ本体に話かけるだけで操作できるハンズフリー音声認識も装備している。また、付属リモコンのマイク、Alexa対応機器による音声コントロールも対応している。
ワイヤレス機能では、Wi-Fi、Bluetoothに対応。AirPlay 2やミラーリング、別途カメラを接続することでのAmazon Echo Showシリーズと連携したビデオ通話/オンライン会議、また放送番組を2番組同時に表示する「2画面表示」といった利便性に富んだ機能も備えている。
本シリーズ共通となる主な仕様は、チューナーが地上デジタル×3基、BS・110度デジタル×3基、BS4K・110度CS4K×3基。入出力端子は、HDMI×4基(eARC、4K/144p、VRR、ALLMに対応)、光デジタル音声出力×1基、ヘッドホン出力(ステレオミニ)×1基、LAN×1基、USB Type-A×2基を備えている。また新たに電源ケーブルの着脱に対応している。
