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鈴木桂水氏が観た!聴いた!

高音質&高画質を実現する「FORSシステム」で生まれ変わったブルーレイ「幻魔大戦」「ファイブスター物語」

インタビュー&レビュー:鈴木桂水

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2009年11月26日

■鈴木桂水氏が観た!聴いた!FORSシステムで生まれ変わった2作

今回BD版が発売される「幻魔大戦」と「ファイブスター物語」は、制作から20年以上の年月が経っており、FORSシステムの効果を感じるのに適したソフトだといえる。


「幻魔大戦」は、原作・原案に平井和正氏、石森章太郎氏が参加したサイキック(超能力)ドラマ作品。小説版と、石森氏が作画したコミック版もある。善と悪が究極の戦いを繰り広げるこの作品は、そのテーマが壮大なので、小説、コミックを含め、いくつかのストーリーに分かれているが、完結をしているのは映画版のみになっている。

ストーリーは世界崩壊を目論む「幻魔」と、超能力者とサイボーグ戦士が戦うという内容。後にオウム事件で注目される「ハルマゲドン」という言葉や「2012」など、昨今のハリウッド映画にあるような終末思想がふんだんに盛り込まれるなど、時代を先取りした内容になっている。

この映画版「幻魔大戦」がBD化されることには大きな意義があると筆者は考えている。というのも本作のキャラクターデザインは、海外で日本のコミックやアニメーションの評価が高まるきっかけになった「AKIRA」の作者、大友克洋氏が担当したからだ。改めて作品を見直すと、作中の登場人物が使う超能力の表現方法など、映画版「AKIRA」などにも通じる演出があり興味深い。


監督は「銀河鉄道999(1979)」で知られるりんたろう氏が務めた。「幻魔大戦(1983)」などを経て、2001年に再び大友氏とタッグを組み「メトロポリス」を完成させている。

内容は、スピーディーな今どきのアニメに慣れた人には、展開がゆったりとしており、違和感を覚えることもあるだろう。正直好みが分かれるだろうが、ジャパニメーションの歴史を語るなら押さえておきたい作品だ。

評価は通常のBD版とFORSシステムを使用して制作された「製品クオリティ版」を見比べて評価した。

視聴を行ったキュー・テックの視聴室

まず通常のBD版だが、この時点でこれまでのDVD版と比較できないほど鮮明な映像になっているのに驚いた。夜の街並みからスタートする本作だが、DVD版では黒く潰れてしまい、背景は全体的に沈んでいる。光線などのシーンも単調で、長時間の視聴はツライ画質になっていた。

BD版は当然ながら画面の解像度が上がっており、S/Nがよいので、明部と暗部の差がハッキリしており、とても見やすい。DVD版ではまったく感じられない、フィルムグレインを正確に再現しているので、まるで映画館で見ているような錯覚を受ける。古い作品ほど、BD化する意味があると実感した。

いよいよ「FORSシステム」を使った製品版を再生した。一番の違いは“音”だ。ジッターを訂正することで、サウンドの定位がハッキリして、臨場感が数段と上がっている。とくに台詞はセンター位置で定まっているので、とても聞きやすくなっている。

映像では解像感が若干上がっており、従来のBD版よりも文字が読みやすくなっていた。輪郭がシャープになっているが、それにともないフィルムグレインも強調されているように感じた。このあたりは好みだろう。



次に「ファイブスター物語」を視聴した。本作は1984年にテレビ放送されていた「重戦機エルガイム」でメカニックとキャラクターデザインを担当した永野護氏のコミックを原作としたアニメ。巨大なロボット「モーターヘッド」を操る騎士「ヘッドライナー」と、そのサポートアンドロイド「ファティマ」が星間戦争を繰り広げる壮大なファンタジー作品だ。メカのデザインや設定などがエルガイムと近いこともあり、多くのファンを獲得している人気作だ。ちなみに本作も幻魔大戦と同じく、原作は完結していない。

ファイブスター物語の視聴は幻魔大戦よりもさらに短く、5分程度のオープニングのみだったので、物足りなさを感じたが、それでも違いはわかった。こちらも通常のBD版にFORSシステム版の方が、音声クオリティの高くサウンドの臨場感はすこぶる向上している。もしできることなら、すでに発売している作品をFORSシステムで作り直してほしいぐらい音質はいい。


画質は文字が見やすくなっていたので、洋画の字幕で違いが感じられるだろう。ぜひ実写でも違いを確認してみたいところだ。

FORSシステムの筐体は、中国産御影石を加工して作り上げたというこだわりの逸品だ。さらにトランス、電源ケーブルなどに“厳選素材”を使用して、エンコードの質を向上させている。それだけではなく、プレス工場でも専用のラインを用意するなど、エンコードから製品まで、マスターのクオリティを残そうとする努力が感じられた。

先日ソニーPCLが開発したした“SBMV Extend”のレポートをお伝えした。ソニーは電子回路と民生機のBDレコーダーで培ったソフトを組み合わせて、SBMV Extendを完成させ、BDアニメの画質のクオリティを高めている。ぜひそちらのレポートと読み比べていただけると、BDアニメを取り巻く環境が急速に充実していることを感じていただけるだろう。

今回視聴を終えて、すでにDVDでコレクションした作品もBDで買い直さなければいけないと痛感した。VHSビデオ→レーザーディスク→DVD→BDと、アニメ好きは、これから先、どれだけ散財をすればいいのだろうか? まぁ、そうは言いつつも好きな作品のBD版が出れば、買い直すのだろう。

■ソフト情報

幻魔大戦(品番:DAXA-1132)片面2層、 ¥5,460(税込)
 音声:リニアPCM(2.0ch)/ドルビーTrueHD(5.1ch)※ともに日本語
 映像:MPEG-4 AVC/H.264
 特典:特報、予告編、スタッフ&キャストプロフィール
    解説書
    特製フィルムブックマーク(初回特典)



ファイブスター物語(品番:DAXA-1133)片面1層、 ¥5,460(税込)
 音声:リニアPCM(2.0ch)※日本語
 映像:MPEG-4 AVC/H.264
 特典:予告編、スタッフ&キャストプロフィール
    解説書
    特製フィルムブックマーク(初回特典)


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