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ISID、NICT、HTBの3者により

スマホ向けWi-Fi放送とワンセグを融合させたエリア限定放送の実証実験、さっぽろ雪まつりで実施

2013/02/14 ファイル・ウェブ編集部
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(株)電通国際情報サービス(ISID)、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)、北海道テレビ放送(株)(HTB)の3者は、スマートフォン向けWi-Fi利用放送技術とエリアワンセグ放送技術を融合したエリア限定放送の実証実験をさっぽろ雪まつり会場にて実施した。

本実験により、スマートフォン、タブレット端末、ワンセグ搭載端末など、様々なモバイル端末に幅広く対応し、かつ端末台数による影響を受けないエリア限定型放送が実現できることが実証された。これにより「新しい映像配信技術の優位性が確認された」としている。

今回の実験は、2月6日〜7日の2日間にわたり行われ、さっぽろ雪まつり大通り会場「雪のHTB広場」限定で、会場内のライブ中継や録画映像をWi-Fiを使って複数端末に同時配信(マルチキャスト)した。

スマホに向けてのWi-Fi利用放送ライブ配信

iOS、ワンセグ、Androidの各端末に同時配信

昨年行った実験ではAndroid端末のみを対象としていたが、今回はiOSにも対応し、iPhoneおよびiPadへの映像配信に成功。Android端末においては、昨年実施した映像・音声の配信に加えて、今回は字幕データ・テキスト・静止画等をデータ放送として配信することにも成功した。

さらに雪まつり会場では、HTBが総務省から取得した実験試験局免許を利用して、エリアワンセグ放送も合わせて実施。同一コンテンツをスマートフォンだけでなくワンセグ搭載端末にも同時配信することに今回初めて成功した。

またNICTテストベッド研究開発推進センター(東京都千代田区)にも、マルチキャスト技術を利用してさっぽろ雪まつり会場で配信したものと同一の映像やデータをJGN-Xを経由して同時に送信し、Wi-Fiを利用した放送を実施。このようなマルチデバイス、多地点対応のエリア限定放送は世界初の試みだという。

システム構成

なお配信コンテンツとしては、エリアワンセグの解像度に合わせた映像を、iOS端末、Android端末、ワンセグ搭載端末の3種類のデバイスに同時配信した他、スマートフォン向けには、より高い解像度の映像を配信する実験も行った。

今回開発したWi-Fiマルチキャストの技術はエリアワンセグ放送との併用が可能で、ワンセグ搭載端末からスマートフォンまで幅広いモバイル端末へのエリア限定型のサービス提供を可能にするもの。

マルチキャストによる映像配信は配信コストが端末数に依存しないため、大規模な高品質映像配信が実現できるという。これにより、これまでは一斉に映像配信をすることが難しかった、大勢の人が集まるイベント会場、スポーツ施設、ショッピングモールなどの特定のエリア内での活用が考えられる。また、将来的には災害時の防災放送への応用など、幅広い活用に向けて研究をしていく予定だとしている。

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