秋葉原・ONKYO BASEで試聴可能

オンキヨーの桐シリーズ第2弾は「桐ヘッドホン」、約30万円。和楽器の技術と独自ドライバー採用

編集部:成藤正宣
2018年07月31日
オンキヨーは、ハウジングに会津産の桐材、振動板に100%セルロースナノファイバーを採用した「桐ヘッドホン」を、クラウドファンディングサイト「未来ショッピング」で8月1日より先行販売する。価格は、15セット限定のオリジナルヘッドホンスタンドセットが324,000円、ヘッドホン本体のみが302,400円(いずれも税込/送料込)。

オンキヨー「桐ヘッドホン」

同社は本日、東京・秋葉原のショールーム「ONKYO BASE」にて発表会を開催し、商品詳細の説明と試聴会を行った。

秋葉原の「ONKYO BASE」で発表会が行われた

同社は2016年、桐材とセルロースナノファイバー振動板を公開し(関連ニュース)、2017年にはクラウドファンディングにて、その技術を採用した「桐スピーカー」の販売を実施(関連ニュース)。今回の桐ヘッドホンはスピーカーに続く第2弾製品となる。

装着図

特徴的な桐を用いたハウジングは、高級和楽器の素材としても有名な、福島県会津地方の会津桐を採用。内部のドライバー背面にあたる部位には、和楽器の筝(こと)に用いられる技法「綾杉彫り」を施しており、これにより音の響きをコントロールしている。

会津産の桐材をハウジングに採用

内部に和楽器由来の技法を施し、響きをコントロールした

和楽器の要素を取り入れた理由について、開発に携わったヘッドホン技術グループの山本優一氏は、「過去にオンキヨーではアコースティックギターの構造を取り入れた製品開発を行い、楽器の構造から得られるものが多いことを経験していた。今回も“彫り”で響きを制御する和楽器の構造に着目し、試作したところ、きれいな鳴りが実現できた」ときっかけを語った。

ヘッドホン技術グループ 山本氏

以前の経験が、楽器の構造を応用するきっかけとなった

また、材料となる会津桐を提供した株式会社斎藤桐材店の齋藤磐雄氏は、「会津桐はつまった年輪が特徴で、堅さと粘り強さがある木材。今回は取り扱う1,300本のうち、特に筝に向くような材木を選んだ。切り出しから乾燥、アク抜きなど、材木として使えるようになるまで10年かけたものを提供している」と素材の背景を説明した。

桐材を提供した斎藤桐材店 齋藤氏

会津桐は製材まで10年をかけているという

ドライバーユニットは新開発したもので、口径は50mm。振動板の素材には軽量でありながら高強度の「セルロースナノファイバー」を採用。またスピーカーと同じ「フリーエッジ構造」を採用しており、振動板の周囲にリニアリティーが高く、不要共振の少ないエラストマーを配している。

今回採用されたセルロースナノファイバー振動板は、過去発売された製品とは異なりセルロースナノファイバー100%を使用。これは世界で初めての試みという。

100%セルロースナノファイバーで振動板を製品化したのは、今回が世界初という

山本氏は「通常、紙やそれに類する素材を振動板に用いると、キレの良い音と引き換えに高域が弱く、剛性が低いといった欠点があった。100%セルロースナノファイバー振動板ではそれらの欠点をすべて解消している」と説明。その反面、生産コストが高く、限られた生産数だからこそ採用できたという。

ドライバーは背面から抱え込むような「フルバスケット方式」で強固に固定され、ハウジングとハンガーの間にゴム緩衝材を配置。左右のハウジングの干渉や、ヘッドホン全体の共振を低減している。これらによって再生周波数は10Hz〜80kHzの広帯域に及び、クリアな音像と広い音場を実現できたという。

その他、ヘッドバンド・イヤーパッドには高級人工スエードのアルカンターラ、ハンガーは軽量・高剛性の超ジュラルミンを採用。ケーブルは両出しの脱着式で、製品には2.5mmバランスプラグのケーブルも付属する。

ヘッドバンド・イヤーパッドはアルカンターラ製で装着感を高めている

こうして完成した桐ヘッドホンは、太鼓芸能集団「鼓童」の住吉佑汰氏、指揮者の佐渡裕氏の2名に試聴してもらったところ、バランスの良さ、音の距離感、空間の再現力などで高い評価を得られたという。筆者も同社のハイレゾ対応スマートフォン“GRANBEAT”に接続して試聴したところ、高域がとても良く伸びるいっぽうで低域の余韻は深く、音の奥行きを再現しており、このモデルならではの強い個性が感じられた。

著名な音楽家に試聴してもらったところ、高い評価を得られたという

桐ヘッドホンはONKYO BASEでも展示され、試聴が可能となっている。また、同社桐製品の第1弾となる「桐スピーカー」も、8月1日から9月30日の期間限定で展示。3セット限定1,404,000円(税込)で販売も行われるという。

「桐ヘッドホン」だけでなく「桐スピーカー」もONKYO BASEで試聴できる

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