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Kickstarterに公開予定の「Xround」とは?

<GPC>IFA GPCに、欧州の雄フィリップスや台湾のオーディ系ベンチャーが出展

公開日 2016/04/19 09:58 山本 敦
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今年はヨーロッパから遠く離れた香港で開催されている、IFAのプレイベント「グローバル・プレスカンファレンス」に出展するスポンサー企業の展示内容を一部紹介しよう。

フィリップスが秋にヘルスケア向けのスマートウォッチとアプリの発表を予告

■フィリップスが秋にヘルスケア向スマートウォッチの発売を予告

IFAグローバル・プレスカンファレンスには、例年世界各国から300名を超えるプレス関係者が招待され集まる。イベントを後援するスポンサー企業は、プレス向けにセミナー形式のカンファレンスやプロダクトのタッチ&トライの場を提供するプロダクト展示を開催するのだが、今年はプロダクト展示の方がCE Chinaでのお披露目まで“おあずけ”となったため、グローバル・プレスカンファレンスの会場ではセミナーのみ執り行われることになった。

全2日の日程で開催されるグローバル・プレスカンファレンスの初日には、欧州の総合エレクトロニクスメーカーであるフィリップスがセミナーを開催。マネージング・ディレクターのBrend Laudahn氏が壇上で、9月のIFA開催を前に「フィリップスブースのプレビュー」として、新しいホームアプライアンスやヘルスケア製品の出展予告を行った。

フィリップスののBrend Laudahn氏

ホームアプライアンスではエスプレッソ・メーカーの“SENSO”シリーズを紹介するほか、シェービングフォーム不要の男性用シェーバー「Oneblade」にスポットを当てる。フィリップスでは、医療と密接に結び付いたヘルスケア製品の開発と販売にいま最も力を入れている。その背景は、これから先進国だけでなく発展途上国でも顕著になるであろう人口の高齢化に伴う需要の拡大を予測しているからだ。また世界的なホームアプライアンス製品のトレンドとなりつつある空気清浄機も、これからフィリップスがますます力を入れる分野だ。

Laudahn氏は「IoTカテゴリーの成長が顕著にみられるようになってきた」と強調。特にウェアラブルの成長とともに伸び盛りを迎えているデジタルヘルスケア製品については、「今秋ごろにはフィリップスのスマートヘルスウォッチやスマート体重計、これらと連動するフィリップスオリジナルのヘルスケアアプリもローンチしたい。ハードからアプリまで、フィリップスのヘルスケア製品を一つの連続するプロダクトチェーンの中でみせていく」と意気込みを語った。

ヘルスケア向け製品によるプロダクトチェーンを提案する

■台湾のオーディオ系ベンチャーが発表した製品「Xround」とは

スタートアップ企業によるパネルディスカッションには、台湾に拠点を構えるEmbrace Audio Lab社からCEOのPeng Lee氏が参加した。同社は設立されてからまだ1年の若いオーディオ系ベンチャー企業だ。ディスカッションの壇上で、Lee氏は今夏に始動するクラウドファウンディングのプロジェクトを発表した。

ベンチャー企業によるパネルディスカッションが開催された

るEmbrace Audio Lab社 CEOのPeng Lee氏

同社はカジノやゲームセンターなど遊戯施設向けの業務用機器用サウンドデバイスを商品化し、販売をスタートしている。IFAグローバル・プレスカンファレンスを舞台に発表された製品「Xround」は、超小型のスティックタイプの外付けサラウンド・オーディオプロセッサーだ。

同社初のコンシューマー向け商品として開発が進むXround

本体の両端に3.5mmミニプラグを搭載。片側をPCやスマホに接続したのち、もう片側にスピーカーやヘッドホン/イヤホンをプラグインすれば、最大5.1chのサラウンド効果が手軽に楽しめるというもの。Lee氏は「どんな製品を組み合わせても高いサラウンド効果が得られる。CDなどステレオ音源やYouTube動画の音声も手軽に、迫力いっぱいに楽しめるオープンさが当社製品の特長だ」と語っている。

業務用のサラウンド・サウンドプロセッサー(写真正方形の商品)は既にBtoBで展開をはじめている

PCに独自のサラウンド・サウンドプロセッサーをソフトウェアベースで組み込んだプロトタイプによるデモを実施した。様々な音源から生成できる自然なサラウンド効果を特徴としている

Lee氏によれば、台湾全体ではまだクラウドファウンディングを活用して、ベンチャー企業がオーディオ製品を開発した事例は少ないという。今後はKickstarterで出資を募る。Kicistarterを選んだ理由は「Indiegogoに比べて、オーディオのカテゴリーが確立していて、ユーザーも検索して面白いプロジェクトが見つけやすい構造になっているから」だと説明する。

「Xround」は今年6月に台北で開催されるPC関連の展示会「Computex」に出展が予定されている。またEmbrace Audio Labとしては、IFAのTechWatchのゾーンにブースを構える計画もある。IFAでは近年、ベンチャー系のハードメーカー、ソフトやサービスプロバイダーにもより積極的に出展を呼びかけている。IFAに肩を並べCESなど世界最大級のエレクトロニクスショーでもスタートアップの出展社が非常に元気だ。IFAを発信地として、欧州や世界各国のベンチャー企業が今後ますます注目を浴び、成長するきっかけが生まれるかもしれない。

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