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日本TI、低消費電力な新プロセッサー群を発表 − アナログ事業の強化も宣言

公開日 2008/07/29 15:22
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日本テキサス・インスツルメンツ(株)は、低消費電力と高性能の両立を実現したプロセッサー新製品を開発し、本日記者発表会を開催した。


日本テキサス・インスツルメンツ(株)田口倫彰氏
都内で行われた記者発表会には、同社執行役員営業・技術本部 ビジネス・デベロップメント部長の田口倫彰氏が出席した。はじめに田口氏から、TI社の事業戦略に関する概略が紹介された。

TI社は同社の主力ビジネスであるDSP事業とアナログ事業を軸に、2007年には138億ドルの売り上げを記録した。現在はDSPとマイクロコントローラーを含む組み込みプロセッシングの分野と、汎用向け・特定用途向け双方のアナログ分野に注力し、ワールドワイドにビジネスを展開している。同社は組み込みプロセッシングの市場について、年成長率15%の規模を見込んでおり、2003年から07年までの間にTI社として年間22%の成長率を遂げているという。「今後は汎用向け製品や、通信インフラ、車載用DSP、およびマイクロコントローラーの各分野に注力していく」と田口氏は説明。またアナログの市場規模についても、同社としては今後の規模拡大を予測しており、田口氏は「特に電源ICの市場が速いスピードで伸びているが、これはまさにTIの事業戦略に合致している」とし、TIの戦略が市場のニーズを的確に捉えていることを強調した。


TIの組み込みプロセッシング売り上げ推移(右グラフ)
続いて同社のアナログ分野における開発体制について触れた田口氏は、「幅広いラインナップと安定した供給体制がとれる他にも、汎用向けから特定向け製品へ、あるいは特定向けから汎用向け製品へ柔軟な開発体制をとれることがTIの強み」とし、今後は生産キャパシティを拡大し、日本、ドイツ、アメリカの各拠点で生産体制の強化が検討されていることも明らかにした。またアナログ・パッケージのサポート体制についても、フィリピンに組み立て・テストを行う総面積77,000平方メートルにおよぶ大規模な新工場が建設されることも紹介した。


アナログ製品の市場規模を示したグラフ

アナログ生産キャパシティの拡大を宣言

フィリピン、クラークに組み立て・テストの新工場を建設
同社の低消費電力性能に優れた新しいプロセッサ製品の紹介は、営業・技術本部 ビジネス・デベロップメント カタログプロセッサ&コントローラ グループマネージャの正田博之氏が行った。


日本テキサス・インスツルメンツ(株)正田博之氏
今回同社からは15品種の低消費電力に特化したプロセッサ新製品からなる、4つの製品群についてのロードマップが公開された。これらの製品群について正田氏は「今後12ヶ月間で順次提供して行く予定。中には既存のC67x浮動小数点DSPと比較して3分の1の消費電力を実現した“C674x”や、C55x固定少数点DSPとの比較で2分の1の消費電力を実現した“C550x”などが含まれている」と語る。“C674x”シリーズのメリットについては、高性能の演算を必要とするアプリケーションに、初めてポータビリティを導入できるようになると説明されている。また“C550x”シリーズについても、ポータブルオーディオ機器などに用いることで、さらに長時間におよぶバッテリー駆動時間と優れたコストパフォーマンスが実現できるとしている。


4つの製品群の紹介
製品供給については、08年の第4四半期が予定されている“C674x”シリーズより順次開始される。“C674x”シリーズのサポートソフトウェア、ならびにツールのサンプル出荷は同時期より開始され、100個受注時の単価は製品により異なるが、9ドル以下からの提供が予定されている。

(Phile-web編集部)


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