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ソニーの技術を結集した「オールソニー」製品

「自分たちが欲しい商品を作った」 − ソニーのヘッドマウントディスプレイ「HMZ-T1」開発者インタビュー

公開日 2011/09/21 10:00 インタビュー:ファイル・ウェブ編集部
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■コスト削減にも垂直統合ならではの摺り合わせが活きた

楢原:2011年初めのCESで披露する前に、ソニー社内でたくさんデモをしましたが、あまりに反応が良すぎるので、「ソニー社員は何てヘッドマウントディスプレイが好きなんだろう」と思っていました(笑)。CESでソニー社員じゃない人たちがどう反応するのか、実は疑心暗鬼だったんですね。

でも、実際にブースに立ってデモ対応をさせて頂いたら、プレスの方からも一般の方からも、みな一様に良い反応が返ってきたのでホッとしました。

■「自分たちが欲しいものを作っている」


「製品自体の魅力がスタッフを引っ張っていってくれた」と楢原氏
楢原:印象的だったのは、うちのメンバーがみんな、「自分たちが欲しいものを作っている」という意識で作っているので、モチベーションが非常に高かったんですね。

たとえば私はマネージャーという立場ですから、かなり厳しいプライスターゲット、コストターゲットを提示するわけです。自分で言うのもアレですが、本当に達成できるだろうかというレベルのターゲットだったんです。

でも、メンバーが「やりますよ」と言ってくれまして。聞いてみたら「自分が買える値段にしたいから」と言うんですね。この言葉が示しているとおりで、一人一人がオーナー感を持ったプロジェクトだったんです。

これは口で言うのはかんたんですが、実際には意外とこういうことって無くて、マネージメントとしては理想のかたちに近かったですね。

とは言っても、私がマネージャーとして優秀だったからなんてことはもちろん、ありません。この製品自体の魅力が、みんなを引っ張っていってくれたんですね。だから私はこのみんなのモチベーションの邪魔をしないようにすることを、ひたすら心がけました。

森:プライスターゲットにしても、技術的なレベルにしても、普通にやっていては達成できない目標を最初に掲げたのですが、じゃあそれを何とかして実現しようと努力して、カタチにできたというのが、今回のプロジェクトでした。

ーー 11月11日の発売がますます楽しみになってきました。本日はありがとうございました。

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