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ソニーのマルチエンターテインメント機器「ビットプレイ」ファーストインプレッション

公開日 2001/09/18 16:14
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<左>bitplayはコンパクト。本体上部に操作ボタンが配置されている <右>発表を行うソニー(株)ホームオーディオカンパニー プレジデント 山本喜則氏。ロゴマークは三つ葉のクローバー
●9月17日にソニーマーケティング(株)より発表された“bitplay”「DMT-PR1」は、オーディオ/ビジュアル/インターネットを統合したマルチエンターテインメント機器。本日、渋谷Q-FRONTにてプレス向けの発表会が行われ、実機に触ることができたので、ファーストインプレッションをお届けしよう。なお、本機の概要については下記リンクを参照して頂きたい。

まず、9月17日のニュースで書き漏らした事項をいくつか紹介する。

気になる実売価格は、20万円台後半とのこと。DVD/CD、MD、TV/FM、メモリースティック、40GBハードディスク、15インチXGAディスプレイ、デジタルアンプ、3ウェイ5スピーカー、おまけにキーボードやイーサネット端子までが内蔵されていることを考えれば、この価格には十分納得がいく。高性能パソコンと同程度の価格に抑えられているのは嬉しい。

搭載されているハードディスクは40GBのもので、しっかりと静音設計が施されている。せっかくの高音質スピーカーの邪魔になることはなさそうだ。ハードディスクの交換、およびUSB/i.Link端子を通しての増設は基本的にできないとのことだが、同社のハードディスクレコーダー“clip-on”ではユーザーによるハードディスクの増設は可能(ただし自己責任となる)であることを考えれば、将来的に何らかのアナウンスがある可能性もありそうだ。

i.Link端子の用途については、将来的な機能拡張とのみ説明し、現段階で発表されているものはない。i.Link端子からのDV映像取り込みについても、将来的な検討事項だが、発売時には不可とのこと。

MDドライブ部のNetMD対応については、発売時には対応していないが、機能拡張により対応させる予定だ。

これらの機能拡張は、オンラインまたはCD-ROMによってデータが配布され、データ容量によってその都度対応方法を検討する。

SACDやDVDオーディオの再生は行えず、ソフトウェアアップデートにより再生を実現する可能性もなさそうだ。

実機を近くで眺めると、予想以上にコンパクトなことに驚く。特に本体部分は巧みなデザイン処理によって厚みを感じさせず、スッキリとまとめられている。本体とスピーカーの材質にはアルミが使用され、軽く叩いてみると剛性が高いことが実感できた。

同社が力を入れたというメニュー画面のGUIは、華やかで楽しいデザイン。背景の模様はアニメーション化されており、目障りでない程度に動くのもAV機器らしくなく、新しいカテゴリーのハードであることをうまく演出しているという印象。動作はキビキビとしており、ストレスを感じさせないのも好ましい。ただし、使われているアイコンやフォントの形状が女性的すぎるのでは、という意見も少数ながら聞かれた。また、リモコンにもアルミが用いられ、シンプルながらもボタンレイアウトは機能的にまとめられている。同社が啓蒙する「クルクルピッ」のジョグダイヤルは装備されていない。

15インチXGA(1024×768)のTFT液晶モニターは、上下左右ともにかなり視野角が広く、かなり横から眺めても視聴に耐える。DVDを再生すると、横幅いっぱいに拡大されるが、精細度は申し分なし。暗部ではごく目立たない程度にノイズが出るが、逆にそれがフィルムらしい印象さえ感じさせる。モニターは上下の角度を調節でき、さまざまな視聴スタイルに対応できそうだ。

同社では音質の良さも強くアピールしている。CDを試聴してみると、同社独自のS-Masterデジタルアンプによる音は、クリアで抜けがよいといった印象。フルデジタル音声信号処理の優位さを実感することができた。オーディオファンがメインシステムとして使うのは少し厳しいものがあるが、リビングなどに置くセカンドシステムとしてならば、じゅうぶん実用に耐えるだろう。

ハードディスクからメモリースティックへのチェックアウトはかなり高速。1曲あたり数秒でメモリースティックに音楽データを移すことができ、たとえば出勤や通学の前にも、焦ることなく音楽を持ち出せそうだ。(Phile-web編集部)

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