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<山本敦のAV進化論 第153回>

Xperia XZ2開発者に聞いた「イヤホン端子を無くした理由」。議論の果てに下した未来への決断

山本 敦

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2018年03月01日


アナログイヤホン端子を無くしてもよいのか? 結論の出ない議論を繰り返した

新しいデザインは画面の大型化と持ちやすさ、機能性も追求した完成度の高いものであることは納得ができた。ただ筆者も含めて、iPhoneに続いてXperiaもアナログイヤホン端子を省略したことに、驚きと疑問を感じている方も多いだろう。なぜXperiaはイヤホン端子を無くす決断に踏み切ったのだろうか。

XZ2の本体上部・底部の写真。どちらにもアナログイヤホン端子がない

「スマホ側から見れば、3.5mm口径のアナログイヤホンジャックを無くすことは本体のスリム化や、端子の孔を減らすことで気密性を上げる効果につながります。ただ、アナログのイヤホンジャックを求める方々の声が根強いこともよくわかっていましたので、開発陣の間でも、結論の出ない議論を長く続けてきました。その過程では、ソニーのオーディオ開発部門とポータブルオーディオのリスニングスタイルに関するアンケートを共有したり、ありとあらゆる側面から調査を行いました」。

「ワイヤレスリスニングのトレンドも顕在化しつつある中、USBデジタル接続に変わっても有線接続でのハイレゾ再生品質を確保すること、3.5mmイヤホンジャックへの変換アダプターを使って従来のヘッドホン・イヤホンをご利用いただける環境を整えることを条件に開発を進めて、結果、このタイミングでUSB接続に一本化するという判断に至っています」(染谷氏)

新しいXperiaの商品パッケージには、USB Type-Cから3.5mmアナログイヤホン出力への変換アダプターが付属する。iPhoneのようにデジタル接続イヤホンが同梱されていた方が嬉しいという声もありそうだが、ソニーモバイルでは今のところUSBイヤホンを同梱する考えはないようだ。代わりにというわけではないが、USB Type-CとBluetoothワイヤレスの2Way接続が可能なイヤホン「SBH90C」が、ソニーモバイル発のプロダクトとして用意される(関連ニュース)。

ソニーモバイルから発売されるUSB接続とBluetoothワイヤレス接続にハイブリッド対応したイヤホン「SBH90C」

USB接続に切り替わると、一つ使えなくなる機能がある。Xperia Z2の頃から搭載している「デジタルNC機能」だ。これについては、ソニーもデジタルノイズキャンセリング機能を搭載するヘッドホン・イヤホンに力を入れているため、ソフトランディングな移行ができると思う。

USB Type-Cによるデジタル接続は、ソニーモバイル以外のメーカーがUSB接続のイヤホンを発売した場合も使えるよう設計されているという。「D/A変換はXperiaの中でやっていますが、デジタル接続のイヤホン・ヘッドホンをつないだ場合はデジタルオーディオ信号をそのまま出力するので、イヤホン・ヘッドホンそれぞれの個性を活かした音が楽しめます」(増田氏)

デジタル接続のイヤホンを接続することで、Xperiaのバッテリーがふだんより多く消費されることはないのだろうか。接続するヘッドホン・イヤホンの仕様によるところが大きいと思うが、例えば先述のSBH90Cを接続した場合どうなるのか尋ねてみた。SBH90CはXperiaなどスマホの内蔵バッテリーからイヤホンを充電できるユニークな機能を搭載しているが、イヤホンのバッテリーがゼロの状態からフル充電になるまで接続し続けても、Xperiaのバッテリーは3%前後しか減らないそうだ。

iPhone 7で有線イヤホンがLightning接続に切り替わったときに、スマホを充電しながらイヤホンリスニングができなくなるなど、いくつかの問題点が指摘されたが、一方でデジタル接続のイヤホンを使うことで、セパレーションや解像感が向上する良い面もある。特に日本に数多くのファンがいるXperiaシリーズの決断が起爆剤になり、 “音の良いデジタル接続のイヤホン・ヘッドホン” がジャンルとして盛り上がってほしいと、いったんは前向きに受け止めたい。

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