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発表会で幹部が製品特長をアピール

LG、日本初の曲面有機ELサイネージ。大日本印刷が225型システム導入で4K上映

公開日 2016/07/11 15:52 編集部:小野佳希
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LGエレクトロニクス・ジャパンは、有機ELディスプレイを活用したデジタルサイネージ事業を日本市場で開始。55型有機ELディスプレイ24面による国内最大規模の曲面デジタルサイネージを、大日本印刷がDNP五反田ビルのショールームに導入した。


大日本印刷では、LGの曲面有機ELディスプレイを用い、映像制作や設置・施工、その後のサポートなどを含めたデジタルサイネージのトータルソリューションを外部顧客に提供。10月より販売を開始する。

今回DNP五反田ビルに導入されたのは、フルHDの曲面有機ELディスプレイを24面使った約225型/解像度7,680×6,480のデジタルサイネージシステム。パネルの輝度は400カンデラで、1枚あたりの質量は約1.9kg。パネル自体の薄さは0.97mmで、クレジットカードをはじめとする一般的なカード類の平均0.84mmに迫る薄さを実現している。

「DNP マルチサイネージ トールビジョン 有機EL曲面タイプ」として製品化し、大型商業施設や公共交通機関など日本市場向けに販売する

ショールームでは、「京都・文化遺産アーカイブプロジェクト」の4K特別映像および8K映像を新たに編集した「京 春夏秋冬」と、フランス国立図書館(BnF)が所蔵する歴史的な価値を持つ地球儀・天球儀の3Dデジタルアーカイブデータから制作した超高解像度映像を放映する。

曲面設置が可能

LGによる有機EL曲面ディスプレイでのデジタルサイネージ導入は国内初。世界でも韓国・仁川国際空港および南山タワーに続く3例目となる。

韓国での導入事例。天井吊りやトンネルタイプなど設置性の高さも特長のひとつ

大日本印刷の常務取締役でデジタルサイネージ推進本部担当の北島元治氏は、「薄型、かつ曲面なので設置場所に左右されない」とメリットを説明。「高いコントラストと広い視野角、高画質を求めるお客様に、今までの液晶では実現できなかった、デザインと高画質を両立したサイネージの導入をサポートしたい」と画質面にも言及し、「大日本印刷として、有機ELに適した4K、それ以上の映像コンテンツの制作サポートも行っていく」と続けた。

大日本印刷 北島氏

LGエレクトロニクス・ジャパン代表取締役社長の李仁奎(イ・インギュ)氏は、「100万対1という高いコントラスト比と高い色再現性」「どの角度から見ても色変化がおきにくい広い視野角」「液晶と比べて薄く、曲げることも可能」「軽量で設置の負担が軽減される液晶ではできなかった表現が可能」という4点が有機ELのメリットだとコメント。

LG 李氏

大日本印刷デジタルサイネージ推進本部 本部長の閑 郁文(しずか いくふみ)氏も「漆黒の黒を表現できるようになった」と述べ、有機ELの画質面の特長を改めて強調した。

大日本印刷 閑氏

また、「“包まれ感”を演出できる」点が曲面ディスプレイのメリットであることも発表会では説明。「例えば雪が降ったり、桜の花びらや落ち葉が舞ったりといった演出での臨場感が増す」とした。

なお、現時点での価格は未定。納入先の希望に合わせてカスタマイズすることもあり具体的な金額は明かされなかったが、「液晶ディスプレイとの比較で言えば、3〜4倍くらいの価格になるのではないか。最初のうちは歩留まりの問題もあるほか、民生機よりも耐久性が求められることなどでどうしてもそうした値段にはなる」とした。大日本印刷では、本製品とコンテンツ、関連サービスで2019年度までに20億円の売上を目指す。

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