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6名は役員報酬の一部を自主返納

NHK、「ネット活用業務での不適切な設備調達」問題で役員6名を厳重注意。前会長には退職金減額を提案

公開日 2023/07/12 15:39 編集部:小野佳希
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NHKは、インターネット活用業務で不適切な設備調達を行っていた問題について、当時関係した役員のうち6名に対して稲葉延雄会長が厳重注意したと発表。あわせて、前田晃伸前会長に対し、退職金の10%減額を提案するなどした。

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責任を明確にするための処置だとNHKは説明しており、副会長だった正籬聡(まさがきさとる)氏ら、当時関係した役員のうち、現在NHKに在籍する6名に対し、稲葉現会長が厳重注意。厳重注意を受けた6名は、在任当時の役員報酬の一部を自主返納する。対象者などは下記の6名。

・正籬聡氏(当時 副会長)役員報酬10%自主返納 2ヶ月
・伊藤浩氏(当時 専務理事)役員報酬20%自主返納 2ヶ月
・児玉圭司氏(当時 理事・技師長)役員報酬10%自主返納 2ヶ月
・林理恵氏(当時 専務理事)役員報酬10%自主返納 2ヶ月
・熊埜御堂朋子氏(当時 理事)役員報酬10%自主返納 2ヶ月
・山内昌彦氏(当時 理事)役員報酬15%自主返納 2ヶ月

また、前田前会長については、上記のとおり退職金の10%減額を提案。受信料の値下げや営業改革、関連団体改革などの功績と、本件の問題などを総合的に勘案し、経営委員会において執行部が議決したという。

稲葉会長は「NHKの業務執行やガバナンスに対する視聴者・国民の皆様の信頼を損ない、あらためてお詫び申し上げます」とコメント。「こうしたことが二度と起きないよう、再発防止に取り組んでまいります」としている。

本問題は、インターネット活用業務に関連して、今年度予算・事業計画との明確な説明が行われないまま、現時点でまだ認められていない衛星放送の同時配信を名目とする設備調達の手続きを進めていたというもの。

2022年12月、NHKでは「NHKプラス」などインターネット活用業務に関連した設備の調達を稟議で決定したが、そのなかには衛星放送の同時配信を名目とした設備として、今年度予算に9億円を計上することも含まれていた。

インターネット活用業務実施基準では地上放送番組のインターネット配信を前提としていることから、衛星放送の配信は認められておらず、その実施には基準の変更が必要となる。しかし、NHKでは予算や事業計画との明確な関係について内外に十分な説明を行われないまま、今年4月、すでに一部の調達について契約・開発が進められていたという。

なお、NHKではこのことが発覚した時点で速やかに関連業務を停止するとともに、内部調査を実施。着手していた内容は「地上放送の同時配信のバックアップ」や「4K放送の周知広報」に必要なものであり、衛星放送の同時配信のみのための開発は未着手で、「違法性が疑われる支出」は認められないとしていた。

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