HOME > ニュース > NHKと民放キー局、スカイツリーからの放送波送信を来春開始

東京タワーから移転で受信環境が向上

NHKと民放キー局、スカイツリーからの放送波送信を来春開始

公開日 2012/11/22 17:44 ファイル・ウェブ編集部
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

なお、想定される障害は主に2種類で、まずひとつが、スカイツリーと自宅との間にビルなどの遮蔽物があることで、現在は東京タワーから問題なく受信できていても新たに受信できなくなるというケース。この場合、アンテナの向きを調整して別の建物に反射した放送波を受信するなどで対応可能。

TBS 社長室担当局長の井川泉氏

NHK 理事・技師長の久保田啓一氏

2点目が、東京タワーからの受信が弱く、現在ブースターなどを使っている場合。このケースでスカイツリーからの電波を問題なく受信できるようになると電波が強くなりすぎてしまって受信に影響が出るため、ブースターの調整などが必要になる。

なお、本件の対象になるのは関東圏でテレビ放送をアンテナ受信している世帯。関東地方のテレビ放送受信可能世帯は1,500万世帯で、そのうち7割程度がCATVや共同受信を利用していると言われているため、残り3割ほどの世帯が対象となる。また、すでにコンピューターによるシミュレーションを元にビル陰対策なども行っていること、関東圏という広域で見れば東京タワーもスカイツリーもほぼ同じ方向にあるということから「移設による影響はほぼ問題ないと見ている」というが、今後は個々の世帯ごとの状況の違いによって問題が発生する可能性もあり、それを把握するために試験放送を行うのだという。

また、詳細は後述するが、質疑応答では早朝に試験放送を行う点について「もっと多くの人が参加できる時間帯にするべきではないか」と批判的な質問も出た。これに対しては、6社が一斉に歩調を合わせて時間を取れる枠がないという編成上の理由が大きかったとし、「録画を行ってチェックするという方法もある。録画では7波すべてを確認できないが、1波だけでも問題ないことが確認できれば他の6波も大丈夫である可能性が高いので、録画チェックも試してみて欲しい」とした。

次ページほぼ問題は出ない?その根拠は?

前へ 1 2 3 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE