ケンウッド、DVD搭載ミニコンを発売。新市場創造をめざす

左：「VA-5DVD-S」（シルバー）　右：「VA-6DVD」

●株式会社ケンウッドは、DVDとMDをワンボディに搭載し、MP3再生にも対応したマイクロコンポ「Digital Avino」シリーズを8月下旬より発売する旨を、本日、同社にて開催された発表会にて明らかにした。

「Digital Avino」シリーズは、システムステレオのメインターゲットであるマジョリティ層に向けDVDをアピールする、つまり、DVDを大衆化させることへの起爆剤としてケンウッドが提案する製品である。

米国に比べ、DVDの普及率が低い日本。その要因を「DVDを5.1chで訴求しすぎているから」「DVDを映画で訴求しすぎているから」とケンウッドは考えている。DVDの本格的普及には、大衆層の動向が大きく左右する。しかし、大衆にとって現実に6本のスピーカーを部屋にセッティングすることは非常に困難であり、DVDのよさは5.1chシステムでないと生かせないと大衆が信じる限り、その普及もまたたいへん困難である。

そこでケンウッドでは、従来からの2chシステムステレオにDVDを搭載することにより、より手軽なDVDの楽しみ方を提案、システムステレオのメインターゲットであるマジョリティ層の購買意欲を喚起しようと考えた。一方、DVDを楽しむソフトとしては、映画ではなく、システムステレオのメインターゲットのし好とも一致するJ-POPのミュージッククリップをキーソースと考えているものである。

国内での出荷台数300万の規模をもつセットステレオ市場でのリーディングメーカーであるケンウッドは、CDをセットステレオに、MDをセットステレオに、それぞれのポイントポイントで搭載することにより、同社の地位を今日まで築き上げた。今回、同社のセットステレオ主力製品である「Avino」シリーズをもって、初めてセットステレオにDVDを搭載することにより、新たな市場の創造と、セットステレオの低価格化への歯止めを期す。

今回発売となる新製品は、2chのシステム「VA-5DVD-L」（ブルー）、「VA-5DVD-S」（シルバー）、加えてケンウッドより今春発売された360度どこでも同じ定位のステレオ再生が楽しめる“ユニラウンド・スピーカー”を採用したシステム「VA-6DVD」の3機種。さらに、オプションとして「VA-5DVD-L」、「VA-5DVD-S」と同様のデザインによるチューナー内蔵の5.6インチTFT液晶TV「KVX-5T-L」（ブルー）、「KVX-5T-S」（シルバー）（※各8月下旬発売、オープン価格、予想市場価格は\40,000）を発売し、ステレオシステム＋モニターの形でDVDミュージッククリップの楽しみ方を訴求するものである。

常に提案型の製品でオーディオ市場をリードしてきたケンウッド。さまざまな状況の中で満を持して発表されたこの製品の動向は、同社にとって今年度後半の起爆剤となるかどうか。そういった意味でも、期待かつ注目度の高い新製品である。（Phile-web編集部）