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【特別連載 第5回】Ritek Pro“CG”/「証言・Ritekへの驚き」

徹底してやり抜き誕生した「Ritek Pro“CG”」。日本で一番Ritekを知る男が見た強さの秘密と日本市場の道のり

公開日 2020/08/26 11:26 PHILE WEB ビジネス編集部・竹内純
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■随所に実感する技術力とこだわり

マニアやプロ用市場で高品質の光ディスクとして名をとどろかせた「That's」。その後継の座を目指し、Ritekが約1年にわたる開発期間をかけ、満を持して商品化した「Ritek Pro“CG”」が、音楽用途を中心としたBtoB市場で話題を呼んでいる。

Ritekの技術力で高品質に徹底してこだわった「Ritek Pro“CG”」

1988年に創業したRitek(台湾)は、それに先立つこと約30年前、1957年にアナログレコード生産工場として立ち上げられ、スタートを切る。創業時から音楽にこだわるDNAを持ち合わせていたわけだ。60年以上にわたる歴史を持ち、2002年にはCD-R/RW、DVD-R/RW、DVD+R/RW、DVD-RAM、MD、MOとすべての光ディスクを量産する世界初の光ディスクメーカーとなり、現在はより高度な技術力が要求される医療用バイオディスクも手掛ける。完全自動化されたOLED量産ラインを備え、ナノテクノロジーやバイオテクノロジーを応用した製品を主力事業として展開している。

世界有数の光ディスクメーカーである「Ritek」だが、日本ではまだ馴染み深いとは言い難い。そんなRitekについて、日本でもっとも詳しく知る人物のひとりが、Ritek製品の日本市場での販売に長年にわたって携わるアールアイジャパン株式会社 代表取締役社長の日野剛氏だ。

アールアイジャパン株式会社 代表取締役社長・日野剛氏

話題を集める「Ritek Pro“CG”」には、「そのクオリティーの高さには目を見張るものがありました」と驚きを隠せなかったと語る。「品質はもちろん、例えば、ディスク内周に白いリング状の円ができる“White ring”と呼ばれる現象は、これまで解決できないものとして認識されてきました。ところが、スタンパーの形状を作り変えて見事に解決してしまった。印刷面の完成度の高さも非常に高く評価されています」。BtoB市場の厳しい要求に応えた、Ritekの技術力の高さとこだわりが滲み出た製品に日野社長も舌を巻く。

さらに、「クオリティーを維持するための事細かな品質管理も、そこまでやるのかというくらい徹底されています。お客様に最良の状態のままお届けするために考え抜かれた、工場出荷時に用いられる製品梱包の材料も、耐久性に優れることはもちろん、さまざま工夫が凝らされ、まさに最高仕様のレベルと言えるものです」と細部まで徹底した配慮が施されていると説明する。

Ritek Pro“CG”は台湾のRitekの工場において、専用ラインを設け、徹底した品質管理のもとで生産が行われている

■Ritek Pro“CG”拡販へ加速

Ritek社のブランド日本総代理店として間もなく15年を迎えるアールアイジャパン。「15年前と言えば、日本はナショナルブランド群雄割拠の時代です。OEMではすでに台湾はじめ海外から数多くのメーカーが市場参入していましたが、ナショナルブランドの品質や信頼性には逆立ちしても太刀打ちできませんでした。その結果、行き場は安価なゾーンにしかなく、市場ではいつしか“海外メーカー=安価な製品”とのイメージが定着していきました」と海外ブランドに逆風が吹く当時の状況を振り返る。

「Ritekは歴史も高い技術力もある会社です。自社ブランド製品の品質にも自信を持っています。しかし、日本市場では知名度も皆無に近い一海外メーカーに過ぎません。なにより最優先して求められるのは価格の安さでしたから、そうした状況下でRitekブランドの持ち味を生かし、立ち位置を確立していくことは非常に難しいものでした」。

その後、営業、製造、品質管理の各部門において、長年にわたり日本企業のOEMとして経験を培ってきたRitek。さらに、何よりも品質を重視する同社の姿勢を鑑み、「海外メーカーではありますが、高品質の製品をユーザーに自信を持ってお届けすることを第一に考え、日本市場における営業を展開しています」と訴える。市場導入が進められる「Ritek Pro“CG”」は、まさに、その会心作とでもいうべき製品となる。

「7月にはようやく、Ritek Pro“CG”(CD-R/DVD-R)の現行ラインナップとなる100枚、50枚、20枚、10枚のすべてが揃いました。今後、積極的なサンプル提供などを通じて、まずは使っていただくこと。そこから得られた使用感をはじめとする反響を、今後の営業展開に活かしていくと同時に、Ritekとのコミュニケーションにおいてもよりよい方向へ発展させていきます」と拡販へ意気込みを見せる。

アールアイジャパンで初出荷を迎えた「Ritek Pro“CG”」を囲む、左からディーアンドエーミュージックの倉本卓氏、同代表取締役・白川幸宏氏、That'sブランドの販売会社であったスタート・ラボで代表取締役社長 兼CEOを務めた揚伯裕氏、そして、アールアイジャパン 代表取締役社長・日野剛氏

さらに、現在はBtoB市場での展開だが、「BtoCに向けた市場開拓にも大いに自信があります」と腕を鳴らす。「BtoCではプライスゾーンも重要になりますが、Ritek Pro“CG”の差別化ポイントである品質面について、“これだけこだわりのある製品ですよ”という価値を受け入れていただけるようアイデアを凝らした販促を展開していきたい」と訴える。

コロナ禍の影響は否定できないが、「今後、さまざまな方面でRitek Pro“CG”をお使いいただく機会をつくっていきます」と期待を膨らませる。まずはBtoBにおいて「Ritek Pro“CG”」の地位を確立させるとともに、さらなるBtoC市場の展開を視野に収め、「サポート体制などのサービス面拡充がこれからの最重要課題のひとつとして認識しています」と語る日野氏。「Ritek Pro“CG”」の躍進に目が離せない。

(協力:Ritek)

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