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技術や音への基本的考えに迫る

SHUREキーマンに訊くモノづくりの哲学。カスタムIEMやBluetooth対応イヤホンの展開は?

公開日 2016/11/09 10:00 高橋 敦
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カスタムはやらない?そしてイヤーピースへのこだわり

ーーー 話は変わり、以前にお聞きした話の確認でもありますが、昨今の超多BAドライバー構成についてはどうお考えですか?

この「以前にお聞きした話」は詳しくはこちらを参照。
以下は一部抜粋。
「ミドルレンジだけで4基ものドライバーを搭載すれば、その4基すべての特性、音量や周波数特性を完全に揃えることは不可能です。するとリニアリティやアキュラシー、音声信号の忠実再現性の面では大きな問題となります」


シュア 考えは変わっていません。付け加えるなら、そういう製品の多くはカスタムイヤーモニターですよね?カスタムの場合は遮音性の不足を補うためにという部分もあると思います。シュアのフォームチップと比べて、カスタムのソフトではないプラスチックの筐体は密着性、遮音性が不足しがちです。するとまずは低域が落ちるので低域のドライバーを増やそう、のような考えはわかります。ですが、ドライバーを増やすとインピーダンスや電流消費も変わってきます。するとワイヤレスモニターシステムとの組み合わせで問題が出ることもあり得ますので、それで我々には採用しにくいという面もあります。


ここは違和感を覚える方も少なくはないと思うし、僕の私感としても「SE」シリーズを明らかに超える遮音性を備えるカスタムイヤモニは存在する。だが逆に「これ遮音性そうでもなくない?」というカスタムもまた存在するだろう。

というのも、ユニバーサルはシェルやイヤーピースの形状やサイズと個人個人の耳の相性でそこは大きく変化する。しかしそういう相性問題をなくせるはずのカスタムでも、「リフィット」が必要になる事例があるように、できあがった現物が必ずしも完全にフィットするわけではなく、出来の良し悪しには差がある。

それを考慮すると遮音性については大まかに「出来の良いカスタム>出来も相性もよいユニバーサル>カスタムだろうがユニバーサルだろうが出来や相性の悪いもの」みたいな並びになるのはおかしな話ではない。そしてカスタムにおけるこの「出来の良し悪し」という要素が、この後に登場する「均質性」の問題につながるのではないだろうか。

何にせよ相性の問題はあるにせよ出来について言えば、「SE」シリーズの遮音性はユニバーサル型イヤホンの中でトップクラスだ。その自負がありユーザーからの実際の評価も高いからこその、このような説明、そのような判断なのだろう。


ーーー ということはシュアとしては、カスタムのイヤーモニターへの参入もあり得ませんか?

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