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最先端の音楽IT集団による注目アプリ

独自技術満載の「OTOTOYアプリ」。その秘密を “天才プログラマー” 竹中直純氏に聞く

海上 忍

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2016年11月09日

■音楽体験の改善を目指して

OTOTOYという音楽配信サービスは、サーバサイド(OTOTOY API)およびクライアントの設計における柔軟性と、プロバイダをグループ会社に持つインフラ面の強さに特徴がある。それを有機的に結び付けている存在が、ほかでもない竹中社長その人だ。

また、OTOTOYアプリはOTOTOY内で公開されている記事へアクセスできることも特徴だ。

「スリーブ、ライナーノーツなどがアプリでいつでも閲覧できるのは、ダウンロード音源の体験がCDを超えた3つめの体験だと僕は思っています。一つ目はiPodで実現された“たくさんの音源を持ち歩ける”こと、二つ目はハイレゾで“CDの音質を超えた”こと、そして三つ目がOTOTOYアプリ内で実現している“たくさんの付加情報を体系立てて常に持ち歩ける”ことです。ある意味、アップルがやり残して放置している大事な部分を、規模は小さいですが僕達が叶えている面白さを実感しています」(竹中氏)と、ここにも竹中社長らしい考え方が反映されている。

OTOTOYアプリからは再生中のアーティストにまつわるOTOTOY.jp内のコンテンツにアクセス可能。 こうしたコンテンツとの密なつながりはOTOTOYアプリならでは

週ごとに用意されるフリーダウンロード楽曲達。OTOTOYアプリには、スマホで良い音を聴く意義を体験できる仕掛けが随所に施されている

しかし、音楽配信サービスであるがゆえに、参加レーベル/アーティストの量は重要で、体験を深めるにはクオリティ(音質)も見逃せない。今回の取材では、ハイレゾ配信サービス開始直後というタイミングもあり、後者の音質をどう追求するかという点に比重を置き質問を試みた。

ハイレゾ配信に関しては、高音質の音源を楽しむ人が増えることは歓迎されるべきとした上で、「ポータブルアンプのような外づけ機器を使わず、スマートフォン1台で高音質を楽しめるのは大事」(竹中氏)という。今後の音楽との付き合い方・楽しみ方を提案するには、大半を占めるカジュアルユーザーは欠かせないというわけだ。

竹中氏は音楽とのこれからの付き合い方を提案する際に、カジュアルユーザーは欠かせないと考えているようだ

今後の課題もあるようだ。「スマートフォン1台にハイレゾ音源が収まり、(然るべきイヤホンと組み合わせれば)高音質であることの意義が伝わりにくい」(竹中氏)ことは一例で、OTOTOY内部でも「スマホでハイレゾ再生するとすごく良い」という意識が盛り上がるまでには時間を要したという。

ともあれ、彼のハイレゾ配信に対する考え方はシンプルだ。

「好きなアーティストの心が震えたライブを、できるだけ臨場感を残して楽しめるようにしたい。良質な体験は、WEBで無料PVを再生して体験したつもりになるのとはわけが違う。OTOTOYのハイレゾ配信は、この風潮を少しでも改善できるチャンスだと信じています」(竹中氏)。

現在も音楽体験の改善に向けユニークな試みを進めているOTOTOYのこれからに期待したい。

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