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館内の音楽も書き下ろし

「109シネマズプレミアム新宿」の音響を坂本龍一が監修。「最高の音響を楽しめる劇場ができた」

2022/11/16 編集部:杉山康介
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東急レクリエーションは、2023年4月14日に開業予定の「東急歌舞伎町タワー」内の映画館「109シネマズプレミアム新宿」の全シアターの音響を、音楽家・坂本龍一が監修することを発表した。

坂本龍一が「109シネマズプレミアム新宿」の音響を監修

109シネマズオリジナルのプレミアムサウンドシアターシステム「SAION」の良さはそのまま、坂本氏の監修のもとで設計された、より極限までリアルな音を追求したという「SAION -SR EDITION-」を採用。

メインスピーカーシステムは高域にベリリウム、中域にカーボンファイバー、低域に特殊ペーパーコーンを使用した3ウェイ仕様。サブウーファーはバンドパスにバックロードを加えたハイブリッド方式で、サラウンドは高域に8つのシルクドームをラインアレイ状に配置、低域に特殊ペーパーコーンを使用した同軸2ウェイ方式。

パワーアンプは既存製品で最も音質が良いものとして、Linea Research社の最高品質モデルを日本初導入。さらにパワーアンプとスピーカーを繋ぐケーブルにもこだわり、アンプで増幅された音声情報が最もクリーンな状態でスピーカーに届く線材、太さ、芯数を調査し、特注のものを使っているとのこと。

ケーブルまでこだわったという「SAION -SR EDITION-」を全シアターに導入

「色付けの無い」「自然な」再生音はスピーカーとスクリーンの存在を消し去り、まるでその場にいるような深い没入体験を実現するとアピール。これを8シアター全てで使用するほか、施設内のラウンジなどで使用する楽曲も坂本氏が書き下ろすとのこと。

これにあたって坂本氏のコメントも到着。「スピーカーはもちろん、オーディオケーブルやアンプなど細部にこだわり、最上の音響を楽しめる劇場ができたと自負しています」と述べている。

坂本龍一氏コメント

映画館やミラノ座・新宿への思い
60年代後半、僕は新宿の高校に通っていたので入学した当初から大きな好奇心をもって新宿を隈なく徘徊しました。
入学した4月には新宿中のJazz喫茶を訪ね歩いてお気に入りの店をいくつか決めて早速出入りし始める、制服制帽のまま。次に新宿中の映画館をチェックし、その上映傾向を調べる。人生であれほど映画をたくさん観たのもやはりこの高校生活の期間でした。
新宿で学んだものは僕を根本的に変えたと思います。60年代末は音楽、演劇、映画、文学、学問など、あらゆるものが劇的に変革された時期であり、その中心が新宿だったのです。

このプロジェクトに参画した理由
僕が信頼する音響システムを提供する会社を運営する友人からこのプロジェクトに声をかけられました。 彼らと一緒なら本当にクヲリティーの高い音を提供する映画館にできるだろうと思い、監修者として参加することにしたのです。また、常に最高の音響作りを目指す彼らを指名した109シネマズさんの姿勢にも共感しました。音響システムはスクリーンの後ろにスピーカーを組んでいますが、高性能サウンドシステムと高度なチューニング技術により、スクリーンの存在を感じない、「曇りのない音」を目指し設計されています。スピーカーはもちろん、オーディオケーブルやアンプなど細部にこだわり、最上の音響を楽しめる劇場ができたと自負しています。

映画文化・フィルム映写機への思い
109シネマズのみなさんと意見交換をした際に、「日本ではフィルムの上映ができる映画館がほとんど なくなっている、いまこそ、改めてフィルム上映のできる映画館をつくってほしい」と提案したことを真剣に受け止めていただき、チームのみなさんはすぐに35mm映写機を調達してくれました。
フィルム映画の文化を継承するためにフィルム上映も可能なシアターがここに用意されています。本物の映画愛にあふれた方々が作り上げた劇場です。

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