心が温かくなるロボットアニメ映画ブルーレイから3本を厳選!家族で観たくなる傑作
伊尾喜大祐「ロボットアニメ」と聞くと、バトルものや戦記ものを思い浮かべる方は多いかもしれないが、しっとりとしたドラマ作品にも傑作は多い。人とロボットの種族を超えた友情、本来感情のない無機物に芽生えるエモーション。ぎこちなくも愛らしいロボットたちの物語には心が温まる。
酷暑も落ち着きを見せ、過ごしやすくなってきた今日このごろ。心温まるロボットアニメを家族やパートナーと鑑賞しながら、秋の夜長を過ごしてみてはいかがだろうか。
今回は、評論家でもあり2児の父でもある伊尾喜大祐氏が、今年発売されたブルーレイ(以下、BD)のなかから傑作ロボットアニメ映画を3本厳選した。それぞれの見どころを紹介していただこう(編集部)。
『ロボット・ドリームズ』
HPXR-3057 5,940円(税込)クロックワークス/ハピネット・メディアマーケティング
STORY
ひとり暮らしのドッグの孤独な生活は、組み立て式「友達ロボット」との出会いで一変。ニューヨークの名所を巡りながら深い友情を育む2人だったが、ある出来事で離れ離れに…。
80年代NYを再現する絵と音響。「セプテンバー」に涙する
ドッグやロボットたちの描線はシンプルで、色彩も華美ではなく生活感のある配色。舞台である80年代NYは、街並みから店舗や路上のゴミまで、徹底的な描き込みで驚くばかり。
そのアプローチは5.1chサラウンド音声も同様だ。当時の音素材を緻密に積み重ねた街頭ノイズの包囲感は素晴らしいの一言。セリフらしいセリフはほぼないが、ドッグの息づかいやロボットの駆動音、そしてピアノ主体のジャジーなBGMが雄弁に彼らの感情を物語る。
CH1地下鉄構内やセントラルパークの雑踏。CH2海辺の遊園地のにぎわい。CH4花たちのタップダンス。窓際に並ぶロボットのおもちゃにも注目。CH8打ち上げ花火。そして何より本作を観たら、アース・ウインド&ファイアーの「セプテンバー」を聴くたびに涙腺が大変なことになるはず?
SPEC
●製作:2023年/西・仏 ●ジャンル:洋画アニメ ●監督:パブロ・ベルヘル ●本編ディスク:約102分、ビスタ ●本編音声:英語DTS-HD Master Audio 5.1ch ●字幕:日本語 ●特典:予告編集、メイキング映像集
『野生の島のロズ』
STORY
野生動物たちの島に漂着した最新型ロボット・ロズ。雁のひな鳥キラリと出会ったロズは、自分の中に芽生えた「心」に気づいていく。そして、当初は彼女を恐れていた動物たちも懸命にキラリを育てるロズの姿に、次第に心を開いて…。
BD画質でも見劣りしない絵画のような美しさ。配信では4K版も
水彩画タッチの島の自然や動物たちの中に、3DCG描画のロボット:ロズの異物感が際立つ。そのロズがやがて自然と調和していく過程が、映像的にも物語的にもとても美しい。木漏れ日など光の描写も圧巻だ。英語音声はDolby Atmos。環境音の包囲感を中心に、繊細で効果的な空間演出がなされている。
CH5ひな鳥キラリ誕生時のロズの発光反応。CH11紅葉の森での飛翔訓練。CH12朝の光の中で旅立つ雁の群れ。CH16春の陽光に包まれる島。CH17夜の森での戦闘ロボ軍団との対決。本国では4K UHD BDもリリースされたが、国内盤は惜しくもブルーレイ止まり(セル配信では4K版あり)。それでも、本作の映像美は決して見劣りしない。
SPEC
●製作:2024年/米 ●ジャンル:洋画アニメ ●監督:クリス・サンダース ●声の出演:ルピタ・ニョンゴ、ペドロ・パスカル/日本語吹替 綾瀬はるか、柄本佑 ●本編ディスク:約102分、スコープ ●本編音声:英語Dolby Atmos、日本語Dolby Digital 5.1ch ●字幕:英語、日本語 ●特典:もうひとつのオープニング “ロッザムのPRビデオ”、収録風景、キャスト・インタビュー、未公開シーン、アニメーションの新境地へ、原作に息吹を、野生の島を彩る音の魔法ほか
『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』
【通常版】PCXE-51067 4,620円(税込)小学館/ポニーキャニオン
【デラックス版】PCXE-51066 6,820円(税込)小学館/ポニーキャニオン
STORY
ひみつ道具「はいりこみライト」で絵の中にある世界・アートリア公国に入り込んだドラえもんとのび太たち。幻の宝石アートリアブルーの謎を追ううち、”世界滅亡”の伝説が甦って…。
“絵”がテーマのカラフルな世界。ドラえもんたちがアトモスで駆け回る
映画「ドラえもん」にDolby Atmosが導入された4作目。キャラクターたちがホームシアターを元気いっぱいに駆け回るサラウンド効果は、これまで以上に遊び心たっぷりだ。
絵をテーマにした物語だけに、油絵のような筆致で背景が描かれた映像世界もとてもカラフル。特に「アートリアブルー」の美しい色彩表現には目を見張った。
CH1頭上に轟く時空の渦。名画の数々にのび太たちが入り込んだオープニング。CH2木の上のジャイアンの声。きせかえカメラ内に響くシャッター音。CH3湖のブルーの表現。CH5タイムトンネルのチェイス。CH6無数の悪魔の飛来音。タケコプターでの空中戦。そして終盤で「ある人物」が「いい絵とは何か」を語るシーンも素晴らしい。ぜひご家族でお楽しみを!
SPEC
●製作:2025年/日 ●ジャンル:邦画アニメ ●監督:寺本幸代 ●声の出演:水田わさび、大原めぐみ ●本編ディスク:約105分、ビスタ ●本編音声:日本語Dolby Atmos、日本語リニアPCM2.0ch(オリジナル)、バリアフリー日本語音声ガイドリニアPCM2.0ch ●字幕:日本語 ●特典:特報、予告編、TVスポット
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