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<山本敦のAV進化論 第178回>

“世界最軽量”をあえて捨てたノートPC「LAVIE Pro Mobile」がビジネスマンに受けるワケ

公開日 2019/07/22 06:30 山本 敦
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専用のユーザーインターフェースは「ラヴィ簡単設定」のメニュー内にある。筆者もその実力を体験してみたが、声の輪郭が明瞭になり、底力がぐんと高まる手応えがあった。画面のトップに配置したステレオマイクが話者の声をクリアに拾ってくれる。本機の場合は4人前後のミーティングを想定して使いやすく機能がチューニングされているのだという。

ヤマハ製のオーディオエンジンを採用し、ビジネスシーンに役立つ「ミーティングモード」など実装する

これまでにもNECとヤマハは様々なサウンド関係のソリューションで連携してきたが、ビジネス用途を主眼とした “音もの” 機能を実現した機会はこれが初めてになるという。永井氏らNECの側からヤマハに対してビジネスツールとして役に立つサウンド機能をリクエストして、ヤマハがこれをカスタマイズして実現した格好だ。永井氏の説明によると、内蔵スピーカーのサイズに制約を受けることなく実装できる機能なので、今後スタンダードモデルを含むNECの様々なノートPCに応用できる可能性がありそうだ。

明るいディスプレイ、オプション選択可能なLTE対応など盛りだくさん

LAVIE Pro Mobileでは従来のLAVIE Hybrid ZEROよりも画面の輝度を約1.5倍ほど明るくして、ディスプレイの視認性も高めている。永井氏は、ディスプレイについても「世界最軽量」に対するこだわりを捨てたことで、バックライトにも軽さだけでなく「明るさ」とバランスの取れたモジュールが選択できたのだと話している。

筆者がLAVIE Pro Mobileに惹かれている理由はほかにもある。例えば、NECのLAVIEダイレクトショップからはLTE対応をオプションとして選択できる。最近はフリーWi-Fiを提供するショップや公共施設も多くあるが、公衆Wi-FiサービスやポケットWi-Fiを使わなくても、ノートPCにSIMカードを装着しておけば、場所を選ぶことなく仕事にインターネットが活用できてとても便利だ。ビジネスマンにとっての生産性も飛躍的に高めてくれるだろう。

一方では内蔵SDカードスロットがフルサイズのSDカードではなくmicroSDカードに照準を合わせて搭載されている点に納得できなかった。なぜならデジタル一眼レフカメラなど、プロフェッショナルが仕事に使うデジタルカメラを想定した場合、多くのカメラがストレージとしてフルサイズのSDカードを採用しているからだ。

永井氏は「microSDカードスロットはPCに内蔵するストレージの “セカンドストレージ” としての機能性を意識して載せたもの」なのだと説いている。そしてデジタルカメラなど外部機器からデータを取り込む場合は別途メディアリーダーなどを使ってほしいと述べている。また、MacBookのようにSDカードスロットの搭載自体をやめる動きもあることから、NECではスロットを省くことも議論に上がったという。その結果、セカンドストレージを求めるユーザーのニーズまだ強くあるという理由からmicroSDカードスロットを採用したそうだ。

筆者は普段からノートPCをデジタルカメラと一緒に持ち歩きながら使うことが多いため、SDカードをダイレクトに挿入できるスロットを搭載するPCが欲しいと思う。ただ、一方でポータブルオーディオの世界では外部ストレージメディアにmicroSDカードが広く普及しているので、PCでハイレゾ音源をダウンロードして、microSDカードに直接コピーしてハイレゾDAPなどとファイルのやり取りができれば、これが便利なこともまたよくわかる。使い慣れてくればほかにも多くのメリットが見えてくるのかもしれない。

国内ではビジネスパーソンの「働き方改革」が推進される中で、LAVIEシリーズの新しいノートPCはクオリティ重視のワークスタイルをあらゆる場所で実現する心強いパートナーになってくれるだろう。

(山本 敦)

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