“BDレコーダー内蔵AQUOS”にHDDを積まない理由 − シャープ発表会詳報

2008年10月15日
シャープ(株)は本日、Blu-rayディスクレコーダーを内蔵した液晶テレビ“AQUOS”DXシリーズを発表した。26V型から52V型まで3色の計16機種で展開する(製品の詳細はこちら)。本項では発表会の詳細をお伝えする。


DXシリーズ

DXシリーズのラインナップ一覧
本日の発表会では同社代表取締役社長 兼 COOの片山幹雄氏が登壇し、DXシリーズの企画意図や販売戦略について説明を行った。


シャープ(株)代表取締役社長 兼 COO 片山幹雄氏
DXシリーズでは液晶テレビ AQUOSの液晶パネルと液晶モジュール、そしてAQUOS ブルーレイのハイパワーレーザー、BDピックアップ/ドライブといった自社開発のデバイスを融合する“Wスパイラル戦略"で製品力を高めたという。開発の背景には、BDソフトの販売数増加と、3年後に迫ったアナログ放送の停波によりハイビジョン映像が一般層にも普及してきたという環境の変化がある。

同社はこの年末までに発売されるBDソフトのタイトル数を、国内は640タイトル、海外は1,200タイトルと予測。片山氏は「BDソフトの普及に伴いBDレコーダーの需要も拡大し、2012年には全世界で3,000万台規模になると考えている」と見解を述べた。

また2011年のアナログ放送停波に向けて地デジ対応テレビが浸透しつつある一方、ハイビジョン対応の薄型テレビ普及率は43.9%にとどまっている(08年3月末)。同社はそのうちビデオデッキを使用している世帯は約1,640万世帯と予測し、「ビデオデッキなどテープに撮ってそのまま観ることができるというアナログのシンプルさが支持されているのだと考えた。簡単にハイビジョン映像を楽しめる本シリーズでビデオデッキを使用していたユーザーの買い換えや2台目需要を狙っていく」と述べた。


シャープが提案するアナログテレビ+VHSからDXシリーズへの乗り換え
■HDDの搭載は「考えていない」

DXシリーズのキャッチコピーは「高画質」「カンタン」「楽しく操作」。37V型以上はフルHD液晶パネルを採用し、テレビコントラストは15,000対1を実現するなど高画質化を図ると共に使いやすさにこだわった設計とした。BDレコーダーをテレビ本体に内蔵することにより、リモコンのボタン1つでハイビジョン番組の視聴や録画からBDソフトの再生までに対応する。一体型で配線も少なくて済むことから設置性も向上させている。


配線もスッキリさせた

省エネも強化
なお発表会終了後の質疑応答でBDレコーダー内蔵モデルにHDDを搭載する可能性について質問が及ぶと同社担当者は「BDメディアは手に入りやすい価格まで落ちてきており、さらに50GBの2層メディアであれば約20時間もの長時間録画が行える」と利便性を強調。「その利点を利用し、使いやすいモデルを開発するというのがBDレコーダー内蔵モデルのコンセプト。HDD搭載は考えていない」と回答。同様にハイエンドモデルにBDレコーダーを内蔵する予定もないという。

さらにDXシリーズは、52V型フルハイビジョンモデルの予想実売価格は50万円前後、46V型で45万円前後とそのコストパフォーマンスの高さも特筆すべき点だ。同社によると技術努力によって内部の部品のコストダウンを図り“1+1=1"の価格に近づけるよう努力してきたのだという。片山氏は「AQUOSといえばBDレコーダーがついていると思われるくらい力を入れて展開していく」と述べ、本製品をもって年末商戦を乗り切る構えを示した。


主な質疑応答は下記の通り。

Q:国内市場、海外市場の見通しは?

A:株価が変動しその影響は受けると予測している。現在は具体的な話ができる状況ではないが、テレビメーカー各社は相当なコストパフォーマンス力が必要だろう。当社はBDレコーダー内蔵AQUOSという新機軸を打ち出し他社との差別化を図っていく。国内市場においては9月末から10月にかけての伸び率をみても堅調。中国も好調だ。欧米は全体的に厳しい。

Q:既存のBDレコーダーとの棲み分け、また他社のHDD内蔵薄型テレビとの差別化をどう考えるか。

A:本機は簡単に誰でも使用できる点が特徴の製品。AQUOSブルーレイとの棲み分けはできている。またAQUOSブルーレイと液晶テレビAQUOSを一体化させたテレビであり、他社のHDD内蔵テレビとの差別化は図れている。価格競争に巻き込まれない製品だと考えている。

(Phile-web編集部)

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