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<大橋伸太郎のCEDIAレポート>モンスターケーブルの売り物はケーブルだけじゃない

公開日 2007/09/08 10:58
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CEDIA EXPOの展示公開日は6日だが、CEDIA主催のエデュケーション(カスタムインストーラーの技能教育、要するにホームネットワークの配線教習とか)や基調講演、各種セミナー、出展各社のプレス発表会は前日の5日から始まっている。

メイン会場のコロラドコンベンションセンター内のプレスカンファレンスルームはこの日、記者発表会が午前中から目白押し、それが大手AVメーカーでなく、インウォールスピーカーやケーブルメーカーであるのがいかにもCEDIA EXPOらしい。


プレスカンファレンスルームの壇上に奇怪な電動二輪車「セグウェイ」で登場したノエル・リー。茶目っ気のあるCEOだ
この日の午後2時から始まったのがモンスターケーブルの新製品内覧会。ミュージシャン兼エンジニアであった中国系アメリカ人のノエル・リーが創業したケーブル専業(?)メーカーで、日本ではオンキヨーが総代理店であることはご承知の通り。御大のリーCEOがセグウェイを操ってカンファレンスルームのスロープをユルユル登り、壇上に登場。相当にこのセグウェイがお気に召しているらしく、前後に、左右に、時には回転を交えたりしてせわしなく動きながらニコニコとスピーチを続けるのに唖然。なかなか茶目っ気のあるCEOではないか。

リー氏は、まずモンスターケーブルが全米のCI〜カスタムインスタレーション業界と共に在る会社であることを力説、そしてこの日の主題は「有望なHDMI市場の今後と、いかにしてエンドユーザーにその品質さに目を向けさせるか」ということだった。

モンスターの新製品HDMIはスタンダードMC500HD/U3V500HD(2.23Gbps)、ハイスピードMC700HD/U3V500Hd(4.95Gbps)、アドバンスドハイスピードM650HD/MC800HD/U3V850HD(6.68Gbps)、ウルトラハイスピードM850HD/MC1000HD/U3V1000HD(16.2Gbps)、アルティメットハイスピードM1000HD(19.93Gbps)にヒエラルヒーが分かれて販売されるという陣容だ。

それだけではない。ホームシアター用クリーン電源サプライProPowerシリーズ、電圧安定装置AVS2000、クリーン電源内蔵カスタム用電源ユニットをところ狭しと壇上に並べ、次にケーブルを一まとめにするジャケット“Cable-IT”の実演、そして薄型テレビの壁掛けユニット、ルートロン真っ青のホームシアター照明コントロール用リモコンとキーパッド“IlluminEssence”、最後にMoxiデジタルメディアレコーダーの開発会社Digeo社との業務提携発表と出るわ出るわ、息継ぐ暇もない盛り沢山さ。モンスターケーブルはケーブルの専門ブランドという日本の常識をひっくり返すアグレッシブで熱気に満ちた一時間だった。

(大橋伸太郎)

筆者プロフィール
1956年神奈川県鎌倉市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。フジサンケイグループにて美術書、児童書を企画編集後、 (株)音元出版に入社、1990年『AV REVIEW』編集長、1998年にはホームシアター専門誌『ホームシアターファイル』を刊行した。2006年に評論家に転身。西洋美術、クラシックからロック、ジャズにいたる音楽、近・現代文学、高校時代からの趣味であるオーディオといった多分野にわたる知識を生かした評論活動を行っている。

[CEDIA2007REPORT]

[写真キャプション]
プレスカンファレンスルームの壇上に奇怪な電動二輪車「セグウェイ」で登場したノエル・リー。茶目っ気のあるCEOだ

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