Apple Musicがラジオ制作スタジオを東京にオープン。「日本の音楽カルチャーを世界に発信する心臓部」
Apple Musicは、ラジオ制作のための新スタジオを4月21日に都内にオープン。それに際し、メディア向けの説明会が行われた。
「ラジオはApple Musicの心臓部。カルチャーを巡らせる場所」
Appleはポッドキャストとは別に、Apple Musicにてラジオ番組の配信を行なっている。内容はキュレーションやアーティストインタビューなど多岐にわたっており、一部の番組は非会員でも無料で聴取することが可能だ。
今回、ロサンゼルス、ニューヨーク、ナッシュビル、ロンドン、パリ、ベルリンに続き、東京にラジオ制作スタジオを開設。第1弾コンテンツとしてSnow ManのメンバーがDJを務める番組「Snow World Radio」の配信をスタートした。今後も続々と新コンテンツを配信していく予定だという。
Apple Musicではラジオを通じてポップカルチャーをプッシュし、巡らせていく、いわば心臓部として考えており、音楽紹介からアーティストインタビューまで多岐に渡る番組配信によって、カルチャーを構築し、ファンとアーティストが直接対話できるような場所を作りたいという。
また、日本でのラジオ制作を始めようというタイミングで世界的な新型コロナウィルス感染症の流行が始まったため、これまでオンラインで番組を制作してきたそう。しかしオフラインで顔を合わせると、雑談や交流などからインスピレーションが生まれたり、新たなアイデアに繋がることもある。
さらにラジオでアーティストの想いや苦労話など、クリエイティビティに関する話をしてもらうことで、ファンもよりアーティストのことを知ることができる。さらに昨今は日本の音楽が世界的に注目を集めていることから、日本のアーティストと世界中のファンを繋げるための拠点とするべく、東京スタジオを開設したとのこと。
Apple Musicのラジオスタジオは全世界に7拠点を構えており、このネットワークを使ってグローバルな交流ができるとする。J-POPに加え、最近はJ-HIP HOPも力強く伸びてきている中、それに限らず、日本で成長しているアーティストや音楽コミュニティをグローバルに紹介し、東京のスタジオを、日本の文化的な力や音楽、アーティストの力強さを、より深掘りしたかたちで世界に届けていきたいとのこと。
落合健太郎氏、DJみの氏も対面収録に好感触
Apple Musicは、本スタジオがラジオ番組「J-Pop Now Radio with Kentaro Ochiai」のパーソナリティである落合健太郎氏、および「Tokyo Highway Radio with Mino」のパーソナリティ・DJみの氏にとっての新しい拠点になると説明。
オープン記念として、最初の1週間はグローバルホストDJのゼイン・ロウ氏、イブロ・ダーデン氏を招き、4名で日本の音楽を世界中のリスナーに届ける番組を収録するという。この日も番組「Record Exchange」の収録が行われ、ラジオについてや好きな音楽、お気に入りのレコードなど、DJならではのディープな音楽トークが繰り広げられた。
先述の通り日本でのApple Musicラジオは、これまでオンラインで収録が行われてきた。今回はじめてオフラインで収録した感想を伺ってみると、落合氏は「最高ですね。「(オフラインは)グルーヴ感が出るし、オンラインだと終わった後は『バイバイ』で終わってしまうが、オフラインだと終了後も話をしたりするので、繋がりがもっと深まる気がする」と興奮気味にコメント。
みの氏も「今のオンラインの技術は素晴らしいと思うけど、やっぱり同じ部屋にいて、一切のラグがない状態での会話は違う。刹那の隙間に生まれる感情の動きだったりから別の方向に会話が進んだりもするので、そういう意味でも今後のコンテンツの展開というのは、かなりエキサイティングなものになるのではないか」と手応えを感じていたようだ。
また、ゼイン・ロウ氏も「(オンラインは)ロサンゼルスでも東京でも、ロンドンでも繋がることができる、すごくいいツールだけど、やはりオフラインで話すのとは絶対に違う体験になるし、(オフラインには)人間的な繋がりがすごくあった」と、オフラインだからこその良さを改めて実感したという。
Apple Musicのラジオスタジオは4月21日より稼働開始し、4月25日から4名による番組「Record Exchange」の配信もスタートしている。生まれ変わったApple Musicラジオからどんな番組が生まれてくるか注目だ。
