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春のヘッドフォン祭2009

SHURE「SE115」まもなく発表/Westone「UM3X」やカスタムイヤーチップを初披露

2009/05/09 Phile-web編集部
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(株)フジヤエービック主催のヘッドホンイベント「春のヘッドフォン祭2009」が、本日5月9日(土)、東京・中野サンプラザ15Fで開催された。

会場の様子

昨年秋には「秋のヘッドフォン祭2008」が開催され、Phile-webでもイベントレポートを掲載(関連ニュース)。すでにヘッドホン関連の注目イベントとして定着した。本日は11時の開場直後から多くの来場者で賑わい、出展メーカーも「前回より来場者が増えた」と口を揃える。またゼンハイザー「HD800」、Klipsch「Image S4」をはじめ、KOSS/beyerdynamicも大量の新製品を参考出品するなど、本イベントで初めて披露された製品も多い。いくつかの項に分けてこのイベントの展示内容を紹介していこう。

■ヒビノインターサウンド

ヒビノインターサウンドは、同社が販売を手がけるSHUREのイヤホン“SEシリーズ”全ラインナップを展示。ダイナミック型ドライバーを搭載するエントリーモデル「SE102」から、バランスド・アーマチュア型ドライバーを3基搭載するハイエンドモデル「SE530」まで、全機種を実際に試聴することができた。

SHURE SEシリーズが勢揃いした

来場者の注目を浴びていたのは、今年1月のInternational CESで発表された(関連ニュース)SEシリーズの新モデル「SE115」の告知。「COMIN'UP NEXT!」と書かれ、特徴を表記したPOPが置かれていただけだが、新開発の次世代ダイナミック型ドライバーを搭載し、「RockやPOP、HIP HOPなどのビートの効いた音楽に最適」な音質であること、上位機種と同等の高い遮音性能を備えていること、ブルー×ブラック、レッド×ブラック、ピンク×ブラック、ブラックの4色が用意されることなどが紹介されていた。同社説明員によると「発表は間近」とのこと。続報に期待して欲しい。

期待の新製品「SE115」はPOP展示のみ

■ミックスウェーブ

ミックスウェーブは、昨日発表したばかりのWestoneのカナル型イヤホン「UM3X」(関連ニュース)を出展。搭載するユニットはバランスド・アーマチュア・ドライバー×3基。3ウェイのパッシブ型クロスオーバーネットワークも内蔵する。そのほかUM1、UM2も展示したほか、ハイファイ志向の「Westone3」(関連ニュース)も出展。Westone製品の音の違いを聴き比べることができた。

ミックスウェーブはWestoneの主要ラインナップを展示

発表されたばかりのUM3Xも音を確かめることができた

また、カナル型イヤホン用のカスタムイヤーチップ「UM56」も紹介。耳型(インプレッション)を作成し、それに合わせて作る完全オーダーメード型のイヤーチップなので、抜群の装着感を得ることができる。価格は3〜4万円程度。カラーも豊富で、ベージュ、ライトブラウン、ミディアムブラウン、ダークブラウン、ネオングリーン、ネオンオレンジ、ネオンイエロー、ネオンピンクなどが揃う。WestoneのUMシリーズ、Westone3、SHUREのEシリーズなどに使用することができる。なお今回のイベントでは、耳鼻咽喉科の医師を招き、耳型作成の実演デモも行われた。

自分の耳型に合わせて制作するカスタムイヤーチップ「UM56」

■デノン

デノンはすでに発売済みのオーバーヘッド型ヘッドホンを中心に展示。12万円を超えるハイエンド機「AH-D7000」をはじめ、AH-D5000/2000/1000も展示し、それぞれ実際に音を聴くことができた。プレーヤーには同社の「DCD-SX」を使用し、SACDを再生。それをCECのヘッドホンアンプ「HD53N」にキンバーケーブルのバランスケーブルで接続し、デモを行っていた。同社説明員は「AH-D7000が非常に売れており、入ってもすぐに売り切れる状態」と好調ぶりをアピールしていた。

オーバーヘッド型のヘッドホンを展示。AH-D7000は高額ながら好調とのこと

プレーヤーには同社のDCD-SXが使用された

■フォーカルポイントコンピュータ

フォーカルポイントコンピュータは、同社が輸入販売を手がけるv-modaの「v-moda vibe II」をメインに展示。4月に発売されたばかりの新製品で、直販サイト価格は13,800円(税込)。

高いデザイン性を誇る「v-moda vibe II」

同ブランドの製品ならではの高いデザインに加え、ネオジウムマグネットを採用したドライバーや、取り回しのしやすいファブリックケーブルなども特徴。またケーブルのY時分岐部には簡易コントロールボタンやマイクなどを内蔵し、イヤホンを装着したまま通話に切り替えたり、楽曲の再生/一時停止/スキップなどの操作が行える。

v-modaではこのほか「v-moda vibe v2」「v-moda vibe duo」の展示も行われていた。

「v-moda vibe v2」「v-moda vibe duo」も音を聴くことができた

そのほか、SLEEK AUDIOの「SA6」も展示。本機はトレブルチップとバスポートを交換することにより、9通りの組み合わせで音質を
調整することができるユニークな製品だ。価格は35,800円。

SLEEK AUDIOの「SA6」

■iZO

今回が初参加となるiZOは、同社製品を縦に並べて展示。サイズが同同一であることによる取り回しの良さ、見た目の美しさが一目で理解できた。

iZOの製品群。上からC「iDAC-1」「iHA-1」「iPSU-1」「iDA-1」

DAC「iDAC-1」、ヘッドホンアンプ「iHA-1」、パワーサプライ「iPSU-1」を使い、PC内のWAVEファイルを再生していた。また今回はスピーカーがないためデモは行われていなかったが、プリメインアンプ「iDA-1」も展示されていた。

■東京サウンド

真空管プリメインアンプ「Valbe 100SE」「Valbe 300」などでおなじみの東京サウンドは、ヘッドホン専用真空管アンプ「ValveX SE」を展示。通常品はゴールドパネルだが、台数限定のシルバーパネル仕様モデルも置かれていた。

「ValveX SE」は双三極真空管12AU7プッシュプル方式で、微少出力時のS/Nを向上させた。入力はRCAアナログ1系統だが、スルーアウト出力端子も備え、プレーヤーとアンプのあいだに接続することができる。また、ヘッドホン端子は前面に標準ジャック、背面にミニジャックの2系統を装備し、同時に聴くことも可能となっている。価格は73,500円(税込)。

ヘッドホン専用真空管アンプ「ValveX SE」。左が通常モデル、右が限定のシルバーパネルモデル

背面にもミニジャックのヘッドホン出力端子を装備する

■フックアップ

フックアップは、Benchmark Media Systemsの“DAC1シリーズ”をメインに展示。同シリーズは価格が下の方から「DAC1」「DAC1 USB」「DAC1 PRE」がラインナップされるが、今回、DAC1 PREにリモコンを加えた「DAC1 HDR」の発売開始がアナウンスされた。日本入荷は夏頃になる見込みで、価格は30万円前後になる予定。

Benchmark Media Systemsの「DAC1」

新たに「DAC1 HDR」が発売される

今回の同社のデモは、MAGIX社の音声編集ソフト「Sequoia」で音源を再生し、USBでECHO社の「AUDIOFIRE2」に入力。そこから出力したデジタル音声をDAC1に入力し、再生を行っていた。

フックアップの再生デモの様子

■山陽化成

山陽化成は、4月に発売を開始したばかりのバランス型ポータブルヘッドホンアンプ“bd impact”「BDI-DP1」を展示。バランスケーブルに改造したヘッドホンも用意し、その音質を体感することができた。BDI-DP1は単4電池3本で駆動し、12〜20時間程度の連続再生が可能。ゲインは4段階で24dBまで調整できる。本体質量は約150g。

バランス型ポータブルヘッドホンアンプ“bd impact”「BDI-DP1」

ヘッドホンとの接続例

そのほか同社は、高周波フィルターを装備し、独自開発の「コバルトX1000」メッキを施したアクセサリーケーブル“ブレンドチューン”シリーズも紹介。片側がiPodのドック端子のもの、ステレオミニのものなど数種類を展示していた。さらに、同社にオーダーすれば様々なタイプの製作に対応できるという。

アクセサリーケーブル“ブレンドチューン”シリーズ

■エントリージャパン

低反発ポリウレタンチップ「Comply」(コンプライ)の輸入販売を手がけるエントリージャパンは、まだ国内での正規販売が行われていないイヤーチップの新モデルを展示。一つはカラーバリエーションモデルで、従来のプラチナカラーのほか、赤/青/黒の計4色を用意。「左右のイヤーチップを別の色にすると見分けがつきやすい」(同社説明員)という。

エントリージャパンの展示

カラフルなイヤーチップは4色展開

また、イヤーチップ中央の穴にメッシュ素材を埋め込み、耳あか汚れを防止する「TXタイプ」も展示。本シリーズもプラチナと黒の2色が用意される。さらに、通常のComplyに比べ格段に周囲の音が聞こえやすいスポンジタイプの「Aタイプ」も置かれていた。これらの新モデルの国内発売時期はまだ未定とのことだが、いずれも魅力的なアクセサリーだけに、早期の販売開始を期待したい。

中央の穴にメッシュフィルターを付け、耳あかヨゴレを防止

■セカンドスタッフ

プロ用オーディオ機器で有名な同社は、BLOSSOMという新ブランドの展開を開始する。第一弾製品として「オーディオファイル向け」のバランス型ヘッドホンアンプを7月に発売する予定。

BLOSSOMブランドのバランス型ヘッドホンアンプ試作機

同社ブースに置かれていたのは、外観などが仕上がっていない試作機で、完成品は木製パネルが奢られるオーディオ機器ライクなルックスになる。音質は「色づけを抑えた、押しつけがましくない音が特徴」(同社説明員)とのこと。価格については「何とか10万円を切る程度に抑えたい」という。

さらに同社は、展開をはじめたばかりの電源アクセサリーブランド「GOURD」も紹介。電源タップ「GAMT-200/400」を展示していた。国内の老舗オーディオ電材メーカーが製造を手がける本ブランドの製品も「透明で色づけのない音」(同)が特徴という。安価な価格で高い性能を実現したと同社が胸を張る新ブランド、今後の展開が楽しみだ。

GOURDの電源タップ

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