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【特別連載 第9回】Ritek Pro“CG”/オーディオ専門店が聴く

Ritek Pro“CG”は“買い”か?プロ仕様を謳う高品質CD-Rの実力を全国有力オーディオ専門店が一刀両断

2020/12/24 PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
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プロ仕様の高品質ディスクとして開発された「Ritek Pro“CG”」(CD-R/DVD-R)。音楽スタジオなどですでに高い評価を獲得しているが、全国の有力オーディオ専門店では果たしてその実力をどのように評価するのだろうか。そこで、「Ritek Pro“CG”」(CD-R)を手元にお届けして、実際に試聴いただき、音質に関する評価をお寄せいただいた。音楽配信が勢いを増す中、“CD-R”という商品のポジションと市場性についても併せて見解を示していただいた。

VGP2021ではディスク部門の金賞と企画賞をダブル受賞した「Ritek Pro“CG”」。




<全国のオーディオ専門店が「Ritek Pro“CG”」を聴いてみた>

■情報量が多く、音離れの良さが好印象
「アナログレコードからの録音でテストしたが、非常に素直な素性でキャラクターを感じないCD-Rだ。情報量が確保されていて、音の厚みやアナログの質感がきちんと残る。他の製品と比較して特に中高域の密度感や滑らかさ、音離れの良さが好印象だ。CD-Rはツールとして一定数の需要があり、そこへ高音質CD-Rとして推奨できる。これから新たにCD-Rを使ってみようという層をどのようにして獲得していけるかが課題となる」

■オーディオファンには願ってもない1枚
「音質も含めて安定感のあるCD-Rを探しているオーディオファンには、このCD-Rの登場はありがたい限りだ」

■もうワンランク上のディスクも是非検討してほしい
「アナログレコード、デジタルデータを音源にして試したが、全ての帯域が非常に自然で大変好感が持てた。この音質なら貴重なアナログ盤を気軽に聴くためにダビングして十分満足できるレベルだ。是非、もうワンランク上のグレードのディスクも検討してほしい。Ritekというブランドから、どうしても“所詮輸入物”といったマイナスイメージがつきまとうため、積極的な宣伝活動で高品質をアピールし、『高品質ディスクならRitek』とのイメージを定着させてほしい」

■キレイな盤面から盤質の良好さは一目でわかる
「盤面がキレイで、盤質が良いことは一目でわかった。CD-Rの中では音質はかなり良い方だと思う。ただ、今ではCD-Rに音楽データを入れることも少なくなり、需要はかなり少なくなっている。CDをダビングする機器も限られてきて、余計に使用する機会が減っている」

■ディスク再生の魅力を多くの人に伝えてほしい
「音の忠実性・正確性を意識されて製作されたものと感じる。奥行き・立体感はとても良い。注文を出すなら、人によっては柔らかい、優しい印象に聴こえるが、1音1音に付帯音があるため、透明感・倍音成分が少ない。これが解消されると音の深みや曲全体の表現力がもっと生き生きしたものになる。音源の保存はUSBやSDカードを使用するケースが圧倒的に増えてきているが、RitekではCD-Rではどういった客層を意識されているのか。ディスク再生の魅力を是非多くの方に周知してほしい。今後の活躍を期待している」

■非常に品質が高く、素晴らしい
「ディスク1枚、1枚の品質が非常に高く、素晴らしいと思う。BtoBにはピッタリ」

■Ritek Pro“CG”を聴いてしまうともう後戻りできない
「CD-Rは音楽データ用として使用している。入手のしやすさもあり、これまで長く利用してきたものと比較してみると、明らかな音質向上が見られる。倍音の浮きがないので基音がしっかりと通り、密度感のある音が聴こえる。原盤に対して音が少し薄く感じるが、音楽のニュアンスは保っており優秀だと思う。この商品を知ってしまうと後には戻れないという感じだ。あくまで聴感での評価ではあるが、反射率が低いためか、再生装置によってTOCの読み込みに時間がかかるものがある。記録速度の兼ね合いもあるので装置との最適値を探ってみる必要がある」

■低域にさらなる厚みが欲しい
「クリアな音質には満足している。もう少し低域に厚みが増すとさらに良い。音楽用CD-Rもあれば、他の製品との違いをより評価できたのではないか」

■モジュレーション、ディストーションが少ない
「ガラスCD-R、ブラックCD-Rと比較試聴した。Ritek Pro“CG”の良い点はモジュレーション、ディストーションが少なく感じられ、奥行き方向、左右方向の定位が正確なこと。サウンドはナチュラルで、若干高域にエネルギーがシフトした感じだが、決してキツイ印象はない。色彩の幅が若干狭いように思うが、モジュレーションが少ない証拠かもしれない。色彩感が少し狭い、音が軽い傾向にある、高域に若干寄るなど、材質の音が恐らく出ているのかもしれず、レーベル印刷面に塗布する材質を若干ダンピングのある塗装にするといいかもしれない。

続いて、That’sのCD-Rがあり比較試聴した。定位や奥行き方向のエネルギーの正確さは、That’sととても似た感じだ。ただし、8Kあたりの高域がやはりライテックは若干きつく当たり高域に歪みっぽさがある。上に伸びあがる音場があるはずなのに、そこにとどまる感じで、上から抑えたような音場となり、圧縮したような印象になる。また、色彩幅が少なく感じるのは、もしかしたら、プリンタブルに塗布してある白い塗装のせいかもしれない。

商材としてのCD-Rは大いに期待できると思う。実際にお客様の声を聞くと、PCが未だに苦手で、スマホを持たない、持ちたくないという人が多い。最近の新車のカーオーディオにはCD挿入部がなく、全く音楽を聴かなくなったという方も多い。しかし、CDの発売数は少なくなったかもしれないが、依然、圧倒的に数が多いのはCDパッケージで、CDプレーヤーの生産数が激減していることにお客様は困惑している。CDというパッケージメディアに対する依存度は予想以上に高い。音質の良いCD-Rを求める方も多く、それはこれからも変わらないだろう。アナログディスク同様に、CDもずっと残り続ける。是非、高音質なCD-Rをこれからも開発していって欲しい」




「Ritek Pro“CG”」の音質評価では、手持ちのThat’sのCD-Rと比較試聴されるなど、ご販売店それぞれの物差しでご評価いただいている。SNSでも取り上げていただいたり、「是非、もうワンランク上のグレードのディスクも検討してほしい」といった声も聞かれたりなど、厳しい意見ともども、その背景に強く感じられるのは、“無風地帯”ともいえる高品質ディスクに対するRitekのさらなる展開への期待感だ。「Ritek Pro“CG”」(CD-R/DVD-R)のBtoC市場での本格展開はもちろん、予定されているというBD-Rを含め、本気度を問われる次の一手、来る2021年の展開に注目が集まっている。

(協力:Ritek)

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