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国内メディア向け記者会見

<CES>ソニー平井社長が語る'17年の展望。「ハードの存在意義を信じ、確かな結果を残す」

公開日 2017/01/06 15:17 山本敦
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「今年のCESではAIがバズワードの1つになっているようだ。ソニーは昨年、この分野に特化する部門を社長直下の組織に置いて起ち上げた。様々な技術の検討を始め、社内の各部署に散らばっていた人材やノウハウを集約している。また、社内に今ないものは社外のリソースも積極活用する方法についてもオープンに議論している。AIやロボティクスについては、今年は人材や資金も投入し、さらに加速させる時期と認識している。今回のCESではまだ発表には少し早いと思って具体を触れなかったが、もちろん積極的にやっていく分野。今後発表させていただける機会を設けたい」(平井氏)。

平井氏は、「AI」についてもアピールするべきポイントは機能価値よりも「感性価値」という点も強調している。これこそがユーザーとラストワンインチの距離でふれ合いながら、ライバルを超えて勝ちぬくためのソニーの切り札だという姿勢を平井氏は崩さない。

「AIを搭載すること自体は機能価値。それをブラッシュアップすることはメーカーとして“当たり前”。だから徹底的に追求しつつも、感性に訴えかけるポイントをそれ以上に愚直に追求する姿勢が大事だ。デザインや機能へのこだわりは、ストーリー性も持たせながら伝えることが差異化への近道だろう。この考え方をソニーの社内で徹底的に浸透させてきたことが商品に表れ、ユーザーから評価という形で返ってきた。機能価値と感性価値をどう合わせこんでいくか、AIやロボティクスもやらなければいけないことは一緒だ」。

今年は2度目の3年・中期計画の「総括」を意識したい

平井氏に対して「今年の目標」をストレートに訊ねる質問もあった。問いかけに対する平井氏の答えもシンプルなものだった。

「2017年の4月から始まる1年間が、私がソニーの社長兼CEOになってから2度目の3年中期計画の最終年になる。経営の観点から見ても大きな節目だということを意識し、確かな成果を残したい。計画を立てた時点から不測の要素も含めて環境は変わっているところもある。でもそれは言い訳にならないし、目標にしている数字はやり遂げなければならない。チームで一丸になってやるという決意を新たにしたし、コミットしたことは達成していきたい」。

PS4は全世界で5,300万台を超えるセールスを記録

「その原動力は、各事業部、分社化した会社の努力にも支えられて、エレクトロニクスの商品が強くなってきたことだ。テレビも営業利益を出してくれているので、エレキのビジネスはよりいっそう強化する。全世界で5,300万台を超えるセールスを記録したPS4や、そこにつながる様々なネットワークビジネスの貢献もますます大事になるとみている。ここ1年半で若干陰りが見えていたイメージセンサーも、ふたたび盛り返してくれると期待している」。

総括の1年を見据えながら、確かな「結果」を貪欲に追求する平井氏の意気込みが伝わる会見だった。

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