最上位機とエントリー機同時発表

Fender、10万円超の6ドライバーIEM「FXA9」と1万円台のスマホ向けエントリーモデル「CXA1」

編集部:小澤貴信/成藤正宣
2017年04月28日
フェンダーミュージックは、Fenderブランドのイヤホンに新モデルを追加、BAドライバーを6基搭載したハイエンドモデル「FXA9」と、リモコン付きのエントリーモデル「CXA1」を5月末より発売する。それぞれ価格はオープンで、市場想定価格はFXA9が148,000円前後、CXA1が14,800円前後となる。なお、これまでのラインナップはすべて販売を継続する。

「FXA9」

「CXA1」

本日、フェンダーミュージックのショールーム「Femder Backstage」にてプレス向けの発表会が開催。フェンダーのオーディオ事業部 ヴァイスプレジデントであるJim Ninesling氏、Fenderのイヤホン開発を手がけるDale Lott氏が登場し、その詳細を説明した。

Jim Ninesling氏

Dale Lott氏


独自技術によるBAドライバー6基構成のトップエンド機「FXA9」

FXA9はフェンダーのIEMの最上位モデルで、高域1基、中域1基、低域2基、超低域(サブベース)2基の合計6基のBAドライバーを搭載する。独自技術によって実現したというこの6ドライバー構成は「HEXAD configuration」と呼称される。BAドライバーは本機のために新規開発されたもので、各帯域に最適化した異なるBAドライバーを用いている。

特に超低域を担当する2基のドライバーには、これまで同社がハイブリッド型イヤホンで採用してきた「Groove tuned bass port」技術を応用。BAドライバーでありながらポートを設けると共に、超低域2基のための専用チャンバーを用意した。これにより通常のマルチBAドライバーイヤホンでは再現できない、自然で心地良い低域再現を実現するとしている。

「FXA9」カラーは左からブロンズ、カメレオン、ホワイト

Dale Lott氏はこれまで、フェンダーイヤホンの前身となったAurisonicの時代からハイブリッド型イヤホンにこだわり、ハイブリッド型に関わる特許も取得してきた、これまでのフェンダーの上位モデルもハイブリッド型だった。それではなぜ、今回登場したハイエンドモデル「FXA9」はマルチBA構成となったのか。

Dale Lott氏によればその理由は、「アーティストやプロの現場で使われているモニター用のIEMはマルチBAドライバーが主流のため、録音の現場やアーティストから『フェンダーもマルチBAのIEMをラインナップしてほしい』という要望が多かったため」なのだという。

これまでの同社イヤホンはネットワーク回路を用いないことを特徴としていたが、FXA9では全BAによる6ドライバー構成ということでネットワーク回路を採用。ただしネットワークは高域と中域、中域と低域の間に設け、低域と超低域の間にはネットワークが用いられていない。また、ドライバーとネットワーク回路の設計を最適化することで、ネットワーク回路の弊害を回避して滑らかなつながりを可能にしたという。

ハウジングはクリア仕様で、ドライバーなど内部を目視できる

ハウジングは、フェンダーイヤホンの前身となったAurisonicの時代からの特色である、高精度3Dプリンターによる成形を採用。これにより高いフィット感に加えて、6ドライバーを最適配置できるコンパクトなハウジング、上述のGroove tuned bass port技術による複雑な構造のポートやチャンバーの成形を実現できたという。

音導管にはベリリウム鋼材を使用し、24k金メッキで仕上げている。金メッキで仕上げた理由については「汚れや汗による腐食を回避するほか、不要な響きを排除して音質を高める効果もある」とのことだった。

イヤーピースを外したところ。本体先端の音導管にはベリリウム鋼材を使用し、24k金メッキで仕上げている

ケーブルは着脱可能で、本機のために新規開発。導体は無酸素銅で、その表面には3層のシルバーコーティングを施した。また、ケーブルは+/−の各線とは別にグラウンド線を用意する構造としていて、L/Rのクロストークを最小化させている。線材が見えるクリアケーブルを用いているが、シルバーコーティングによって導体の酸化を防ぐことで、見た目も維持できる。ケーブル表皮には汚れやタッチノイズを軽減できる素材が選ばれた。

従来機に引き続き、ケーブルのイヤホン側端子には接触不良などのトラブル対策を施したMMCXi端子を採用している。

これまでのフェンダーのイヤホンは、1モデルにつき1色だったが、本機は3つのカラーバリエーションを用意。「ブロンズ」「カメレオン」「ホワイト」を用意する。FXA9の再生周波数帯域は12Hz〜22kHz、インピーダンス21Ω、感度121dB。

パッケージに収められた「FXA9」と「CXA1」

FENDERのイヤホンは全て、米ナッシュビルの工場において手作業で組み立てられるが、特にこのFXA9に関しては製造に熟達した技術が必要で、生産の時間も既存の「FXA7」に比べて2.5倍必要という。さらに、現時点でDale Lott氏がFXA9製造を行うことを認めたスタッフは1名しかいない。現在生産を拡大するべくスタッフを育成中で、近日中にもう1人、製造が許される予定だという。

高い技術を用いてハンドメイド製造されていることが強調されていた

なお、Jim Ninesling氏に「カスタムIEMを手がける予定はないか」と質問したところ、アーティストからの要望も多く、現在検討中とのこと。FXA9のカスタムIEMの試作モデルも見せてくれた。ただ、現時点で具体的なスケジュールなどは決まっていないという。

「FXA9」のカスタムIEMモデル試作機


リモコン搭載のコンシューマー向けモデル「CXA1」

「CXA1」は、カスタムメイドの8.5mmチタン製マイクロドライバーを使用したダイナミック型イヤホン。ケーブルにiOS向け3ボタンリモコンとマイクを内蔵。一部のAndroidでも使用が可能とのことだ。Jim Ninesling氏によれば、「これまでのフェンダーのイヤホンはアーティスト向けだったが、CXA1は初めて完全にコンシューマー向けとして、より手軽に音楽を楽しんでもらえることをコンセプトにした」とのことだった。

「CXA1」カラーは左からブラック、ブルー、ホワイト

なお、従来のエントリーモデルであり同じく8.5mmチタン製microドライバーを搭載している「DXA1」との違いだが、プロ向けを想定したDXA1が密閉型なのに対して、CXA1では2つのポートが設けられ、より幅広いユーザーが音楽を楽しめるようにチューニングされたという。

本機はケーブルの着脱はできない(※初出時、MMCXi端子でリケーブル可能と記載していたが、製品版はリケーブル不可能とのこと)。カラーはブラック、ブルー、ホワイトの3色ずつ用意される。再生周波数帯域14Hz〜22kHz、インピーダンス16Ω、感度110dB。

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  • ジャンルヘッドホン(単体)
  • ブランドFENDER
  • 型番FXA9
  • 発売日2017年5月末
  • 価格市場想定価格148,000円
【SPEC】●再生周波数帯域:12Hz〜22kHz ●インピーダンス:21Ω ●感度:121dB
  • ジャンルヘッドホン(単体)
  • ブランドFENDER
  • 型番CXA1
  • 発売日2017年5月末
  • 価格市場想定価格14,800円
【SPEC】●再生周波数帯域:14Hz〜22kHz ●インピーダンス:16Ω ●感度:110dB

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