HOME > インタビュー > LG「isai」開発者インタビュー − KDDIと共同開発し日本のニーズに対応

192kHz/24bitハイレゾ再生にも対応

LG「isai」開発者インタビュー − KDDIと共同開発し日本のニーズに対応

公開日 2013/11/01 10:49 レポート/山本 敦
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

最大192kHz/24bitのハイレゾ再生にも対応

グローバルモデルの「LG G2」は192kHz/24bitのFLAC/WAVファイルの再生に対応したスマートフォンであることにも注目が集まっているが、「isai」も同様に192kHz/24bitまでのハイレゾ再生に対応している。今回最新機種の2モデルがハイレゾ対応となったことについて、金氏は「スマートフォンで楽しめるオーディオの“クオリティ”が今後ますます重要になってくるとみています。LGエレクトロニクスではいち早くトレンドに対応するため、G2とisaiからプリインストールのプレーヤーアプリでハイレゾ再生に対応しました」と、本機能のアドバンテージを強調する。

本体の「Music」フォルダーにWAV/FLAC形式で、最大192kHz/24bitまでのハイレゾファイルを保存しておけば、プリインストールされている「音楽」プレーヤーアプリで再生が行える。

プリインストールされている「音楽」アプリがWAV/FLAC形式のハイレゾ再生に対応している

LGエレクトロニクスにハイレゾ再生に関わる細かな仕様を確認したところ、ヘッドホン端子への送り出しは内部でダウンコンバート処理を行わず、ハイレゾのクオリティを保ったまま出力しているようだ。USB端子経由でのデジタルオーディオ出力については、ハイレゾのデジタル出力には対応しておらず、16bit音源の場合のみ外部USBアクセサリーに出力できる。今回は実機をお借りすることができたので、iBasso AudioのUSB-DAC内蔵ポータブルヘッドホンアンプ「D zero-SE」につないでみたところ、リンクが確立せずデジタル出力は行えなかった。一方「LG G2」で試してみると、デジタル接続ができて音楽再生も楽しめた。ただし、LGエレクトロニクスからの回答によると、デジタル接続ができた場合でも、192kHz/24bitのハイレゾ音源は、内部でダウンコンバート処理を行ってからUSBで出力しているという。

176.4kHz/24bitのFLACファイルを再生したところ

ファイルの種類とサイズまで表示が可能。周波数やビットレートの表示には対応しない


「isai」では「D zero-SE」とのリンクが確立せず

「LG G2」では「D zero-SE」による再生が行えた

「カスタマイズ」は日本市場での差別化競争を勝ち抜くためのキーポイント

今回KDDIとともにisaiを開発してきたことで、日本市場におけるメーカーとユーザーのこだわりが、以前よりも明確に見えてきたと金氏は語る。殊にデザインやカラーリングなど、ポップなテイストを好むauユーザーの嗜好を知ることができたことは貴重な資産になるだろうとした。

これからの日本国内のスマートフォン市場について、金氏はどんな見解を持っているのだろうか。

「スマートフォンは直近の2〜3年の間で爆発的に普及を拡大してきました。今では多くの方々がスマートフォンを所有していますので、もはやスマートフォンをつくれば売れる時代ではなくなったと、私は感じています。基幹部材についても同じものを使うことが多いため、本体の基本的な処理能力で差別化を図ることも難しくなってきました。ハードウェアの進化が以前ほど急速には進まなくなってきた今、どうやって製品を差別化していくのか、メーカーにとっては非常に難しい課題です。その中でユーザーインターフェースのオリジナル化は一つの重要なキーポイントになると考えています。ユーザーインターフェースの違いによる便利さ、ユーザー体験の向上については、まだ一般の方々に伝えきれていない部分だと認識しています。“ユーザーインターフェースが気に入ったから、この製品を買う”という決め手を作り切れていませんが、だからこそ逆手に取って考えるのであれば、今後はチャンスが広がっているのだと思います」(金氏)

他にもスマートフォンそのものに加えて、ウェアラブルデバイスなどスマホ周辺機器が注目を集めつつあることにも金氏は着目している。LGエレクトロニクスにも、周辺機器によるビジネスを確立、拡大していく重要性が認識されつつあるという。


次ページLGスマートフォンの進化はどうなる?

前へ 1 2 3 4 5 6 次へ

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック: