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[ PR ] IER-M9/M7、MDR-Z7M2関係者インタビュー PART 2

すべてを見直したソニーのプレミアムヘッドホン「MDR-Z7M2」。その開発秘話と音質傾向に迫る!

公開日 2018/11/02 06:00 インタビュー:野村ケンジ
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飽くなき挑戦を続けるソニーの新たな到達点。いま絶対に聴くべきプレミアムモデル、IER-M9/M7、MDR-Z7M2誕生の秘密に迫る。(PART1 IER-M9/M7編はコチラ


耳を覆えるほどの大きなサイズ、70o口径のドライバーを採用。自然の音に近い状態、平面波で音を感じられるプレミアムな体験をもたらす密閉型ヘッドホン「MDR-Z7」。その設計コンセプトを忠実に引き継ぎながら、フラグシップ「MDR-Z1R」の開発で得られた知見を生かして、およそ4年ぶりに、第2世代へと進化した。果たして、どれほどのグレードアップが図られたのだろうか?

■すべてに見直しをかけた新しいプレミアムモデル

野村 実際に「MDR-Z7M2」に触れてみて、マーク2と呼べないほど、全面的なブラッシュアップだと感じました。

潮見 たしかに、実は「MDR-Z7」と同じパーツはほとんどありません(笑)。

ソニービデオ&サウンドプロダクツ株式会社 V&S事業部 商品設計部門 アコースティックエンジニア 潮見俊輔氏

野村 まず、心臓部のドライバーが大きく進化していますね。

潮見 大口径70mm振動板を採用することで、平面波で音を耳にまで届け、“空気感”まで再現するという設計コンセプトは変わっていません。しかし中身は、フラグシップ「MDR-Z1R」で培ったノウハウを生かして大幅にブラッシュアップされています。たとえば振動板は、ドームの大型化や形状の最適化、エッジ部のリブの入れ方なども含め、より理想的な音響特性を実現すべく、本機のために専用設計されたものになっています。

MDR-Z7M2ドライバー構造図

野村 象徴的な「フィボナッチパターングリル」からも、フラグシップの系譜を色濃く感じます。

潮見 開口部を均等にできると同時に、桟を細くできるため、空気の伝播を阻害しないメリットがあります。高音域のなめらかな表現、とくに音の艶やかさの向上に寄与します。聴感上だけではなく、測定でも効果が明らかです。

野村 マグネットを約2倍の大きさにすることで、駆動力もアップさせていますね。

潮見 ワンランク上の中高域の解像感を表現するために、不可欠な変更ポイントでした。しかし、そうすると全体の重量が大きくなり、装着性にも影響してきます。そのために、改めて全パーツレベルで構造から見直しをかけました。たとえば、ヘッドバンド部の形状を変更したり、アームのスライダーをより細身のメタルパーツにするなど、軽快な装着性を維持しながら強度を高めるべく、細部にまで工夫を凝らしました。

野村 たしかに装着性はとてもよくなりましたね。イヤーパッドも変わりましたか?

潮見 はい、肌に触れる部分は合皮に特殊な加工を施した、より吸放湿性の高い素材に変更しました。長時間のリスニングも快適です。イヤーパッドが内側に倒れこむことで高い遮音性を実現する「エンフォールディングストラクチャー」の構造も少し見直し、より効果を感じやすくなりました。

野村 装着したときの静けさからして、大きな進化を感じますね。

より快適に長時間リスニングできるように、イヤーパッドの素材やヘッドバンドの形状を見直すなど、装着性に関してもブラッシュアップ。バランス接続ケーブルを同梱したのも新たなトピックだ

■中高域の解像感の高さ。ディープかつキレ味ある低域

野村 音質面で大きな効果がありそうなのは、ポート(開口部)の場所と形状の変更でしょうか?

潮見 「ビートレスポンスコントロール」という名称は従来と同じですが、ハウジング側面で均等に背面からの空気が抜けるように、ポートを全周に設ける形状に変更しました。

平面に近い波面を再現する大口径70mmの「アルミニウムコートLCP」振動板を搭載。ソニーのヘッドホンとして最大級の大型マグネットで駆動する。フラグシップ「MDR-Z1R」の技術を踏襲した「フィボナッチパターングリル」の採用も新たなトピック。さらに重低音のリズムを正確に再現する「ビートレスポンスコントロール」もハウジング側面にポートを設けた新設計となっている

野村 たしかに低域表現はグレードアップしました。ディープに沈み込み、キレがあって締まりがいい。もちろん、全ジャンルに対応できるヘッドホンなのですが、個人的にはハードロックやオルタナティブロック、EDMなども気持ちよく聴かせてくれるサウンドに仕上がっているな、と感じました。

潮見 生楽器の音も、ぜひ聴いていただきたいです。ハイハットの伸び感、ウッドベースのピチカート演奏のうねりや演奏表現の差などに、より一層の実体感が生まれました。

野村 トランジェント特性がよくなったことが功を奏しているのでしょう。付属品では、4.4o/5極バランス接続ケーブルを同梱したことが大きなトピックですね。

潮見 耐久性が高く、端子の設置面積も広く取れて、音質的に優位だと考えています。

野村 これだけ揃って10万円未満というのは素晴らしいです。

潮見 本機がプレミアムヘッドホンでしか得られない音の世界への扉を開く存在になれば嬉しいですね。

野村 本日はありがとうございました。



中高域の解像度の高さは特筆

“マーク2”という名前が付けられていることにかえって違和感を感じてしまうくらい、「MDR-Z7M2」はまるで別物のように感じる大幅なグレードアップを行っていることが一聴してわかる。先代に対して最低域がグッと伸び、かつフォーカス感も数段上がっていて、ドラムやベースがグルーブ感溢れるビートを刻んでくれるため、“音楽を聴く楽しさ”が大きくグレードアップしているのだ。

いっぽうで、中域から高域にかけての解像感の高さも特筆もの。ボーカルは喉の震えまで感じられそうなくらいリアルだし、エレキギターもエフェクターの種類まで聴きわけられそうなくらい表現力が豊か。ピアノの音も伸びやかで、演奏したホールの広さまで感じられる。フラグシップ「MDR-Z1R」の技術が大いに活かされた結果なのだろう、旧モデルとは一線を画す、良質なサウンドを楽しませてくれるのだ。

ハードロックをエネルギッシュなギター&ボーカル、グルーブ感リズムで再現し、そのいっぽうでクラシックをドラマティックで情緒豊かな演奏を楽しませてくれる。EDMだってグルーブ感溢れる魅力的なサウンドを聴かせてくれる。とても懐の深い製品だ。

(協力:ソニーマーケティング株式会社)

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