近未来車載ディスプレイや振動を直接体に伝えるスピーカーなど

【CEATEC】パイオニア、カーエレ新技術を多数参考出展 − ドコモと協業した“SmartCradle”も登場

ファイル・ウェブ編集部
2010年10月05日
昨年は出展しなかったパイオニアが、今年はCEATECに帰ってきた。先日の発表のとおり、「次のパイオニア」をテーマとし主にカーエレクトロニクス事業での新しい技術を意欲的に展示していた。

パイオニアブースの様子

■近未来車載ディスプレイ 「Network Vision HUD」

同社ブースで最も人を集めていたのは、近未来車載ディスプレイ 「Network Vision HUD」だ。「HUD」はHead Up Displayの略。RGBレーザーでスキャンした地図などの情報をコンバイナーで拡大表示する仕組みで、走行中の風景に、地図データなどを重ねて見ることができるというもの。2m先に60×20ピクセル程度のディスプレイが浮かぶイメージだ。スマートフォンのナビアプリなどとも、WiFiやBluetoothなどでの連携を考えているとのこと。説明員は「走行中にカーナビを確認しようとすると、一旦視線を前から外さないといけないが、Network Vision HUDなら運転しながら見ることができるのが利点」と説明していた。

Network Vision HUD

Network Vision HUDのデモの様子


Network Vision HUDの詳細

このように、目の前の風景に地図などの情報を重ねて見ることができる
今回展示されていたモデルの筐体は大きかったため、どのように車内に設置するのかと訊ねたところ、今回展示されたものはあくまでも参考機であり、今後ダッシュボードやサンバイザーにコンバイナーをつけるなど設置性の追求も行っていくと語っていた。

本機は2012年度中の製品化を予定。「最初はオプションとしての販売になると思う。大衆車にも載せられる価格で販売できれば」(同社説明員)とのことだ。

■体に直接振動を伝え迫力の音を再生する「Music EV」

また、ステージ上に車を用意して大々的にアピールしていたのが「Music EV」だ。こちらは電気自動車で音楽を楽しむことを考えて開発されたもので、車室内に専用チューニングを施すことに加え、座席シートにスピーカーと「体感音響」と呼ばれる装置を埋め込んでいるのが特徴。「体感音響」は100Hz以下の振動を体へダイレクトに伝えることで、より迫力ある音を楽しめるというものだ。これにより大きなウーファーやパワーアンプが必要なくなり、電力の消費も少なくすむという。

「Music EV」を搭載した車両も用意して技術を訴求

「Music EV」の詳細

また、可傾式シアターモニターも参考出展されている。フロントに設置された11V型のシアターモニターは可傾式で、視聴していないときは折りたためるため視界を遮ることがない(なお走行時は自動で収納される)。埋め込み式に比べ、サイズ制限がないため大きなディスプレイを設置できるのがメリットだという。

可傾式シアターモニターの詳細

こちらは開発段階であり、製品化は未定。同社説明員は「お客様の反応を見て検討したい」と話していた。

■スマートフォンを高精度カーナビにする“SmartCradle”

車載用GPSアンテナ・レシーバーと、位置情報処理のためのジャイロセンサー・加速度センサーなどを搭載したスマートクレードルも展示されていた。

こちらは本日発表された、「ドコモ ドライブネット」スマートフォン対応に向けたNTTドコモとの協業に向け開発されたもの。

クレードルとスマートフォン、専用アプリを組み合わせ精度の高い位置測定を行える

スマートクレイドルの特徴

クレードルとスマートフォン、パイオニアが開発した「ドコモ ドライブネット powered by カロッツェリア」を組み合わせて使用する。同社独自のスマートループ渋滞情報を通信で取得し、Bluetooth経由でスマートフォン内の同社アプリへ位置情報を送る仕組みで、渋滞情報の表示や、渋滞を考慮した質の高いルート探索が可能だという。またスマートフォンの縦置き/横置き両方に対応しており、画面の見やすさにも配慮されている。

なお「ドコモ ドライブネット powered by カロッツェリア」はAndroid向けに開発されたもので、iPhone向けアプリの開発予定はないとのことだ。

ナビ画面の詳細

クレードルは縦置き/横置き両方に対応

同社説明員は「スマートフォン向けナビアプリ単体よりも精度の高い位置測定を行えるのが特徴。地下でのナビゲーションもスムーズ。地図の表示範囲移動も、ボタンによるものではなくタッチ&スライドで移動ができ簡単だ。多くの人が馴染みのあるGoogleマップ的な使い勝手もできるようにしている」と語る。

また、設置の簡単さもアピールしていた。クレードルを吸盤でダッシュボードなどに取り付け、GPSセンサーを車と接続。電源はシガーソケットから供給するだけでOKだという。

設置の簡単さもアピール。クレードルは吸盤で設置する

本製品は来春発売予定で、価格は未定とのことだ。

■HVTスピーカーを使ったモックアップも多数登場

振動板の両サイドに配置したボイスコイルの水平方向の振動を、新開発の「リンク機構」を介して垂直方向の振動に変換することで、薄型・軽量化・迫力ある音再生を可能にする「HVT方式」の技術展示と、特徴を活かした製品のモックアップが多数登場していた(HVT方式の技術詳細についてはこちら)。


両面駆動無指向性でダブルモーター搭載の薄型スピーカーと、増設も可能な厚さ25mmの2ウェイスピーカーは以前行われた発表会でも披露されていたが、今回新たに登場したのはPCオーディオ向けスピーカーと、壁に掛けられるスピーカーだ。いずれもコンセプトモデルのため、製品の詳細はもちろん実際の発売があるかも明らかにされなかった。製品化に期待したいところだが、HVTスピーカーは東北パイオニア(株)が開発したものであるのに対しホームオーディオ製品を開発するのはパイオニア本社、という状況があるようだ。今後の動向に注目したい。

HVT方式を採用したPCオーディオ向けスピーカー

こちらもHVT方式を採用した壁掛けスピーカー

■その他、パイオニアブース内のユニークな展示

「“音”のある、気持ちいい暮らしの創造」をコンセプトにした住設オーディオACCOも登場していた。説明員によると、昨年12月の発売以来、ACCOがこういった場で展示されるのは初めてなのだという。今回は参考出展となるインウォールアンプのホワイトモデルも目にすることができた。音をインテリアにする、というACCOのコンセプトを考えると、ホワイトモデルの方がよりインテリアに馴染むのではないかと感じる。今後はカラーバリエーション追加のほか、インシーリングスピーカーのラインナップ増強などを予定しているという。

“ACCO”インウォールアンプのホワイトモデルが参考出展

昨年末から三菱化学と共同で開発をスタートした新規事業である有機EL照明は、蝶の翅のような展示をおこなってアピール。同社説明員は「有機EL照明は面発光であること、熱が出ないことなどが特徴。他社の有機EL照明は白色のみだが、今回展示しているものは白以外にピンクやオレンジ、ブルーなど色を出せるのが大きな特徴だ」と自信を見せていた。

蝶の翅のような展示をおこなって有機EL照明をアピール。白色以外の色も出せるのが特徴だという

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