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37GOPS/Wを実現

ルネサステクノロジや日立など、次世代テレビやレコーダー向けの高性能マルチコアLSIを開発

2010/02/08 ファイル・ウェブ編集部
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(株)ルネサス テクノロジと(株)日立製作所、早稲田大学、東京工業大学は、複数のCPUと特定用途向けプロセッサを搭載したヘテロジニアスマルチコアLSIを開発し、業界最高レベルとなる電力性能比37GOPS(Giga Operations Per Second)/Wを実現したと発表した。

4者が開発したヘテロジニアスマルチコアLSI

デジタルテレビやレコーダーをはじめとする情報家電製品では、多様なマルチメディア処理機能の搭載が必要となっている一方、低消費電力化、高性能化、安全性の向上などの要求も高まっている。これらの要求をクリアするため4者は、単一種類のプロセッサコアを集積するホモジニアスマルチコアに対し、1チップ上に特徴の異なる複数の種類のプロセッサコアを集積することで、2倍以上の電力性能比を実現できるヘテロジニアスマルチコアLSIに着目。今回の開発に至った。

今回開発したヘテロジニアスマルチコアLSIのクロック周波数は最大648MHz。処理性能は最大114.7GOPSとなる。消費電力は648MHz動作時に約3.07Wで、単位電力あたりの性能は37GOPS/W以上を実現した。

コアとして汎用の32ビットRISCマイコン「SuperH」のCPUコアである「SH-4A」を8個、動的再構成可能プロセッサのコア「Flexible Engine」を4個、マトリックス型超並列プロセッサの「MX-2」コアを2個搭載し、各コアの異なる特性に応じて処理を割り振ることで、高効率処理を実現できる。

例えば顔画像を検出する映像処理に適用した場合、、顔の検出を「MX-2」に、その動きの検出を「FE」に、顔データのデータベース検索を「SH-4A」に割り当てることで、高性能な処理を高速に実現できるという。加えて低消費電力化も図れるため、省エネ化にも貢献できるとしている。

加えて4者では、複数種別のコアへ処理を自動で割り当てるプログラム自動並列化技術、さらにこれらを効率よくデバッグするソフトウェア統合開発環境技術も開発。同LSI用ソフトウェアを開発する期間の短縮も図れる、と説明している。

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