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プリンター事業が想定以上の水準で推移

セイコーエプソン、好調な在宅需要が持続し第3四半期決算は増益。通期業績予想も上方修正

公開日 2021/01/28 18:49 PHILEWEBビジネス 徳田ゆかり
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セイコーエプソンは、「2020年度第3四半期決算説明会」を開催。同社代表取締役社長の小川恭範氏が説明を行った。

セイコーエプソン(株)代表取締役社長・小川恭範氏

第3四半期の売上収益は対前年同期10億円の減収となる2,788億円、事業利益は同135億円増益となる311億円となった。四半期利益は、対前年同期 37億円増益となる160億円となった。

3Q決算の内容

小川氏は「コロナ影響からの回復が遅れている地域、プロジェクター、ウォッチなど本格的に回復していない商品があったものの、上期からの回復が着実に進んだ。売り上げ収益は、需要回復の一方、インドネシア工場の操業停止や輸送のコンテナ不足などで前年同期並みの水準となった」と説明。

事業利益では主に、インクジェットプリンターの大容量インクタンクモデルやインクの増加、販売価格上昇、プロモーションなどの費用抑制を徹底したことにより、大幅増益となった。

セグメント別推移について。プリンティングソリューションズでは、インクジェットプリンターの増収により事業全体で増収となった。大容量インクタンクモデルで供給不足が継続したが、販売台数増加、販売価格上昇により増収。インク販売も在宅印刷需要が継続し増収となった。セグメント利益は、大幅な増益となり、プリンティングソリューションズの中でのプリンター事業の割合は7割を占めるものとなっている。

プリンティングソリューションズの実績

事業セグメント別の実績。プリンティングソリューションズの利益が全体の7割りを占める

小川氏はインクジェットの販売推移に触れ、「新型コロナの感染拡大で在宅印刷需要が増加し、インクの売上収益が前年度を上回った。増収率は3Qで落ち着きをみせると予想していたが、需要が継続した。今後の動向予想は困難だが、テレワーク需要などから一定程度の需要は継続すると考える」とした。

ビジュアルコミュニケーションでは、プロジェクターが教育用途で持ち直し、ホームプロジェクターも堅調に推移して上期から回復しているものの、オフィス向けプロジェクター需要が停滞するなど厳しい事業環境が継続。3Qでは固定費の見直しと費用抑制の徹底で、一定の事業利益を得たとした。

ビジュアルコミュニケーション、ウェアラブル、産業プロダクツの実績

ウェアラブル産業プロダクツは、全体では前年同期並みとなったが、事業により濃淡があると評価。ウェアラブルは海外向けや高価格帯ウォッチでは増加したが、全体に厳しい市況が継続しているとした。ロボティクスソリューションズでは、上期からの好調が継続、中国向け電子機器やバッテリー、ソーラーパネル組み立て用途、医療関連機器用途などが増加した。

販管費は前年同期より60億円減少し762億円。販促費や宣伝広告費は引き続き抑制している。今後はプロモーション活動の再開を進めるが、オンライン活用など効率化も進め、かつての水準にもどすことなくメリハリを効かせていくとした。

通期業績予想は、前回予想から売上収益を200億円、事業利益を150億円、当期利益を100億円上方修正。売り上げ収益は9,800億円、事業利益は500億円、当期利益は180億円とした。供給不足の継続が見込まれるなど予断を許さぬ状況と見るが「3Q 実績が収益・利益とも予想を上回り、今後の需要回復も見込んだ結果」と説明する。

通期業績予想の前提

通期業績予想を上方修正

今後の持続的成長に向けた取り組みとして、「新型コロナウィルス感染拡大を契機とする環境変化を捉え、戦略の見直しを進めている。環境変化を捉えて取り組みを加速するため、新しい中期経営計画を3月に発表することとした。社会課題を起点として強みを生かしたイノベーションで、持続可能な社会の実現に貢献する」と小川氏。

環境変化を捉えた取り組みのため、新たな中期経営計画を発表する

「これまで集中していたオフィス業務、工場での製造が、今後より一層分散していく」と見て、社会ニーズを捉え、変化を加速させる商品とサービスを提供していく。「新型コロナウィルスで打撃をうけた世界経済の回復には時間がかかり、不確実な状況の継続が見込まれる。利益率を重視した経営を進める」とした。

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