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UEの音響技術でゲーミング/音楽に両対応

ロジクールG、イヤーチップが耳に合わせて変形する完全ワイヤレス「G FITS」。低遅延LIGHTSPEED接続も

公開日 2023/04/06 16:00 編集部:川田菜月
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ロジクールは、同社のゲーミングブランド・ロジクールGより、独自技術「LIGHTFORM」によりイヤーチップをカスタム成形できる完全ワイヤレスイヤホン「G FITS」を4月27日に発売する。価格はオープンだが、公式オンラインストアでは35,750円(税込)で販売される。カラーはブラック/ホワイトの2色展開。

「G FITS」ブラック

「G FITS」ホワイト

ロジクールGとして初となる完全ワイヤレスイヤホン。ロジクール傘下のイヤホンブランド・Ultimate Ears(UE)が2020年に米国で発売した「UE FITS」をベースに、UEが培ってきた音響技術を投入。ゲームにも音楽にも適した高音質を提供し、ロジクールGの製品の中でも、スマートフォンでゲームするユーザーにも適したゲーミング・音楽両用モデルとアピールする。

「UE FITS」をベースにしたゲーミング/音楽両方モデル

最大の特徴は、特許取得済みの独自技術「LIGHTFORM」の採用。LIGHTFORMとは、イヤホン部のLEDの点灯により、イヤーチップ部分がじんわりと発熱しながら、60秒でユーザーの耳型に合わせた形状に固まるというイヤーチップの成形テクノロジーだ。

の独自技術「LIGHTFORM」により、イヤーチップをカスタム成形できる

LIGHTFORMによる成形は、専用スマートフォンアプリ「G FITS」を介して操作するかたち。一人一人に合わせた一つだけのイヤーチップを成形することができるため、カスタムIEMのように個々人の耳穴にぴったりフィットさせられる。

イヤーチップを自分仕様にできる

専用スマートフォンアプリ「G FITS」で成形プロセスを操作

これにより、ズレや落下を防ぎ、また長時間使用でも痛くなりにくく、快適な装着感を実現。さらに、高い遮音性を実現し、ゲーム内のかすかな足音も聞き取れることができ、没入感ある音楽体験も可能にするとしている。

成形プロセスは1回のみとなり、固まった後のやり直しには非対応。同梱されるイヤーチップはMサイズのみで、スペアは付属されていない。なお、G FITアプリ上には「フィット感を確認」という項目があり、フィットに不安がある場合にはそこから質問にこたえていくと、カスタマーサポート窓口につながる仕様になっている。直接サポート画面から問い合わせも可能。

さらに、元のイヤーチップ自体のサイズが合わない場合や、成形がうまくいかなかった場合のため、XS/M/XLサイズのスペアイヤーチップも別売で用意。ロジクールオンラインストアにて今夏以降販売予定で、価格は4,950円(税込)。アプリのサポート画面で「新しいチップを成形」と選択すると、再びLIGHTFORMの手順をふむことができる。

また、アクティブノイズキャンセリング機能は非搭載。LIGHTFORMで成形したイヤーチップによる高いフィット感に基づいたパッシブノイズキャンセリングのみとなる。

φ10mmドライバーを搭載、緻密なサウンド体験ができるチューニングに仕上げたとする。感度は106 ±3dB SPL/mW、インピーダンスは16Ω。

専用G FITSアプリにはEQ機能も備えており、G シグネチャー/低音ブースト/FPS/MOBA・RPG/話し言葉の5つのプリセットから選択できるほか、20Hzから20kHzまでの範囲で好みに調整できるカスタマイズモードも備える。

このほか、「自撮り写真を撮る」という機能も特徴的。本来イヤホンのLED点灯は、LIGHTFORMのイヤーチップ成形時なのだが、アプリ経由で自撮り撮影する際のみ、再び点灯させることが可能。また、タッチ操作のカスタマイズも行える。さらにロジクールGのG HUBでも一部設定が可能とのこと。

「自撮り写真を撮る」機能を使えばLED点灯できる

Bluetoothはバージョン5.2、コーデックはSBC/AACをサポートする。Bluetooth接続時に遅延を抑える「ゲームモード」も装備。アプリに切り替えボタンが用意されており、タップすることで適用される。モバイルゲームや動画視聴時などに活躍するとしている。

さらに、Bluetoothに加えて、プロ仕様のロジクール独自技術「LIGHTSPEED」を用いたワイヤレス接続にも対応。付属のUSB-A ワイヤレスレシーバーを、PC/PlayStationなどに接続することで、低遅延かつ安定した通信でゲームを楽しむことができる。

LIGHTSPEED接続は、Windows 10以降、macOS X 10.14以降、PlayStation 5/4、Nintendo Switch(ステレオサウンドのみ)、Android 9で対応。USB-A/USB-C ポートで接続でき、付属品には上述のUSB-A ワイヤレスレシーバーのほか、USB-A - USB-C アダプターも同梱される。

USB-A ワイヤレスレシーバーなど同梱品一覧

BluetoothとLIGHTSPEEDの切り替えはイヤホンから操作可能で、左右イヤホンのいずれかを3回タップすることで切り替えられる。

左右のイヤホンにそれぞれ、2個のマイクで構成されるビームフォーミングマイクを搭載。ロジクールGのワイヤレスヘッドセット「G435」にも用いられた技術で、完全ワイヤレスイヤホンのG FITSに最適なかたちで搭載され、ゲーム中のボイスチャットや音声通話時に、自分の声を相手にクリアに届けられるとする。

連続再生時間は、LIGHTSPEED接続で最長約7時間、ケース併用で約15時間。Bluetooth接続では最長約10時間、ケース併用で約22時間の使用が可能となる。なおワイヤレス充電は非対応。イヤホン本体はIPX4の耐水性能を装備。マルチポイント機能には対応していない。

ブラックとホワイトの2色展開

ケース内側にそれぞれ表面と異なるカラーを用いたツートーンデザイン

同社曰く、イヤホンでゲームをしたいユーザーの悩みとして、「ワイヤレスは便利だけど、ゲーム利用にはBluetoothだと遅延が問題」という声や、「ゲーム以外にも音楽を聴いたりするから、音質も良い方がいい」という意見が多くあるとのこと。また、普段使いからゲーム利用までとなると、イヤホンの装着は長時間化し、快適な装着感も重要になるという。

G FITSは、UE技術を活用した高音質、LIGHTSPEEDにも対応する低遅延ワイヤレス接続、そして、LIGHTFORMによる個人にぴったりフィットさせられるイヤーチップの採用により、「イヤホンを探すゲーマーの全てのニーズを満たせる」製品だとアピールする。

■「G FITS」イヤーチップ成形を実体験



G FITSを実際にためしてみた

今回、事前にG FITSのイヤーチップ成形を試すことができたので簡単に紹介したい。

LIGHTFORMは光によって硬化する。そのため、まず箱を開けると、イヤーチップが装着された状態のイヤホンが、黒いパッケージ面を上にした状態で、真空パックの様な形で入れられている。少しの陽の光では問題ないが、長時間当ててしまうと、固まってしまう可能性があるようだ。

箱を開けるとまずアプリをダウンロードするよう案内

黒いパッケージ面を上にした状態でイヤホンが封入されている

アプリからアナウンスされる手順に沿って早速体験。パッケージ裏面のビニールを剥がし、本体を取り出して、まずはスマートフォンと接続してアプリに認識させる。そうしたら、イヤホンを耳に装着する。

初めてアプリを開いて、イヤホンを接続すると、最初にLIGHTFORMの手順がアナウンスされる

成形前のイヤーチップはぷにぷにとしていて、押し込むと跡がつくほど柔らかい。だが光を当てるまでは固まらない(なお、後の成形に影響がないように、あまり最初に触らない方がよさそう)。「LEDライトで硬化し、その際に発熱」「日光など(UV)などに注意」という点を考えると、UVもしくはLEDライトに当てて爪にのせたジェルを硬化する「ジェルネイル」の仕組みと似ている。

イヤーチップを取り外した様子。イヤホン側にLEDライト内蔵部がある

耳に装着すると音楽が流れており、低音が最もしっかり聞こえる位置でフィットさせるのが良いとのこと。また成形プロセス中は、イヤホン部分を押し込むのではなく、そっと押さえるようなかたちで手を添えることが推奨されている。

イヤーチップが仕様上大きめにはなるが、本体サイズは大きすぎることもない

自分仕様の耳型をとるように、イヤーチップを成形できる

成形がスタートすると、じんわり温かくなってくる。耳ほぐタイムほどではないかもしれないが、熱は感じられる。この間、自分で確認はできないが、耳元でLEDが点灯しており、60秒経つと硬化する。

案内どおりにセッティングしていけばOK

成形後のイヤーチップを触ってみると、肌に触れる側はシリコン製のようだが、内側(特に耳穴の方)が固まっているのがわかる。左右の耳でサイズが違う場合には、形状の差がよくわかるだろう。

LEDライトはイヤーチップ成形、自撮り撮影機能の時のみ。普段は光らない

なお、LEDライトは、バッテリーの持続時間等の点から音楽再生時などに点灯させるのは難しいとのこと。ゲーミングといえばライト、いつか自由に点灯させられ、色も変えられるようになると楽しいのではと思った。

記者はあまりシビアなゲームはやっていないのだが、スマートフォンで「ポケモンユナイト」をやってみた。サウンドモードはG シグネチャーだと低音が豊かすぎたので、MOBA/RPGモードにした。

ゲームに関してはかなりのライト層なので、これまで音はほぼ気にしていなかったのだが、G FITSで聞くと、今まで気づいていなかったキャラクターの攻撃、場面転換の効果音など、微細な音が聞こえてきて、よりゲームそのものや世界観を楽しむことができた。

音楽再生ではG シグネチャーがベストかと思う。豊かな低域で没入感もあり、広がりも感じられるし、ボーカルはしっかり前に出てきて、高音もクリアに聴こえてくるように感じた。

同社は、G FITSの発売を記念したイベント『第1回耳形大賞発表大会』を実施。Youtubeにて生配信する。プレゼンターに、ブランドアンバサダーの岸大河さん、ストリーマーのボドカさん、ゲストにストリーマーでCrazy Raccoon所属のおぼさんが登壇。G FITSの魅力を出演者のトークやコーナーを通して展開予定、配信の後半には、型大賞の発表も行われるとのこと。

ブランドアンバサダーの岸大河さんからは以下コメントが寄せられている。

「Logicool Gブランドアンバサダーの岸大河です。
元プロゲーマーで現在はゲームキャスターとして活動していますが、実は大のオーディオ好きで、音楽を聴く用のヘッドホンやゲーミングヘッドセット、外出の時のヘッドホンなどを使い分けています。
G FITSは、そんな私のニーズもまるっと1つで解決してくれる製品で、好きな音楽もゲーム内のこだわりのサウンドも楽しめます。
音質もUltimate Earsの完全ワイヤレスイヤホンがベースになっているので素晴らしいです。
Logicool Gが様々なニーズを満たす為に作ったこのイヤホンは、ゲーマーだけでなく、音楽好きな方にもぜひ手に取っていただきたいです!」

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