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ユーザーの声に応えブラッシュアップ

パナソニック、ワイヤレスネックスピーカー「SC-GNW10」。低音&音量を強化、チャット性能も向上

公開日 2023/09/12 13:15 編集部:押野由宇
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パナソニックは、ゲーミングネックスピーカーの新商品「SC-GNW10」を11月17日に発売する。価格はオープンだが、税込37,000円前後での実売が予想される。

「SC-GNW10」

■サウンド強化&ワイヤレス化でゲーム体験を向上



SC-GNW10はワイヤレス接続に対応した、4chスピーカー搭載のゲーミングネックスピーカーだ。同社のゲーミングネックスピーカー第一弾モデル「SC-GN01」から、「SOUND SLAYER」というコンセプトを継承しながら、その体験価値をより高めるためのさらなるブラッシュアップが図られている。

左が「SC-GN01」、右が「SC-GNW10」。新モデルではワイヤレス接続を採用した

SOUND SLAYERは「臨場感による感動」「ストレスフリー」「仲間との共感」という3つのポイントを掲げており、ゲームのジャンルにあわせたサウンドモードや、人間工学デザイン、自然な音質で仲間と会話できるボイスチャット機能など、それぞれの体験を実現するための技術で構成されている。

この感動のための技術として、サウンド面を強化。初代機から4ch構成を引き継ぐが、低音や音量が足りないといった市場の声を受け、低音・音圧を強化することで没入感の向上を狙う。

具体的には従来34mm径のスピーカーユニットを定格1Wでドライブしてたのに対し、38mm径の新スピーカーユニットを開発し、定格3Wで駆動。口径を上げると能率が落ちるが、新ツインネオジムマグネット構造を採用することでこの課題をクリアしたという。

低音&音量アップに向けた取り組みの1つとして、スピーカーユニットを大型化

さらに高性能チップを採用したほか、2900mAhの大容量Li-ion電池を開発し電源能力をアップしている。これにより高域特性の伸びが改善し、細かい環境音の再現が可能に。そして中低域を中心に音圧が前モデル比で約2倍となり、迫力ある低音の楽しさが増したとする。一方で、低音が強化された分、低域部分を仮想再生する「H.BASS」技術は本モデルでは省かれている。

またゲームのジャンルに合わせて選べるサウンドモードは「RPG」「FPS」「Voice」モードなどを初代機から踏襲しながら、新たにPC用イコライザーソフト「SOUND SLAYER Engine」により独自の音設定ができるモードを搭載した。なおソフト上で設定したモードはPCではなくワイヤレス送信機に保存されるため、PlayStationなどと組み合わせた場合にも呼び出すことができる。また設定した内容を微調整したい場合などには、PCと接続してソフトから操作する格好だ。

「SOUND SLAYER Engine」で好みの設定が可能に

そのほか、音響分析と高性能DSPを用いた独自の4chサラウンド技術「TRUE MAGESS(True Majestic Augmented Gaming Environment Sound System)」を本機にも投入。各スピーカーの音を緻密にコントロールして、優れた定位感を実現する。特にこの定位感の再現には力が入れられており、ネックスピーカーの形状の関係上どうしても前からの音の再現が難しかったが、金型修正から詰め直してまで再現性を高めることにこだわったという。

なお、初代機では『ファイナルファンタジーXIV』のサウンドチームと共同開発したことが特徴となっていたが、SC-GNW10は特定のサウンドチームと開発してはいないそうだ。ただ、SC-GN01がベースである以上、「ゲーマーの意見に応えた製品」に仕上げられていることは変わりないだろう。

続いて、ストレスフリーを実現するための大きなポイントがワイヤレス化だ。SC-GNW10はネックスピーカー部と、ワイヤレス送信機の2つで1セットになる製品で、ワイヤレス送信機はPCやコンソールゲーム機とUSB-Cで接続する。ネックスピーカー周りはケーブルレスになるため取り回しのストレスからは解放される。

その一方でワイヤレス接続では遅延の問題が出てくるが、これを2.4GHz帯の専用無線使用により解消。4chとマイク2chの大容量通信を低遅延で実現したとする。

またプレーヤーの気持ちを盛り上げつつ、快適に装着できるデザインにもこだわった。同社が首にかけたとき疲れやすい理由を調査したところ、鎖骨と僧帽筋への接触を避けた方が良いということがわかったという。そのため装着時に胸元にくるフロントの足の高さを上げて、鎖骨上部の空間を拡大し、鎖骨と僧帽筋に当たりにくいよう設計されている。

負担を軽くして長時間でも使いやすいよう設計

さらに操作系統を本体右側の先端に集約することで、片手でマイクオン/オフやボリューム調整などの操作が行えるようになった。

仲間との共感というポイントに向けては、ボイスチャット機能の強化が挙げられる。マイク配置を見直し、本体左右にマイク素子を搭載することで、顔の向きによる声の取りこぼしを防ぐ構造を採用。そして新たに高性能マイクチップを採用し、収音したなかから人の声だけを識別・抽出して、これまで以上に声だけをクリアに伝えることを可能とした。

ワイヤレス化に伴いバッテリー駆動となり、連続再生時間は9時間(vol8の場合)。4時間でフル充電となり、給電しながらも使用できるが、その際は音量が低下する。ネックスピーカー部の質量は約403g。

■イヤホン/ヘッドホンとは異なる「ネックスピーカー」への期待



発表に先立ち、メディア向けに説明会が開催された。そこで同社は製品開発の背景について、全世界のゲーム人口は年々増加し、その市場も右肩上がりとなっており、巣ごもり需要の終了後もゲーム・周年機器市場は成長を続けていると説明。またゲームメーカーにおける話題のタイトルやサブスクサービス、大型イベントの開催など、ゲーム業界は活気があると分析する。

SOUND SLAYERのコンセプトについてなど説明が行われた

そうしたなか2021年に発売されたゲーミングネックスピーカー第一弾モデルSC-GN01では、発売年で計画比2倍、2022年は計画比3倍と、同社の想定を上回る大ヒット商品になったという。この好調の波を受け、さらに多くのゲーマーに従来のヘッドセットとは異なる臨場感、快適な使い心地を体験してほしいとの想いから、第二弾モデルSC-GNW10の開発が進められた。なお、シリーズとしてSC-GN01についても販売は継続されるそうだ。

説明会ではゲストによるビデオメッセージも寄せられた。SEGAの『ソニックフロンティア』サウンドディレクター大谷智哉氏は、「思った以上に軽く、首に当たる部分の柔らかさに驚いた。臨場感のあるサラウンド、明瞭な音の定位感で、しっかりとした没入感があった。従来のネックスピーカーは音が軽い印象があったが、クリアで厚みのある低音が楽しめる」とコメント。

SEGA サウンドディレクター 大谷智哉氏

YouTubeチャンネル『わしゃがなTV』からは声優 中村悠一氏とフリーライターのマフィア梶田氏が登場し、中村氏が「前作(SC-GN01)をレビューした際には有線接続のメリットを説明されたが、今回はワイヤレスで、技術的な進化が感じられる。ダイヤル式のボリュームになって、直感的に操作できるのは嬉しい」と進化したポイントに触れると、梶田氏もそういった使いやすさに共感し、製品を持って帰りたいと関心を寄せていた。

中村悠一氏(左)、マフィア梶田氏(右)

さらに会場にはガジェット系YouTuberさっさん氏が登壇。SC-GNW10のサウンドについて問われると、「一般的なイヤホンやヘッドホンは左右に1つずつのユニットによるステレオ再生ですが、SC-GNW10はリアルサラウンドなのでFPSゲームの定位感もかなり良い。本格的な音を重視する方にもオススメできます」と述べた。

ガジェット系YouTuberさっさん氏

またボイスチャット機能については「構造上マイクがスピーカーの音を拾ってしまうので一番心配していたのですが、ノイズキャンセリング機能が優秀で、ゲーム音がまったく聞こえませんでした。専用のダイナミックマイクなどを別に用意するのに比べれば音質は劣るのかもしれませんが、普通にボイスチャットをするのにはまったく問題ないと思います」と、円滑なやり取りができることを紹介。

そして「ヘッドセットだと髪型が崩れるのが嫌というコメントが多いんですが、ネックスピーカーはそれがないのもメリットだと思います。RPGだけでなく、FPSのような音の方向性が重要なゲームにも使えるので、ネックスピーカーがどんなものか気になっていた方は一回試してみると驚かれるのではないでしょうか」と締めくくった。

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